アンドロメダ /18
マヤが行方不明になって、3日がたった。
マヤママは、穴に入れると聞いて、少しでもマヤのところにいけると思った。朝、女性自衛隊員が来て、ママは自衛隊の服に着替えた。
「本当に着ないといけないのですか?」
聞くママ。
「他国の調査機関が、穴の周りにいますので。」
仕方なく、自衛隊の服を着たママ。
「ハイ。ポーズ。」
昨日、一緒にいてくれた女性隊員が、ママのスマホで撮った。
「やめてください。」
「イエイエ、マヤさんに見せてあげて下さい。」
「ママさんがこんなにがんばったんだぞと。」
笑う女性隊員達。
「今日は私を含めて、この3人が案内します。」
敬礼する女性隊員。
ママ、頭を下げては、敬礼をした。
ママの仕草に笑顔になる隊員達。
バギーで移動するママ達。
「何故車じやないんですか?」
「路が狭いですから。山路はバギーで動いた方が楽なんです。」
教えてもらった。
穴の上には斜行式のエレベーターがついていた。
「驚いた…。」
「遺体を運搬する為に取り付けられたのです。」
隊員が説明した。
「私、これに乗るんですか?」
斜めに動くエレベーター。前には杉山が迫ってきた。
10分は乗っていただろうか。下についた。
鉄板の床があって、またエレベーターに乗った。
穴いっぱいに取り付けられたエレベーター。
「昨日から、登山路は通行止めになっているのです。」
教えてくれた女性隊員。
何故ですか。」
「事故を防ぐ為です。」
ママが納得した。
エレベーターの回りを大きなチューブが何本も付いている。
「空気を送るチューブです。」
「ハァ。」
笑って、ママが言った。
「わからないことだらけです。」
穴の底には、ススムのお父さんが待っていた。
まずはと、コーヒーを進められた、ママ。
エレベーターから、機械が降りてきた。
自動で動く探査機。
ママは近づいて、
「お利口さんね。」
笑いを凝らえた自衛隊員。アームでママと握手を。
女性隊員達が、スマホで撮っている。
探査機の後ろを歩くママ。
人が多いのに驚いた。
「人骨が見つかったからと聞いて、わかったような顔をした。
穴がふたつに分かれている。
人が右側に歩く。
穴の終わり、ライトが何本も点灯していた。
岩には、センサーが取り付けられて、イスに座って観測している。
削岩機が、大音量で動いている。
止まった、削岩機。
「ダメですね。」
言う隊員。
ママが、岩に歩いて行った。
「危ないですよ!」
気がついた、女性隊員が声をかけた。
削岩機をあてた場所を確認している隊員。
「危ないですから!」
笑う、ママ。手を岩に置いた。
岩が透けて、輝いた。
「誰か、私を呼んいたので。」
ママが言った。
そして、座りこんだ。
「腰抜けた。」
『私達の言うセリフだ!』と、自衛隊隊員達が。
離れて座るママ。
「聞いたことあるんです。一度だけ。私のママから。」
話すマヤママ。手には、ペットボトルのお茶が。
「ママのおばあちゃん、神隠しにあって、何年かして、戻ってきたと。」
「おばあちゃん。神戻り様として、村で大事にされたって、聞いたんです。」
笑って話す、ママ。
「私も、子供の頃、人の考えがわかって、それで、家族と悪くなったのです。」
「マヤが生まれて、その力、なくなったのですが。」
「あの岩を見たとき、ママのおばあちゃんの名前が聞こえて…。」
学者先生が見ている。早く実験の再開をしろと。
女性隊員が、お昼ご飯にしましょうかと、言った。
おにぎりに定番の卵焼き、タコさんウインナー、イチゴがふたつ。
「お客さんにいつもタコさんウインナーを頼む人がいてね…。」
「もうイチゴの季節ね…。」
「マヤの卵焼きでないと怒るお客さんがいてね…。」
ママにひとり、話している。
自衛隊隊員は、ついていけない。
「あの子の卵焼き、食べたいな。」
ママが…。
昼ご飯を食べたママ達。
もう一度出来かと言われて、がんばるママ。
岩がなくなった。
5台の探査機が走り出した。ケーブルを付けて。
ママも、足が進んだ。
止める自衛隊隊員達。
「今調査中ですので。」
言われて止まった。
ママが、見ているなかは岩がなくなっていた。
女性隊員が、マヤママをイスに座らせた。
そのとたん、岩が現れて、ケーブルが切れた。学者先生が全員叫んだ。
マヤママを見る人達。
「何か、つかれました。」
女性隊員に持たれて、寝ていた。
タンカに乗せられて、自衛隊の宿舎に運ばれた、マヤママ。
夕方、ママのお姉さんが自衛隊の宿舎にきた。
談話室に通されたお姉さん。
マヤママに会うまでに、幾枚もの書類にサインをした。
そして、スマホなど、取り上げられた。
「どういうこと。」
姉さんがママに当たった。
「実は。」
と話す女性自衛隊隊員。3人が付いている。
「本当に神隠しにあったの?」
笑う姉さん。
だが、マヤママの姿を見て、女性自衛隊隊員の態度を見て、本当なのと聞いてきた。
「で、これからどうするの?」
「まだ、帰れない。」
言うママ。
ママとマヤがいつでも帰れるようにしておくからと、弁当を出した。
重箱3段にオデン。
「どうですか?」
進めるマヤママ。
「で、これから。」
ママが聞いた。
「今日はホテルを用意してくれたの。」
「明日、帰れるは。」
言う姉さん。
「お土産、饅頭でいいかな。」
「定番ね。」
「じゃ、胡麻豆腐?」
「もっと定番。」
笑うふたり。
「何かいいのありますか?」
聞くママ。
考える女性隊員。
胡麻豆腐? みろく石? 高野豆腐? など。誰かが言った。
「こうちゃん人形。」
「イヤだ!」
「じゃ、お寺の苔。」
女性達の笑いが続いた。




