アンドロメダ /15
「やめろ!」
「やめろ!!」
「やめろ!!!」
「俺達を殺す気か!」
ススムが叫んだ。
光が止まった。
マヤは、白目をむいて、口から泡を出していた。
「マヤを殺したら、お前を殺す!」
ススムは、倒れた。
身体中から汗が出ている。息が荒い。
壁から、光が出てきた。
光は見ている。
ススムとマヤは、
床から出てきた球体に包まれた。
服がなくなり、ススムとマヤの身体が溶けていった。
中の液体は、赤くなっていく。
皮が筋肉が、肝臓に心臓、脳までも溶けてしまった。
球体の中にレンズが入ってきた。
ススムとマヤの左手にはまるレンズ。
金と銀の糸が血管のようにまとわりつく。
心臓に、肝臓に、脳に、そして、身体が再生された。
金の銀の糸を飲み込んで。
「目が覚めた?」
マヤが座っている。
マヤ、裸だ。
「ススムも裸よ。」
言う、マヤ。
左手がおかしい。
見ると、レンズが付いている。
頭に入ってくる情報。
ススムとマヤが見た。
ふたりの死と再生。
レンズの話。
頭に、脳に入ってくる情報。
「なになの、これって。」
マヤを抱きしめた。マヤの気持ちが解る。
そして、もうひとつの心が。
「マヤ。俺達は助かったんだ。」
「こんな身体になってもススムは助かったと言うの。」
「そうだ。こんな身体になっても、マヤはママに会えるんだ。」
「マヤのママも、マヤを受け入れてくれるよ。」
「だって、マヤを愛しているから。」
うなずく、マヤ。




