表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アンドロメダ /01  作者: 稔~minoru
20/39

アンドロメダ /20

ススムとマヤが行方不明、神隠しにあって10日がついた。

警察当局による、捜索の打ち切りが発表された。

多くのマスコミメディアの中、ススムのお父さんとマヤのママが挨拶をして、退場した。メディアの質問に答えずに。


その3日前、マヤママは車上の人となっていた。

自衛隊の寮から自動車の中に。

カーテンは閉まっある。

後ろからバイクの音がする。

パトカーのサイレンが聞こえた。

「上手く行きましたね。」

女性自衛隊員が言った。

先日からお世話になっている女性隊員の3人。

降りたところは、小型ジェット機が止まっていた。

席についたママ。

「大丈夫なんですか。」

「私、飛行機。初めてで。」 

女性隊員が、手を握ってくれた。

飛んでは、すぐ降りた。

夜の飛行場。黒のバンが5台。

ドアの中には、ママと同じ服装の女性が座っていた。

その1台に乗った、ママ。

「ここは。」

女性隊員が笑った。

止まって、ドアが開いた。

部屋に通された、ママに、お弁当を用意してくれた隊員。

「あの…。」

「今の内に食べて下さい。」

言われるままに食べる、ママ。

隊員が見ている。

どれだけ時間が過ぎただろうか。

時計もスマホも無い。

女性隊員が呼びに来た。

会議室。講堂?に通された、ママ。

多くの自衛隊幹部が、スーツ姿の人達が座っている。

ママはカッターシャツにジーンズ。ジャケットの姿。

「こんなのでいいのですか?」

女性隊員に聞いたママ。

笑う隊員。

「あの、私なんかいては…。」

言うママ。

ママを1番前の席に案内する隊員。

横には女性隊員が座ってくれた。

横の横には、ススムのお父さんがいる。

会釈する、ママ。

誰も話をしない。トビラが開いた。

立った人達。

ママも立った。

スーツ姿の人達が、自衛隊幹部が、警察幹部が入って来た。

お辞儀に敬礼する人達。

ママも、お辞儀をした。

男の人達がススムのお父さんと話をしている。

テレビでよく見る人達だった。

店では、野球中継の後のニュースに出てくる人達。

マヤママのところに来た。

握手をするママ。

横の男性が言った。

「内閣総理大臣、……。」

ママ、腰を抜かした。手を見る。

「あの…、今、握手をしました?」

「ハイ。飛鳥さんと握手をしましたよ。」

内閣総理大臣が言った。

「大丈夫ですか?」

「大丈夫でありません。」

ママが。

「内閣総理大臣さんと握手なんかして。」

涙声で話すママ。

笑う大臣。

「よろしいですか?」

と、聞く男の人。

内閣官房長官…。防衛大臣…。科学技術大臣…。と、次々に紹介されて握手をした。

「私、どこにいるのです?」

女性隊員に聞いた、ママ。

「では、」

と、発表する、科学技術研究所の所長。

「気分が悪くなったら言って下さい。」

と女性隊員が言ってくれた。

モニターに現れた穴。

映像を見て説明する人達。

「がい骨が、恐竜時代から現代にいたるまでの…。」

「恐竜と人間が戦っていて…。」

 話をする人達。

「あの…。」

ママが聞いた。

「死んだ人達は、どうなるのでしょうか?」 

ママの顔を見る人達。

「だって、あの穴にひとり寂しくいたのでしょう。」 

ママの話を理解した人達は、家族に帰れますよと、話をした。

「よかった。」

言うママ。

科学技術研究所の人達が、困っている。

探査機の映像をモニター越しに説明する科学者達。

大きな目、大渦巻きが映った。

渦巻きに呑み込まれる、隕石。

稲妻が、炎が上がった。

木星に探査機が行ったと話をする科学者達。

なぜ木星に探査機が行った? 原理は? 聞く人達。

「あの…、木星って、どこの街ですか?」 

マヤママが女性隊員に聞いた。

大臣が木星を説明するように話をした。

笑いが出る会場。

机を叩く人が。内閣総理大臣。

「あんた達、大和ススム君と、飛鳥マヤさんが行方不明になったから、マヤさんのママがゲートを開けてくれたから、今、木星を身近で見られるのだろうが。」

「それを、あんた達は、何を考えている。」

「お前達が発見したように、話して。」

怒りが収まらない、内閣総理大臣。

「飛鳥さんの解るように、きちんと、説明しなさい!」

科学者達は、汗をかいて、説明した。

木星を知ったママ。

モニターに映る目が台風だと知ったママ。

木星と地球の大きさを見たママ。

もし、自動車で行くならば。

聞いたママは話せなかった。

「で、これからが、問題の映像です。」

映像がズームインする。

「えっ?」

黒い中、白いものがふたつ。

「この映像を処理しました。」

「えっ?」

ススムとマヤが映っている。

「えっ!」

カメラを見て、手を振るふたり。

「ええっ!!」

生きている。

「生きていた。」

ママが泣いた。

他の人達は、時間が止まった。

「どういうことだ!」

科学者は言った。

「見ての通りです。」

みんなが科学者を見た。

「お前な!」

つかみかかる人も。

「私でも、説明付かないことだらけですよ!」

「アニメに、映画の話ですよ。」

「私こそ、教えて欲しいです。」

手を離す人。倒れて、咳をする科学者。

「すまない。」

あやまる人達。

「酒をくれ…。」

ススムのお父さんが言った。

総理大臣を見る自衛隊員。

「一杯だけです。」

お父さんにはウイスキーをマヤママにはワインを。

イッキに飲み込むお父さん。

ゆっくりと飲むママ。

「どうして?」

聞くお父さん。

「洞窟は、」

「すぐ、閉じました。科学者が答えた。」

「ゲートが空いても入れるかどうか。」

ゲートの奥は真空状態だと。

ススム君とマヤさんのいる場所が20キロメートル、あると。

「娘は、マヤは、」

ママが。

「全力で救い出します。」

「なぜ、あんなに遠くに。」

「わからないのです。」

「私達に、できるだけ時間を下さい。」

話す人が。

「大臣。」

うなずく大臣。

「少し休憩しようか。」

「よかった。生きていてくれて。」

その後会議は続いた。

お父さんも質問している。

御手洗にと、ママが立った。

自動販売機の前、イスに座って飲んでいる。

女性隊員たちが一緒に。

「何か、話が難しくて…。」

言うママ。

女性隊員に聞いた。

「お子さんは。」

「ふたり。女の子です。」

「ダンナも自衛隊員で、」

と話た。

「私ね。」

と話すママ。左手のやけど後を擦りながら。

「マヤは、卵焼きが得意で…。」

「私、頭悪いから…。」

「マヤの学校の宿題も見てやれなくてね。」

「ある日、私んとこで、大学の飲み会があったの。あの合コンってやつ。」「女の子。居酒屋で!って、ものすごく雰囲気が悪くて…。」

「マヤが宿題持って、店に来たの。」

「私、答えられなくて、」

「お兄さんが宿題見てくれて。」

「いつの間にか、女の子も、マヤの宿題教えてくれて…。」

「お兄さんと女の子の中が良くなってね…。」

話すママ。

「それから、マヤの勉強、お客さんが一緒にしてくれてね…。」

「先生でも無いのに?」

聞いた女性隊員。

「そうよ。先生でも無いの。でも、好きな事に夢中になる人っているでしょう。」

「歴史が好きな人って、オタクって言うのよね。」

「マヤに、話するのよ。ずっと。」

「科学の先生なんか、学校で出来ないことをカウンターでマヤとするのよ。」「学生さんなんか、数学を見てくれてね。」

「マヤ、好きになっちゃって。」

「でも、タダでは無いは。」

「生ビール、一杯おごりだから。」

「ええっ!生ビール一杯だけ?」

「安い授業料ね。」

出てきた自衛隊幹部に大臣達が、ジューススタンドでしている、井戸端会議に目をむいた。

「あの日の朝も、マヤ、お弁当を作ってくれて…。」

「私、2階の窓から見送ったの。」

「おにぎり、1つ食べて、また寝たの…。」

話すママ。

「よかった。」

「遠いところだけれど、生きていてくれて…。」

泣き出した。

「よかったですね。」

長い会議。

マヤママは疲れて別室で寝ていた。

会議が終わったと、連絡があり、ママは起こされた。

会議室に通されたママ。

内閣総理大臣。官房長官。科学技術大臣。

自衛隊幹部の皆さんが、入って来た。

ススム君のお父さんもいる。

大臣が説明する。

国際上のとか。

国のとか。

科学のとか。

ママにはわからない事だらけだった。

内閣総理大臣が、ため息をついた。

「大和ススム君と飛鳥マヤさんは、日本国籍を持つ人です。」

「日本で生まれた日本人です。」

「高野の山も、日本の国土です。」

「もし、他の国が、高野の山から木星に行くことのできるトビラを知ったら?」

「ススム君とマヤさんが、木星に行って帰って来たとわかったら?」

ママの顔が…。

「私は、日本国代表として、大和ススム君と飛鳥マヤさんを守る権利があります。」

「ハイ!」

「よろしくお願いします。」

マヤママが言った。

「わかりました。」

内閣総理大臣が。

「国家を上げて、マヤさんをおかあさんのところにお返しします。」

言う内閣総理大臣。

「で、これからのことですが。」

変わろうとする関係者を止めた、内閣総理大臣。

「日本国として、おふたりの捜索を打ち切ったと、マスコミメディアに発表します。」

ママの顔が変わった。

「そうすることで、ススム君とマヤさんを守れます。」

「発表することに同意していただけますか?」

「しかし、内閣総理大臣の名前の権限の中、日本国の科学技術の力を上げて、ススム君とマヤさんの救出いたします。」

涙が出て来た、マヤママ。

総理大臣が、ハンカチを差し出した。

「お願いいたします。」

立ち上がって、両手でマヤママの手を握り絞めた。

「わかりました。」

落ち着いた、マヤママ。

書類をススム君のお父さんとマヤママに出した。

「機密保持文書保護書類です。」

内閣総理大臣が分厚い書類を見せた。

マヤママに1枚1枚説明する内閣総理大臣。

ススム君のお父さんも、質問している。

お父さんがサインしたのを見てサインするママ。

そして、総理大臣が退席された。


3日後。会場で、ススム君のお父さんが挨拶して、退席した、お父さんとマヤママ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ