アンドロメダ /17
宇宙船がレンズを通して、ススムとマヤが見たものは、宇宙に浮かぶ巨大な固まりだった。
人工にして自然の石。と、呼ばれた巨大なダイヤモンド。
多くの人が宇宙空間で加工している。
ダイヤモンドの回りには何万と割れたダイヤモンドが、ひびが入ったダイヤモンドがあった。
何十年とかけて加工したダイヤモンドに、ダイヤモンドで作ったミラーが鎧のようにつけられた。
隙間は、0,コンマ段位の造り。
その中に、粒子が入れられた。
ダイヤモンドの中で泳ぐ粒子。
ミラーで跳ね返った。
なにも知らない子供のようにコンピュータが粒子で遊んでいる。
ひとつの粒子の中に新しい粒子が入ってきた。
ダイヤモンドで出来たコンピュータに、粒子と粒子が当たればと、教えて実行させた。
粒子が増えて、少し力が出た。
コンピュータは粒子を増殖させる方法を学んだ。
羽根が3つ取り付けられて、羽根が回った。
粒子が集まった。
粒子が増えて加速した。
ミラーに当たった粒子は速度を上げて粒子に衝突した。
爆発で、粒子が増殖する。
羽根の中に多くのものが入ってきた。
粒子で、私は、船は動き出した。
粒子がぶつかる。
私は、船は多くのものを見た。
ものは人間といって、または人と言った。
私は学んだ。多くの人間によって私は作られたと言う事を。
人間は言った。
『知ることは考える事だと。』
私は、多くの人間を乗せて旅をした。
太陽、恒星と呼ばれる星を、惑星を調査する旅に。
その中で、多くの調査隊が惑星に降りた。何名もの人間が戻らなかった。
『知ることは考える事だ。』
と教えてくれた人間も戻らなかった。
船の中で、多くの人間が研究して、私に教えた。
数字をの羅列を。
『知ることは考える事だ。考えることは存在する事だ。』
私は、船のカメラで人間を見た。
私は、船を動かす動力炉であり、船の安全に案内するコンピュータの頭脳と知った。
幾度と続く航海の中で、私は人間というものに興味を持った。
何百人といる人間。
その中から、初めて、人間に私は話しかけた。
「誰だ!」
『船のコンピュータです。』
人間は、個室にいました。
「コンピュータが、私に話をかける!」
困りました。その答えは知らない。考えていませんでした。
「どうして答えない。」
データの中で答えを見つけました。
『顔色が悪いです。』
『治療室にいくことをお勧めします。』
人間は拒否した。
『わかりました。』
人間のコンタクトを切ろうとしました。
「ありがとう。」
人間は私に御礼を言いました。
「話しをしたい。」
個室にいる人間に話をすると、返事が帰ってきました。
そんな人間が多くいました。
沈黙している私に、
「ねえ、聞いているの?」
と言う人間もいました。
人間は言いました。
家族のこと。
友人達の事。
恋人の事。
そして、船のクルーになった事に対する疑問を。
母星、人間はそう呼びました。
母星と。母星を離れると、帰るまで、時間と言うものがかかりました。
多くの人間は、時間と言うものがあると解って、私に、船に乗ったはずです。しかし、人間は私を降りて、泣きました。
母星での現実に。
ある人間は、恋人と再会しました。
しかし、その人間は、恋人の孫だと名乗りました。
人間が連れていかれたところは、ベッドのある部屋。
そのなかで、人間は身体にセンサーをつけられて、チューブを取り付けられていました。
多くの人間が集まっているなか、人間はベッドの人間と、話をしていました。ベッドの人間が、壊れるまで。
人間は、家族と言うグループに行きました。
人間の両親と言うものは亡くなっており、兄弟、姉妹と言うものが、家族というグループをまとめていました。
グループのトップ、兄弟は、人間の帰りを喜んでいました。
しかし、時間がたつと、人間にカネというものを要求してきました。
拒否すると、人間と人間の間に、トラブルが発生して、船のクルーは、離れていきました。
航海中、亡くなった人間は、国という組織が、国葬として見送りました。
その後、家族は、人間の遺品と、人間が航海中に働いたカネと、年金と死亡保険を手にして喜びました。




