アンドロメダ / 27
7月に入って、ススムとマヤが日本に帰ってきたとフェイスブックに乗った。
日本政府がススムとマヤを逮捕、隔離していると書いている。
日本政府は削除と共に犯人の割り出しにかかった。
犯人は、わかった。
戦争論を唱えた政治家。
世間を惑わせた政治家のレッテルを貼られた政治家。
マヤが帰って来た日から、居酒屋に、カメラが付けられた。
マヤがママに連絡したことの対策として。
マヤのことだからと、女の子のことだからと、政府関係者は、居酒屋での、ママの代わりを、ママの影玉を何人か用意した。
5人の影玉。
ママが、5人にあったときはビックリしていた。
「で、今から、1番ママさんにソックリな人を、マヤさんと会います。」
「でも、あの娘。感がいいから、解るかも。」
別室にいるススムとマヤ。
ママが入って来た。いつもどうりの元気なママ。
ススムが、立って挨拶した。
「あなた、誰? ママではない。」
マヤが言った。
固まったママさん。
いくつ言葉を交わしただけの時間で。
「見破れた。」
「入った時から、わかった。」
落ち込んだ、ママの影玉さん。
モニターで見ていたママが、
「5人で行きましょうか。」
4人でマヤに会ったママ。
「どれが、本物だ?」
笑って聞いた、ママ。
「全員、ママじゃない。」
言われて、倒れて、落ち込んだ、ママさん達。
ママは、別室で大笑いをしている。
通路に出るマヤ。
いくつもの扉に立った。
「ママ、ここにいるんでしょう。」
ドアを叩いたマヤ。
開けたマヤにしがみついて、笑い転げるママ。
「やっぱり、親子だ。」
ススムが。
その後、6人のママさんと、お茶会。
SPも見ている。
モニター越しに見ている警察本部の人々。
「どうしてわかったの?」
「私達、自信あったのよ。」
聞く6人のママ。
「雰囲気が違うのよね。」
今まで、ばれなかった、名前の知らない5人のママさん達。
マヤママが東京に、マヤに会いに来ているときは、店に入ってくれる影玉のママさん達。
お姉さんは知っているので、笑いをこらえて、働いている。
ママそっくりにお客さんの話に応じるママさん達。
そんなママそっくりの人達が、マヤに見破られて、落ち込んでしまった。
「でも、わかるのって、私ぐらいかな?」
ママから、電波が出ていると、マヤが話した。
ママが東京に来た時の代役だと、政府機関の関係者が話した。
「じゃ、ママと買い物行けるね。」
マヤが喜んだ。マヤとママ。
その後は、東京で買い物は?
美味しいお店は?
女子トークに花が咲いた。
そして、やけどの後を化粧で隠したマヤは、SPの護衛付きでママと東京見物に。
その時の写真がでた。
誰が出したのかは、言わなくてもわかった。
しかし、ママが居酒屋にいたと言う人々がいて、信用出来ないということになった。
日本政府は、今回のニュースを重く受け入れた。
「どう対応すればいいのか。」
ススムとマヤが帰って来た時から、ススム達と日本政府の間では、話の食い違いが現れた。
「これ以上、地球の上で話してもらちがあかんでしよう。」
「実際、アンドロメダに行きましょうか?」
ススムとマヤが言った。
驚く政治家に科学者。自衛隊の幹部。
「いいのか?」
「その代わり、書類作成は、日本政府が責任もってしてください。」
「事故が起こった時は、助けられないですから。」
「ウソだろう?」
聞いた科学者達。
「たったふたり。それも、数日間いただけの宇宙で、アンドロメダで、あなた達は、何を期待しているのです。」
「私は、報告した通りアンドロメダの中には、人間の生活できる場所はありません。」
「しかし、エイリアンが生活していたのだろうが。」
「5000万年前の話です。」
「アンドロメダが破壊されて、再生したのですよ。」
「アンドロメダ自身の為に。」
「だから、生命活動出来る場所ではないのです。」
「生活区は、アンドロメダを作ったエイリアンが作成したものです。」
「設計図、資料など、ありませんよ。」
話す、ススムとマヤ。
「後は日本政府が決めてください。」
「日本宇宙開発事業の資料に基づいて、書類を検討したらいいのでは。」
ススムとマヤが投げ出した。
「これは君達の問題でもあるんだろうが。」
「たかだか、16歳の学生に、政治の世界を見せないでくれます。」
「日本政府が対応できないのなら、地球各国に情報を公開して、地球各国の政府機関に、政府関係者に協力を求めて下さい。」
「他国が信じられないのなら、決められないのなら、地球国民に、すべてを公開して、真意を問えばいい。」
「一つの国で出来る事ではないのだから。」
「アンドロメダを動かすにしても、どうすれば?」
「私達も、アンドロメダも、待ちます。」




