アンドロメダ /16
高野の山の穴から自衛隊員が現れた現象は、地球中に知れ渡った。
高野の山の反対側、自動車でも半日かかる場所に出た。
地球連合政府の、日本代表政府に各国代表政府が協力を申し込んだ。
が、その協力協定に難航した、地球政府。
高野の山全体が、それを連ねる山々が地球遺産登録地であった。
調査するにしても、土をスコップ1杯取るにしても、住民の、県の許可が必要となった。
ある機関の調査隊が、農地を調べているだけで、スコップ一杯の土を採取しただけで、住民に囲まれて、身の危険を感じた調査隊のひとりが、銃を空に撃った。
それが引き金になり、住民とのケンカになった。
田植え時期の田んぼをむちゃくちゃにしたと、警察に訴えた住民。
高野の山に参拝する人達がこの数日で増えた。
警察は、他県の警察に応援を要請している。
どこかの観光団体をよそってきたどこかの国? または企業の調査団体。
高野の山の寺町の人達は、楽しんでいる。
その調査団体は、立ち止まった。何を探せばいいのか?
人口1億人の島国。それも、日本語と言う、特殊な言語を持つ人々。
高野の山も、地球中に知れ渡ったのは、100年ぐらい前の話。
まして地球遺産登録されて、観光地になったのが、15年前だっただろうか。
山岳信仰、修験者、修行、観光書を見ても、調査機関の通訳を通しても、わからないことだらけであった。
日本政府は、高野の山を始め、全ての山岳信仰の寺院に対して、重要文化財保護法を適用した。
警察官が、自衛隊が、24時間警護に、参加した。
山岳信仰を体験した、警察に自衛隊員。
山岳信仰は日本人の心だと、外国人にはわからない、と、対抗心を燃やしている。
僧侶が、弁慶さかながの出で立ちで、なぎなたを持って行進する姿は、観光客を喜ばせた。
一番徳したのは、おばあちゃん、おじいちゃんだった。
外国人観光客に呼ばれて、神隠しの昔話をした。
「むかしむかしのことだわさ。」
で始まるおばあちゃんの話。
この地のことばで話す老人、そのたび、子供が孫が通訳する。
話が終わった、おばあちゃん。
ほかにはないかと、観光客が聞くと、宿の女将が、酒を飲ませたら口が軽くなるかも。
お土産を持たせたら口が滑るかも。。
座敷での話の他に、おひねりをお願いします。
片手を出して、これぐらいですね。と、催促する女将。
青くなる外国人観光客に、肩を叩いて、
「こんなの、日本ではおなじみですよ。」
と、言う。
よく日には、日本中からかき集められた? 自主参加した? 大学教授が、研究者が、大型バスに揺られてきた。
昼間は古文書の解読に研究。
夜は、飲めや騒げの宴。
女の人が呼ばれて、暴れた。
自腹を切らないから、やりたい放題の人々。
ホテルは、旅館は、笑いが止まらなかった。




