アンドロメダ /19
時は過ぎた。
宇宙船は一度航海に出ると、何十年も帰ってこなかった。
航海中、人間は冬眠装置に入っていた。
母星と人間が読んいる星。
何十回かの航海中に、青い星が赤く濁った星になった。
人間は宇宙で生活していた。
コロニーと呼ばれるものを作って、多くの人間が住んでいた。
人間が作った小さい都市。自然を作っている。
何百、何千のコロニーに見られて進む。
コロニーの間を私は曳航されて、ドックに入った。
私が帰れる度に、人間は私に乗りたいと、言った。
私を、船を、見学に、撮影に来る多くの人間。
クルー達にメールが来ている。
メールを読んで多くのクルーが泣いていた。
メールが来ないクルーもいる。
私は聞いた。
『メールはないのですか。』
「ないよ。過去を捨てて、新天地で生きる為に。」
家族と呼ばれるグループから脱退したクルーは、家族だと言う人達と合流しないで、生きてきた。
船の旅を本にして、テレビに出ていた。
私は旅に出た。
私と同様に、旅する船が、現れた。
私が調査した恒星の惑星に。人間を乗せて。
私は母星に戻った時に、メールが来なかったクルーの生き方を見た。
ある人間は、国を治めるひとりになり、ある人間は、人間を教える場所のトップになった。
ある人間は、一度は成功収めたが、カネを使って、亡くなった。
時が過ぎた。
人間は、国を作り、選ばれたトップが、人間を引っ張って行った。
私が帰れる旅にトップが変わった。
人間は、母星の中、多くの惑星にコロニーを作って住んでいた。
母星に、私が訪れた人間が来ていた。
私の、船の中に、多くの種類の人間が冬眠している。
長い期間を旅した私。
幾千、幾万の惑星を調査した私。
いつの間にか、星を巡る歌が、流れている。
緊急帰還命令がきた。
船の人間は言った。
「戦争だ。」
母星で私の翼は外された。
私を守るミラーも新しいものに変わった。
翼は新しいものになった。
翼が、ねじれている。
翼に兵器、武器が付いている。
何年も、母星に留まっている。
人間が入艦した。
入船と言わなかった。
入艦と言った。
人間が並んで立っている中、何人かの人間が歩いてきた。
座る人間が、人間に命じた。
私は艦は動いた。
翼が回った。回転する翼。
より多くの粒子が集まった。
人間は人間に命令をした。
私の回りに艦が集まった。
翼を回転して、粒子を艦に照射した。
艦はワープした。
そして、2回目のワープは艦の力で。
驚く人間達。
「何倍の距離をワープした!」
喜んでいた。
ワープの終点で知ったものは、艦と艦の壊しあい。
人間は宇宙に吸いだされ、爆発で、爆風や弾の破片で、死んで行った。
翼を回転させて、私は、艦は、進んだ。
人間は、敵を殺せと、言った。
私は見ていた。
人間が操作して、武器を兵器を使用している。
人間達が、艦を壊しては喜んだ。
私の回りを飛ぶものが、戦闘機と呼んだ。
私を守る為に出された戦闘機もあった。
コンピュータで動くおもちゃ。
中には、人間の脳が入っているものも。
私に向けられた、敵意。悪意。
私は艦を私を守備する為に敵を倒した。
回転する翼から、粒子が飛び出して、敵を倒した。艦を殺した。大きな艦。
敵は私を殺す為に攻撃をかけた。
翼にミサイルが当たって、多くの兵士が亡くなった。
人間は命令した。壊れた翼にミサイルが集中した。
翼が割れた。
翼を外して、2枚の翼で移動出来ように調整した。
壊れた翼は敵味方問わず、艦にぶつかって流れて行った。
私は、2枚の翼を失うことは避けたかった。
敵の中心部に届いた翼の半分を、ミラーを工夫して、多量の粒子で撃ち込んだ。
翼は爆発を起こし、その破片は、敵味方問わず艦を破壊した。
艦の爆発、破壊で破片が別の艦に当たり爆発は爆発をよんで、私の艦は無事だったが、多くの艦が壊れた。
人間達は、戦争が終わった後でも、口が開いていた。
「勝ったのか。」
聞く人間達。
「敵艦、無し。」
私を止めた人間達。人間を救助している。
爆発に紛れて、いくつもの敵艦は逃げた。私は見ているだけだった。
母星に帰った艦。私は翼を外されて、ドックに入った。
私は何回も母星に帰った。時間というものがない私に、母星の出来事が時の流れを知らせてくれた。
ドックに入る度に、政権も変わった。
1000年戦争と言った。1000年が、3000年になり、5000年が経った頃、戦争が終わった。
終わった時。
私は、多くの艦はこの恒星で戦っていた。
敵は、私を殺す為に惑星ひとつを破壊した。
その破片が私に艦に降り注いだ。
翼は破壊され、本体に、私に、破壊が迫った。
私は全ての粒子を打ち出した。
敵の艦を全て破壊した。
そのとき、終戦命令が届いた。
戦いは終わった。
私には助かった。
『昔のように、星々を巡る旅に出られると。』そう思った。
人間は動けない私を置いて去った。
「必ず、戻ってくると、言って。」
人間は死んだ艦を捨てて、星に降りた。
3番目の惑星に。
面白くなって、私の中の探査衛星を惑星に降ろした。
人間は戦っていた。
この星の住民と、恐竜と。
体が武器の恐竜。
歯が、爪が、尻尾が、人間を殺す兵器になっている。
人間を殺して、食べる恐竜。
人間は敵味方手を取って生きる為に戦った。
人間は協力して、恐竜に挑んだ。
戦争をした人間は、恐竜を倒した。
恐竜を殺して、肉を食べる人間。
木の実に、食べられる植物をも取った。
人間は人間を作る行為に目覚めた。
その中、何がいけなかったのかわからない。
人間が人間を産むという行為。
生まれた人間に、少しずつ変化が見えた。
あごが出て、頭が小さくなった。
時間が存在しない私の中、探査衛星を改良して、破壊された戦闘機艦の部品を使って、私を、艦を修復した。
私の周りには、多くの艦が破壊されて、部品があった。
私は人間が戻ってきたときに、いつでも、動くことが出来るようにした。
惑星の環境が変わり、恐竜がいなくなった。
ボディの、翼の改良を重ねていることが、楽しかった。
いつ、私を迎えに来てくれるかと、思うと、心が踊った。
踊る心。
私を感情が生まれた。
改良に改良を重ねて、私は最高の私を作った。
後は、人間が戻ってくるだけだった。
惑星は、人間が増えて、人間が人間を殺した。
力を持った人間は、より多くの力を求めて、戦いを挑んだ。
多くの人間が集まる街が、都市が生まれた。
人間は、新しい土地を探す為に、船を艦を作った。水の中を進む船。艦。
私はそれを見て、人間がまだ来ないことに気がついた。
『必ず、戻ってくる』と、言った人間。
どれだけの時が経ったのだろうか?
私は、人間の数える時間を基づいて計算した。
惑星が恒星を1周する時間を1年として。
5000万年経っていた。
『何故、なぜ、ナゼ。』
私は聞いた。
誰も答えてくれない。
『戻って来ない。迎えに来てくれない。』
私は、見えなくなった。
『無くなりたい。』
人間は、死と言った。
『死にたい。』
何百年、何千年、思った。
私は、私を殺す行為が出来なかった。
私を殺す為に、人間が必要だった。
私をゲートを開いた。
人間がくるように。
人間は来た。
星を、渦巻きを見て死んだ。狂った。私に話をしてくれた、人間もいた。しかし、人間の生命は、短くて、亡くなった。
帰りたいと言った人間には、私に会えるように、あるものを身体に入れた。
今、私に、人間が来た。ススムと、マヤと言う名の人間が…。
ふたりの前に台が上がった。
手を置く場所がある。
『手を置いてほしい。』
艦は言った。
『これで、私は死ぬことができる。』




