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アンドロメダ /01  作者: 稔~minoru
22/39

アンドロメダ /22

ズドン!!

ススムとマヤが落ちた。

ススムの上にマヤが乗っている。

カエルが潰された音のたてたススム。

「ゴメン」

言って退いた、マヤ。

「ここはどこだ。」

聞くススム。

「ありがとう。アンドロメダ。」

マヤが言った。


ススムとマヤが地球に帰れると、なって、何日かかった。

木星の、アンドロメダと資料を、作っていた。

マヤはアンドロメダから、話を聞いている。

ススムは、スマホで、木星を、3Dのサンプル人間を撮っいる。

地球を見ているマヤ。

ススムは、アンドロメダは、地球との比較対象に、見せた。

アンドロメダの全長は、日本列島と同じぐらいだった。

驚く、マヤ。

マヤがアンドロメダ-イブと話している。

壁に現れる、人の光。

マヤとアンドロメダ-イブを撮るススム。

スマホのSDカードがいっぱいになった。

「もっと撮りたかったな。」

ススムが言った。

「また、次にしましょう。」

「レンズもあることだし。」

そして、ススムとマヤが地球に送られる日が来た。

「話したくなったら言いなさい。」

「いつでもくるから。」

ススムとマヤが両手を持って、待った。

そして、飛んだ。


重いススムが下になり、マヤが乗った。

ススムが潰れている。

「太ったろう。マヤ。」

口の悪いススムの頭を。

「ここはどこだ。」

木で出来た家。

中央に、祭壇があり、神鏡が飾ってある。

外からは、手を叩く人々が。

賽銭の音。

神様、と聞こえてくる。

マヤとススムが見合わせた。

「どこ?」

柏手を打つカップルが。

「神様、お願いです。」

「願いを聞き届けて下さい。」

何人もの人々の願いが聞こえる。

「神様!」

窓から見たススムとマヤ。

「神様! お願いいたします。」

多くの人が参拝に来ている。

「神様もたいへん。」

マヤが言った。

その中で熱心に祈るカップルが。

マヤが、カップルに言った。言った。

「わかりました。聞き入れましょう。」

カップルに何人もの人が顔を上げて見ている。

「聞いたか!神様。俺達の願いを聞き届けてくれるって。」

周りから、拍手が上がった。

「私も聞いた!」

女の人が言った。

男が女の手を握って言った。

「結婚しよう。」

「神様が願い、聞き届けてくれる。」

女の人がかたまった。

「誰と?」

「俺と。」

手を握った。

「私、あんたと別れることをお願いしたのだけど。」

周りの人が、女の人を見た。

「なぜ?」

男が。

「私も働いているのよ。」

「なのに、あんたって、仕事から帰ったら、ゴロゴロして、家のこと、しない。」

「私を大事にしない!」

「働かなくていいって言っているだろう。」

「あんたの給与で、生活できないの!」

「だから、私、パートに出ているのに、あんたは、仕事から帰って、夕食も作らない。服を脱いだまま……。」

と怒る、女の人。

神様の真ん前でケンカすると言う人々。

「それに、下手。あんただけ満足して、……」

と、話す、女の人。

子供達には、聞かせられない。

マヤが、リックサックのところにはっていった。

「どうするんだよ。」

「知らない。」

マヤは投げ出した。

「こらこら、神様の前でケンカとは、どうした。」

聞こえる。

「実は。」

話す、男。

「神様の声が聞こえたと。」

他にも、聞いた人達がいた。

何人かの人に連れられて去っていく人達。

それからは、時だけが過ぎていく。

柏手を打つ音。賽銭箱に入れる音。

「お腹空いたね。」

「ウン。」

同じこと、何回言ったことか。

木の家の鍵が、空いた。人が入ってくる。

「お前達……。」

口をふさいだ。ススム。

「静かにして。」

うなずく、神官。

「お前達、誰だ!」

「どうして神の社に入った。」

マヤの顔を見て驚く、神官。

今や時の人になったふたり。

「わゎゎゎ!」

「神もどり様だ!」

「えっ?」

「何?それ。」

ススムとマヤが。

神官が、頭をこすりつけるようにして言った。

「神かくしに会われた方が、神の国からお戻りにになった人を言う言葉です。」

「先ほどの騒ぎで、もしかしてと来て見たのですが。」

言う、神官。

「少しお待ち下さい。」

「いいけど、お腹空いた。」

「饅頭食べたい。」

マヤが言った。

「饅頭ですか?」

マヤの顔を見た神官。

それから、扉を閉めて鍵をかけられた。

「私達、囚人?」

マヤが聞いた。

しばらくして、人々の歩く、足を擦る音が聞こえた。

座っている、ススムとマヤ。

入って来た神主達、神官達が、お辞儀をした。

ススムもマヤも驚いてお辞儀をする。

「本日は、大和ススム様、飛鳥マヤ様、神のお国からお戻りになりまて…。」

と、長々と、向上を述べられた。

「あの…。」

マヤが言った。

「私達、そんなに偉くないんですが…。」

「いえいえ、神のお国からお戻りにになられたおふたりは、……。」

と、左手のレンズを見た。

「それより、お腹が空いて、たまらないのですが。」

ススムが言った。

「これはこれは、わたくしとしたことが、気がつきませんで…。」

神主が話した。

マヤ、崩し正座になった。

「で、神のお国は、どのようお国でしたか?」

みんなが聞いている。

「ここで話してもいいのですが。」

「あまりにも、問題がありすぎて、まず、政府関係者に話したいのですが。」顔を曇らせた神主。

ススムは腕時計を外した。マヤも外した。

「これを見て下さい。」

「ハイ?」

「時間の流れが違うでしょう。」

「クォーク時計は、10月。デジタル時計は、まだ、5月。」

「どちらの時計が。時間が正しいのか、知りたいぐらいなの。」

マヤが言った。

ふたりを見る神主達。神官達。

「今は5月で、」

「と、言う問題でなくて、この世界と神の国の経つ時が違うと言うこと。」「私達も、説明できないの。」

「まるで、浦島太郎になった気持ち。」

「俺とマヤの進む時が違っていたり。」

「あのまま、神の国にいたら、何年後に帰って来て、ママに会えなかったかも。」

マヤが言った。

見合わせた、神官達。

扉を叩く音がして、巫女が3人入ってきた。

「お食事をお持ちしました。」

おにぎりに、漬物、卵焼きに、煮付け、等々。

「美味しそう。」

「お食べ下さい。」

言う、神主。

お礼を言って、食べるマヤ。

何日かめの、ご飯に、喜んででいる。

「で、これからは?」

食べながら聞く。

「神儀省に連絡しましたので、わかりしだい連絡いたします。」

退散した。

巫女も退散しようと、出口に、ふたりの巫女が、巫女を押し返した。

倒れる巫女。思わず、ススムとマヤが駆け寄った。

「大丈夫です。いつものことですので。」

巫女が。

「私達、神戻りの子孫なんです。神戻り家と、代々なのってました。」

話す巫女。

名前を聞く、マヤ。神戻シズクと言う。

立たせたマヤが、左手のレンズを見ている。

「どうした。」

「シズクさん。神もどりの血を引いている。」

「じゃ、お姉様も。」

聞くシズク。

わからないと、答えたススムとマヤ。

シズクさんの話では、神戻り家は、神職として、社に仕えていると。

シズクさんの家は、分家の分家で、本家のふたりの巫女から、嫌がらせをされていたと言う。

「どうしたい。」

おにぎりを食べながら、聞く、ススムとマヤ。

「神もどりを血を引いていると知られたら、普通の生活を送れないかも。」

レンズを見て言う、マヤ。

神主と神官。巫女がふたり、入ってきた。

目が赤い、巫女。

「お饅頭をお持ちしました。」

山盛りの饅頭にお茶。

「後、2時間ほどで、参拝者がいなくなります。」

と、これからの予定を言った。

ホテルで一泊して、東京に移動すると。

「ありがとうございます。」

ススムが。

「では。」

と、神官が出て行った。

ふたりの巫女が座っている。

「あなた達もいいですよ。」

ススムが話した。

「シズクさんとのお話、とても楽しいので。」

巫女に神官達が驚いた。

神官達は、巫女を連れて出ていった。

「言うたら、山のように持ってきて。」

いうマヤ。

山のように積んだ饅頭を並べた。ヨモギに、豆大福。大福餅に、イチゴ大福。メロンにマンゴーの大福。

「私をブタさんにする気なんだ。」

笑いながら怒ったふりをするマヤ。

「メロンって美味しかな。」

かぶりつく、マヤ。

「おいしい。ホッペがとろける。」

言いながら、シズクに饅頭を渡した。

マヤを見るシズク。

「いいの、いいの。」

ススムにも、饅頭を渡す、マヤ。

「それで、神のお国はどんなところでしたか?」

饅頭を食べながら聞くシズク。

「異星人の宇宙船。」

「へぇ?」

気の抜けた返事をした、シズク。

「アンドロメダって名前だけれどエイリアンの作った宇宙船よ。」

マヤがスマホを見せる。

シズクが白い手で見る。

木星の大渦巻き。星が吸い込まれて、稲光が出ている。

シズクは饅頭を持って見ていた。

「どう。」

ススムが聞いた。

「すすごいです。木星の大渦巻き。初めて見ました。」

「シズクさんは、どうして、木星の大渦巻きとわかった?」

シズクが困った。

「どうしてっても。」

「テレビで、アニメで見たので。」

大宇宙戦艦のアニメを言った。

「そうだね。でも、昔の人達が見たら、どう思う?」

「えっ?」

「サイエンスフィクション。SFは、戦後、産まれた作品だよ。」

「ベルグが、月旅行の小説を書いて、エドガーライスパローズが、火星や金星のヒロイックファンタジーを書いたのが始まり。」

「ゴメン。パローズって?」

「ターザン。その作者。」

「あれって、映画だよね?」

「小説だよ。パロースの。」

「小説では雄叫びなんか出ない!」

「映画ように作られた演出。」

「オタクだ。スジ金入りの。」

マヤとシズクがススムを見た。

「あの…。」

シズクが聞いた。

「ヒロイックファンタジーってなに。」

「お姫様を守って冒険する勇者様の話。」

「素敵!」

ふたりは、手を握った。

「今のテレビアニメだね。」

「異世界を舞台にした、学生達のアニメ。」

「ハリウッドの70年代のSFの方が面白かった。」

ススムが倒れた。

「人々に認定されたのが、テレビに映画。50年から、60年代にかけて。」

「宇宙戦争。テレビが無い時代にラジオドラマとして放送されたんだ。」

「イギリスだったかな? アメリカだったかな?国中が大騒ぎになって、人々が逃げまどい、休暇中の兵士が非常事態に陥ったって。」

「宇宙戦争を見たいな……。」

笑う、マヤとシズク。

「おこちゃま。」

うなずくシズク。

「あれから、SF、サイエンスフィクションが生まれたのは。」

「宇宙を舞台にしたものや、エイリアン。」

「ロボット兵器。サイボーグ。アンドロイド。」

「ワープ航法に、スターウォーズ。」

うなずくふたり。

「日本人が、地球の人達が、宇宙を宇宙船を意識したのは、テレビが出来て、大宇宙戦艦が始まって、スターウォーズが、エイリアンの映画が、出来たからだろう。」

シズクを見て聞いた。

「もし、SFを知らない人達が、宇宙を知らない人達が、突然、木星の大渦巻きを見たら?」

「神の国に来たと思うだろう。」

「現に、西洋では、太陽の目をシンボルにした、神がいる。」

「それが、アンドロメダから見た木星だとはわからないけど。」

「エイリアンに、誘拐されて、木星を見たのかも。」

「じゃあ、神さまって。」

「すべてがそうと、言えないけれど、エイリアンがこの太陽系を通ったこともあるだろう。」

「あの神鏡もそう。」

「エイリアンシップで作られたのか、地球で作られたのかは、わからないけれど、大事に使われているんだろうな。」

「ハイ。」

「2000年以上、大事に扱った神鏡だから。」

マヤは、聞くことにつとめている。

3個目の饅頭が、口の中にある。

「神の力。エイリアンの装置が作動する。」

「じゃ、神の国から戻ってきたら?」

「帰ってきたら?」

マヤとシズクが言った。

「大事にしてくれたのでしょうか。」

「どうだろう。」

「大事にしてもらえたかな?」

「シズクさんだったら神もどりの人を大事にします?」

考えているシズク。

「マヤは? シズクは?」

「ススムだったら?」

マヤとシズクを見て言った。

「もし、俺なら、村が、村人が、かくし通すかな。」

「牢に入れて。」

「えっ!」

「神の国から戻られた人だから、村の宝物だろう。」

「他の村人達に見せないようにして。」

ススムが言った。

「大名に知れたら。」

「大事にしてくれるかな?」

マヤとシズクを見た。

「神もどりの人をかくまっていたなら、大名は、村を襲うかも!」

「神もどりの人達を殺すだろうな。」

見合わせるふたり。

「神殺しの大名。神殺しの王となって。」

ススムはお茶を飲んだ。

黙ったススム。

マヤもシズクも人生を見ている。

マヤは4ツ目の饅頭を、シズクは3ツ目の饅頭に手が出ている。

ススムはひとつ目を食べて、口が止まったという。

「よく入るな。」

ふたりを見て、関心した。

まだ、参拝者がいる。

「退屈だ。」

マヤを見る、ススムは。

「なによ! もうしないわよ!」

笑う、ススム。

「あのふたり。別れるのかな?」

聞いた。

「私のせいでないから。」

膨れる、マヤ。

笑うススム。

シズクを見る、ススム。

「ねぇ、姉さん。」

巫女のシズクを姉さんと呼んだ、ススム。

唖然とするシズクと、笑いをこらえて、床にのたうちまわる、マヤ。

口を押さえて座ったマヤが、饅頭をススムに投げた。

声を出さないで抗議するマヤ。

マヤの笑い(怒り)が収まったところで、ススムが言った。

「何かご先祖様のもの、あるのでは?」

「どうかしら。本家の蔵にはあるかもわからないけど。」

饅頭を取ったシズク。



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