異世界食文化的カルチャーショック
晒し者にしておいて優しいだの貴方の為を思ってだとかふざけんな
「「ほんっっっとっっっうううに申し訳ありませんでしたぁぁぁ!!」」
所変わって大規模な食堂。大きなテーブルがいくつも並び、背もたれのない丸太のイスが置かれただけの広間。そこの床にシドーと赤髪のポニーテール少女―サヤが二人して土下座していた。因みにルシアは食事の支度を終え、出来上がった料理の数々をテーブルに運んでいた。手伝ってやりたいがシドーにとっては目の前で同じように土下座の姿勢で微動だにしないサヤとの問題の方が重要だった。そしてそれはサヤも同じだった。
「変なことを叫びながら風呂に突入して裸を見てしまって申し訳ありません!」
「入浴中の立て札もかけずに風呂に入り、知らずに入ってきたあなた様をいきなり殴ってしまい申し訳ありません!」
それに・・・とサヤは続ける。
「わ、私のような背も高く筋肉質で女性らしさの欠片もない醜い裸をお見せしてしまい大変申し訳「それは違う!」ふぇ?」
サヤの自嘲をシドーは真面目な顔で否定する。
「背が高いっていうのもあるかも知れないけど姿勢も良くってスラッとしていて無駄な贅肉なんてひとつもない完璧なプロポーションだった!そしてなにより胸の形がとても綺麗だった!ツンと上を向いていて消して垂れず丸みのあるまさに美乳「いやあああああ!」ナデシィコッ!?」
真っ赤な顔をしたサヤの鉄拳が再びシドーの顔面にめり込む。
「あ、あわあわあわ!?すみません!私ったらまた・・」
「嫌々今のは完全に俺が地雷踏んだだけだから!地雷元の上でコサックダンスを踊ったから」
「いえいえ私が・・・」
「いやいや俺が・・・」
そんな二人してエンドレスペコペコをしていると
「・・・・料理が冷める。後でやって」
「「ぷげらッ!」」
ルシアが杖をひと降り、転移魔法でシドーとサヤの上に魔王城の入り口に置いてあった石像を落として物理的に二人のエンドレスペコペコを止めた。
「・・・・さあどうぞ」
「・・・・・・・・・・・なんぞこれ?」
ルシア以上の間をおいてシドーは目の前に出された料理を指差しながら聞いた。
米粒大の黒い何かの塊の上に毒々しい色合いをしたどろどろの何かがかかっていて、どろどろの中には肉らしきものや野菜らしきものが入ってきた。簡単に言うと色以外・・・
「カレー・・・か?」
「・・・・カレー?」
「ああ、いやいや。俺の知ってる料理と良く似ていて(色以外は)」
「それはレルーカといいます」
サヤがシドーの足元にひざまずきながら言う。ルシアの時と同じように態度と言葉遣いを改めるようにしなくてはと思いながらシドーはスプーン(食器は普通)で一口掬う。
「この黒いのと肉みたいなのと野菜みたいなのはなんなんだルシア?」
「・・・・・・黒いのはマノクニ特有の穀物、肉はリザードの肉で野菜はマンドラゴラ」
「へぇ~・・」
内心引きながらスプーンで掬ったそれを口に運び、咀嚼する。
「う、うまい!これ美味いぞルシア!肉は柔らかいけど脂っこくないし、野菜も全然癖がない!」
味は正にカレーだった。穀物も色は違うがそれ以外は米と変わらない。
空腹もスパイスとなり、シドーは夢中でレルーカを食べ続けた。するとシドーはあることに気がついてスプーンを止めた。
「なあ、ルシアとサヤさんも「サヤとお呼びください魔王様!」わ、わかったサヤも一緒に食べようよ」
「「え?」」
「え?」
シドーの何気ない一言にサヤとルシアは二人して驚いたような顔をしていた。
妙な間を置いてはっとしたようにサヤが言う。
「ま、魔王様と同じ席で食事をするなど言語道断。我々は別室に待機しておりますので何かあれば何なりとお申し付けください。では失礼します。」
「待てェェェイ!」
別の部屋に行こうとする二人をシドーは必死に呼び止める。
「え~と、さっきも言ったけど二人も一緒に食べようよ。俺の居たところは一緒に住んでる人達みんなで食べるのが普通だったんだよ。それを無礼だのなんだの言う気もないし、ぶっちゃけこんなだだっ広い所で一人で食事とか寂しいだろ。」
最後の一言はいらなかった気もするがシドーは黙ってはいられなかった。
恐らくだがこの二人は自分を呼ぶために録に食事も休息もとっていなかったと思う。そうでなくともシドーが来るまで待っていてくれたであろう彼女たちを魔王だからと言って無下に扱うことなど出来なかった。それになにより
「俺はまだこの世界のことも詳しくは知らない。ルシアのこともサヤのこともこのマノクニのことも。特に二人とはこれから一緒に暮らすわけだから仲良くやっていきたいしさ、それにはまず同じ釜の飯を食うのが一番なんだと思うんだけど・・・ってなんで泣いてるのサヤ!?」
「わ、わだじだぢのようなものに、ひぐ、何とおやさしい・・・」
急にサヤが泣き出してしまった。自分より背も高く、凛とした美人が泣きじゃくっている光景はやけにシュールだ。不意にルシアが近づいてきて耳元で囁く。
「・・・・サヤの種族は代々魔王に仕えてきた一族で魔王という存在に忠誠を誓っているの。崇拝してると言ってもいい」
なるほどつまり地球でいうところの熱心な信教徒みたいなものだ。神様から「一緒にメシ食おうぜ」なんて言われでもしたら発狂しかねない。
ここでは魔王という存在が地球の神様よりも近いものとして扱われてはいるがだからこそ直接守ってくれたりしてより心酔しているわけだ。
そんなこんなで泣きじゃくるサヤをルシアがなだめ、これからは同じテーブルで食事をすることになった。ルシアは中々適応力があるタイプらしい。
食べ進めていく途中二人の容姿について気になり、異世界ならではの質問をしてみた。
「因みにサヤとルシアの種族ってなんなんだ?見たところ俺と同じ人・・魔人族に見えるけど・・」
森を歩いている最中に転生したことによる容姿の変化が気になり鎌の刃に映った顔を見てみたが前世と同じ平凡な顔のままだった。べつにイケメンになってたらなーなんて断じて思ってない!
「・・・・・サヤは身体能力と憑依型魔術に特化した赤鬼『レッドオーガ族』」
「憑依型魔術?」
「ぐす・・・肉体に魔物の魂を憑依させてその魔物の能力を行使出来るようになる魔法です」
「・・・因みに私は魔法能力に特化した『ブルーオーガ族』」
「へ~前衛特化に魔法特化とかバランスのいいパーティだな・・俺は・・・あれ?」
ここでシドーは自分がどのような魔法や能力を持っているか深く知らないことを自覚する。
「基本的なステータスはなんとなくわかったが『闇属性』とか『ブラックホール』とかあったけど具体的にどんな魔法なんだ?試す機会つーか余裕はなかったけど」
悶々と考えているとコホンと咳払いのような音が聞こえ、見てみるとサヤが立ち上がり、その豊満な胸を張って言った。
「では、食事が済み次第魔王様の魔法がどのようなものなのか見せて頂けないでしょうか?」
キラキラと目を輝かせているサヤの横でルシアが静かに食後の茶らしき飲み物をを啜っていた。
サヤ・ソルフレア
種族 レッドオーガ(魔人族) 年齢(人間換算)17~19
レベル25
H 2500
M 500
A 1800
G 1500
S 1500
身長175cm体重「嫌ああああ」kg
・・肉弾戦主体のため体重は結構重「それ以上いうな!」
魔法 憑依
スリーサイズ B83 W58 H85
ルシア・フェルト
種族 ブルーオーガ(魔人族) 年齢15~17
レベル25
H 2000
M 3000
A 800
G 500
S 1000
身長150cm体重「・・・なに?」
家事が得意なゆるふわクール女子
魔法 水・雷・火・転移
スリーサイズ B90 w56 H85
ロリ巨(ry