アンドロメダ /29
日本時間。日曜日。昼、12時に始まった日本政府の記者会見。
日本のメディアが、地球各国の、各地域のマスメディアの代表が、日本のドーム球場からの中継放送を見ている。
夜に、深夜の地域も、起きている人々。
司会者が、今回の記者会見をする為に、地球各国のメディア代表に来場してもらった事にお礼を申し上げた。
司会者が、日本政府代表として、内閣総理大臣から、大和ススム君と、飛鳥マヤさんの神隠しにあった事実を説明した。
「ススム君とマヤさんは、木星軌道上にある、エイリアンシップ、アンドロメダに転送されたとわかりました。」
総理大臣が話した。
マスメディアがざわめく。
「その転送システムは、高野の山にあり、わが国、自衛隊の管理の元にあります。」
質問をするマスメディアの声が飛び上がった。
「質問は、後でしてください。」
司会者が言った。
ざわめく会場。驚く地球各国の国民。
地球各国の政府からは、国家間の秘密にする問題だ。
何故、マスメディアに発表したのか、抗議の電話にメールがきた。
ススムと両親、兄弟。マヤとママが、入って来た。
席に着く家族。
カメラがススムとマヤを撮る。
ススムとマヤの間に、もうひとり、マヤにソックリな女の人が座っている。
ざわつく中、ススムとマヤの左手が輝いた。
地球各国の国民が、見ている。
日本政府代表の科学者が、木星の解説をした。
そんなことはいらないと、マスメディアの声。
「木星軌道上に、エイリアンシップがあるのですよ。」
話す、総理大臣。
「木星という星が、どこにあるのか? 」
「木星とは、何か、マスメディアの方々は、地球各国の国民に説明できるのですか?」
黙った、各メディアの人々。
科学者が木星の予備知識を説明した。
ここまで、数時間がかかった。
「では、まず、家族の再会したマヤさんとススム君の喜びのインタビューから。」
ススムとマヤは、家族との写真を撮られた。
「アンドロメダーイブ。」
手を引っ張る、マヤ。この人は?
キャスターが聞いた。
「説明は後でいたします。」
司会者が話した。席についたススムと家族。
マヤとママ。
ススムと顔を見ない母親と、兄。
インタビューにも、乾いた答えしか帰ってこない。
ついつい、マヤとママに、インタビューがいった。
「学校から帰って、店の仕込みをしてくれるの…。」
「卵焼きが得意なのだけど時々、殻が入っていて、お客さんの中に…。」
「でも、怒らないのですよ。」
「私、中学しか行ってなくて、マヤの勉強、お客さんが見てくださるのです。」
「あの日も、朝、この娘が、私にお弁当を作ってくれて、元気にハイキングに出かけたの。」
「私、2階の窓から送った後、娘の弁当開けて、おにぎり、ひとつ食べた。」
女性キャスター達から、マヤママに質問が多く飛んだ。
ママさんから見て、マヤさんに、点数をつけるとしたら?
やけどの話ですが?
居酒屋を経営していると聞きましたが、お客さんは、マヤさんをどう言ってますか?
ママさんの料理で、1番好きなものは?
通訳を通して答えるマヤママ。
マヤの手を握ったままだった。
「なぜ、この女にだけ、インタビューするのよ。」
ススムの母親が怒った。兄と出ていく母親。
マヤママが止めようとした。
ススムのお父さんが、マヤママを押さえた。
「いいのですか?」
うなずく、お父さん。悲しい顔をして。
「それでは、ススム君とマヤさんの、エイリアンシップの話をしてもらいましょう。」
司会者が、会場の雰囲気を変えた。ススムとマヤが、壇上に上がった。
イブも連れて。
司会者が言う。
「今から見せる映像は、とてもショックな場面があります。」
ドクターが、ナース達が壇上に上がって、説明している。
「この会場におられる、日本政府関係者、自衛隊員、警察関係者、マスメディアの皆様が、倒れています。」
「過呼吸に陥った場合の処置をお話しします。」
「吐き気等々の場合の処置をお話しします。」
ススムとマヤが見ている中、しつこいぐらいの説明をする、ドクターにナース達。
「では、お願いします。」




