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アンドロメダ /01  作者: 稔~minoru
21/39

アンドロメダ /21

艦が見せたもの。

それは一瞬のことのように思えた。

頭の中に見せられた映画。

レンズを通して、頭の中にハンマーが入れられた。

マヤは座り込んでいる。

「すごい話だは。」

言うススム。マヤは黙っている。

人間、艦は人間とともに行動した。

そして、人間を信じていた。

しかし、人間は、戻らなかった。

ススムにもある。

ひとりになった日々が。友達をなくした日々。

誰にも言えなかった。

なのに、艦は、5000万年、孤独にさいなまれて、生きていた。


マヤもおかしい。

艦が、宇宙を見せた。

マヤは、地球を見つけた。3Dの地球。2メートルの球体。ずっと座っている。宇宙ステーションを見つけては拡大して見ている。

アメリカ大陸を拡大しては、映画で見たと、はしゃぐマヤ。

今は、マヤの前に南極大陸がある。

「ねえ、氷ない大陸を見せて。」

言うマヤ。

艦は、自爆スイッチを出したままである。

自殺したら、自爆したら、どうなるか? 聞いて見た。

太陽が数時間で爆発して、銀河宇宙に穴が、数千年かかって銀河宇宙は消滅すると言う。


マヤ、テレビを見たいと言った。

地球のテレビ。

その中から、日本のテレビを、ニュース、ワイドショーを見るマヤ。

「ススム。ススムと私が映っている。」 

喜ぶマヤ。マヤの横で見た。

「ウソだろう。」

いくつものテレビ番組にはLIVEの文字が出ている。

「…と言う訳で、警察としては、捜索の打ち切りを決定しました。」

ススムのお父さんと、マヤママが、退出した。

「どういうこと!」

「私、私達、生きているのよ。」

泣きじゃくる、マヤ。

「少し待っていろ。艦と話しをする。」

ススムが、壁に向かった。

「艦。お前と話しをしたい。マヤに聞かれないように。」

「お前の本体に入れてくれ。」

艦は黙っていた。

突然、輝く世界が、浮いている。

光がススムにあたる。いやすり抜けた。

「ここは。」

『艦の中心です。』

「誰だ。」

聞いたススム。

『私。』

ススムはバカな質問をしたと思った。

「ここが、艦の頭脳か?」

『ハイ。』

「そして、動力炉?」

『ハイ。』

周りを見る。光が飛んでいる。

「俺は艦の動力炉に入ったんだな。」

『いいえ。』

『映像です。』

言った艦。

「そうだな。危険だからな。」

「俺達見たいになれるか? 人間の形に。」

光が集まって、人の形になった。

「ありがとう。この方が話やすいから。」

『ありがとう?』

「艦。お前の心は解る。」

「ひとりで、5000万年いたから。」

「でも、今からお前はひとりでないぞ。」

リングを見せた。

「解るか?」

『イエ。』

「俺達にくれたものだ。」

「この艦を爆発する鍵。」

「でも、お前の知識が流れ込んでくる。」

「気持ちも。」

黙っている、艦。

「解るか?お前は俺達の子供なんだ。」

顔を上げる艦。

「お前が望んでしたことなんだぞ。」

「俺達に、リングをつけた。」

驚く艦。

「お前は、俺達を親に選んだんだ。」

「すごいことをしたんだから。」

「親は、子供の死を望まない。」

「親は、子供に生きろと願う。」

泣き出した艦。

ススムは泣きやむまで、抱いた。

背中を叩いて。

「わかったか。」

『わかった。』

艦が言った。

『パパとママ。地球に帰る。』

「いいのか。」

『ウン。そして、私も地球に行く。』

ススムは倒れた。

『パパ?ころりんした。』

「でも、お前の身体は、どれぐらいなんだ。」

『うーん。大きい。でも、小さい。』

「地球を出してくれ。」

地球が出た。マヤが見ていた地球。

「それで、お前の身体はどれぐらいなんだ。」

影が現れる。

ススム。固まった。

艦の大きさは、日本列島に匹敵した。

「地球には、来れない。」

悲しい顔をする艦。

「でも、ママの大きさなら来てもいい。」

『えっ、本体。』

『でも、頭脳が入らない。』

「で、いいんだ。お前が見たこと、聞いたこと、感じたこと、この艦に送ればいい。」

「そして、艦の考えたことを、人間の大きさのお前に教えればいいんだ。」

『わかった。』

『ママ。心配しているよ。』

『ママのところに行って。』

「ありがとう。」

言って、手を出した。

「いつも、艦と呼ばれているのか?」

『違う。名前がある。』

言うと、話した。待て。

「俺達の速さで言ってくれ。」

すごい数を言った。

「いつも、人間が言ったのか?」

『私が言った。』

「俺達には、言えないな。」

「そして、お前も、言うことは無い。」

『……。』

「今日から、お前はアンドロメダだ。」

『アンドロメダ。』

「お前の新しい名前。」

「神話に出てくる、お姫様の名前。」

「アンドロメダ姫。」

『アンドロメダ。アンドロメダ姫。』

『私、アンドロメダって言うんだ。』

『お姫様なんだ。』

喜ぶアンドロメダ。

「そして、アンドロメダの頭脳を、アンドロメダ-イブと言う。」

『アンドロメダ-イブ。』

『素敵。』

「親が子供に名前をつけるんだ。」

「アンドロメダは、俺とマヤの子供だからな。」

『ウン。パパ。』

「で、すぐにすること。船体に名前を書くこと。」

『ウン。パパ。』

「じゃあ、ママのところに戻るね。」

目を開けた。

マヤが俺を叩いている。

「大丈夫だ。」

「どれぐらい寝ていた?」

「30秒かな。ススムが倒れてすぐだった。」

「今、アンドロメダと話しをした。」

「アンドロメダ?」

「そう、この艦の名前。俺がつけた。」

黙って聞いている、マヤ。

レンズを見せた。

「これ、艦が、俺達につけたんだ。」

うなずく、マヤ。

「人間で言うと、子供が親を選んだ。」

「助けてくれと。」

「俺は助けたい。」

「自殺なんかさせたくない。」

「だから、名前を付けた。アンドロメダと。」

「マヤと俺の子供。アンドロメダだ。」

マヤはススムに抱きついた。

「素晴らしことだわ。」

『パパ、ママ、出来た。』

アンドロメダが、船体に名前を入れた。

見たススムとマヤ。

「どうしてあんなものを。」

ケンカになる。

『だって、ママ好きでしょう。』

『パパが名前をつけてくれたもの。ママのものを書きたかった。』

アニメキャラクターが、戦姫のキャラ。胸には、なにもない。



『ママ、帰りたい?』

「帰れるの!」『ママが帰りたいのなら』

レンズが輝いた。

『ママとアンドロメダ、つながっているから。』

『地球に帰っても、私、ママの子供。』

言った、アンドロメダ。



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