表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
光の魔と闇の魔  作者: あんころぼたもち
第一章 平和の夜明け
1/29

第一話

もし魔法が世の中にあったらどうなるのか、それを妄想して書いた小説です。

うぶな素人が書いた拙い文章ですが、何とぞ暖かい目で読んでくだされば嬉しいです。

時は西暦2000年


  人間と異形の怪物が地面に倒れている。そして頭上では、まだ残っている人間と怪物が争いを続けている。

 数は怪物の方がやや多い。でも戦闘能力では人間は負けていなかった。

 数で勝る怪物、技量で抑える人間。

 戦いは膠着状態になっていると見られる。

 だがしかし、戦いが長引くにつれ人間側に変化が出てきた。動きが鈍くなっている。

 それもそのはず、この戦いは始まってから既に三十分は経過していた。

 疲労が溜まり徐々に怪物に押されている。

 もうだめかもしれない。

 そこにいる人間たちがそう思い始めた。だが、人間はそう簡単には諦めなかった。後方から新たな仲間が参戦した。

 彼らは明らかに他の人間とは違って見えた。なにか特別な能力を持っているような……。

 彼らは腰に携えた武器を手に持ち、怪物の方へと向かう。

 その戦いぶりを見ると、やはり今までの者とは違って動きが速かった。どんどん怪物を斬り倒していく。

 さすがにこれは分が悪いと思ったのか、怪物たちがだんだんと逃げ始めた。


 人間は怪物との戦いに勝利したのだ。


 そしてそのあと、この出来事は後世に初めて日本人が敵に勝利した紅の戦いとして伝えられた。



目覚まし時計が朝を告げる。

 翼は目を擦りながらカーテンを開ける。

 入り込んでくる日差しは気持ちいいのか痛いのかよく分からない。

 階段を降りてリビングに向かう。

 テレビをつけて朝食の準備を始める。

 月曜日の朝ほど憂鬱なものはない。また今日から学校が始まることを考えただけで頭が少し痛くなる。

 そんなことをぼけっと考える翼を無視するように、テレビ画面は突然切り変わり、報道スタジオの映像になった。


「緊急ニュースです」


 また今日もか……。


「昨夜6時頃に発生した長野県北部を中心としたエネミーによる襲撃についての緊急ニュースです。現在8市町村が占領され、自衛隊が各地からの撤退を開始したとの一報が入りました。政府は、自衛隊を周辺地域に救護活動を目的に追加派遣し、現時刻をもって8市町村を特定危険区域に指定すると発表しました。ヘリコプターで撮影した現場付近の映像です」


 テレビ画面は上空から撮ったであろう映像を映し出していた。

 それはとても衝撃的だった。

 つい昨日までたくさんの人が住んでいた町が、遠くから見てもわかるくらいに壊されていた。家屋は崩壊し、あちこちから黒い煙や赤い炎が上がっている。


 今年に入ってこの類いのニュースを見るのは何回目だろう。いや、これは今年に始まったことではない。


 1998年。地球外生命体(通称エネミー)が地球に侵略を始めた。全人類は自分たちの生活圏を守るために戦った。

 しかしその努力も虚しく、抗争状態が続き、人類が持つ領土の一部はエネミーの手によって占拠されてしまった。

 我が国日本も例外ではなかった。

 自衛隊を派遣し、必死の抵抗により都市部の侵略は免れた。しかし山間部の一部は占拠されてしまった。

 2001年頃からエネミーからの侵攻は著しく少なくなった。これを機に国連は安全保障理事会でエネミーの全面的排除を宣言。

国連平和軍を各国に派遣し、エネミーに支配された地域の一部の奪回に成功。以降目立った戦争もなく現在に至るという状況だ。


 しかし、ここ近年日本でのエネミーの活動が活発化してきている。今朝のニュースもその一種だろう。この類のニュースが流れるたびに世間の人々は一旦は恐怖を感じるが、エネミーの大規模な襲撃は山間部に集中している。


大抵の人は一月も経たないうちに忘れてしまう。

 仮初めの平和とでも言ったほうがいいのだろう。現代人は自分たちの身に何が起ころうとしているのか、それを探求しようとする者はいなかった。

 緊急ニュースに目を奪われていると、家を出る時間を少し回っていた。

 慌てて支度をして、家を飛び出す。とても不安になるような春の始まりを感じた。

次話の投稿は26日に行う予定です。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ