急成長の結果
気がつくと俺は真っ白な世界に独りただずんでいた。
「貴方は誰よりも強い力を手に入れたらどうする?」
どこかで聞いたような声だ。
「そんなの決まっている。そんな力があるなら俺は自分の為に生きていくに決まっているだろ。」
そうだ、俺は前の世界で死んだとき決めたんだ。自分の為に生きていくって。
「そっか。それでも貴方はきっと…」
最後の方は聞こえなかったが心配してくれているようだった。
そして俺はーー
はっ。ここは一体?
なんか夢をみていた気がするが思い出せない。まあ、気にしても仕方がない。
俺はあることに気がついた。
「ここは…森の外かな?」
俺は確か森の奥地で竜神とか言っていた喋る火の玉に出会ってそれから…
「そういえばあの火の玉、力をくれるとか言っていたな。」
俺は〈ステータスプレート〉を出してステータスを確認した。
日比谷光田
Lv.697
HP15962/15962 MP78563/78563
力4689 魔7835 防4092 速6431
〈スキルポイント〉1484
〈固有スキル〉
〈竜神闘気 Lv.MAX〉
〈覇竜砲Lv.MAX〉
〈スキル〉
〈取得経験値増加Lv.MAX〉
〈空間魔法Lv.MAX〉
〈無限収納箱Lv.MAX〉
〈気配感知Lv.MAX〉〈遠視Lv.MAX〉
〈暗視Lv.MAX〉〈料理Lv.MAX〉
〈火魔法Lv.MAX〉
強くなりすぎだろ〜〜〜ていうか〈固有スキル〉ってなんなんだろ?
「おい、ガキ。」
「おいおい無視すんなよ。」
声のした方をみると男が3人いた。
「なんですか?」
「金目のものを置いて行け。そしたら殺さねえからよ。」
「さすが、兄貴。ガキ相手にも容赦ねぇ。」
「やっぱり兄貴は最高だぜ。」
「おいおいそう褒めんなよ」
そう言って男達は笑いだした。
「えーっと、つまり盗賊かな〜?」
「おうそうだ。死にたくなかったら金目のものをだせ。」
ちょうどいい。強くなった俺の力の実験台にさせてもらおう。
俺は新しく使えるようになった〈空間魔法〉の〈転移〉を使った。
〈転移〉
〈空間魔法〉の最上級支援魔法。見たことのある場所に一瞬で移動する。消費MP500
俺は兄貴(笑)の後ろに転移すると全力で兄貴(笑)の足に蹴りを放った。
パンッ
その瞬間兄貴(笑)の足が弾けた。
「ギャァーーーーーー!。」
「兄貴の足が破裂した⁉︎」
「ま、ま、まさかお前がやったのか…」
取り巻き2人は俺がやったと気づいて震えていた。
「お、俺達が悪かった。金をやるから許してくれ。」
「あ、ああ。そうするよ。」
まさか足が破裂するとは思っていなかった俺は少し戸惑っていたが取り巻き2人から銀貨が大量に入った袋を受け取りその場から去った。
(これは自分の力を把握しないと大変だな。街に行くまでに力の加減の仕方を学んどかないとなあ〜)
そこで俺はあることに気づいた。
(いつのまにかさっきまでの動揺が消えているけどなんでだろう?)
疑問に思ったが俺はすぐに気を取り直した。
さあ、街に着くまでに自分の力を把握してしまおう。