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これもよくあるイベントだよね

個人的には落第騎士の一輝とステラの出会いかたが好き(笑)

「・・・凄く、大きいです」


それが魔王城の入り口に立ったシドーの感想である。

扉だけで豪邸並の大きさなら城の中はディ○ニーラ○ド二個分の面積ぐらいありそうだ。もはやちょっとしたバチカン市国である。

そんなことを考えていたシドーの頭に今まで呼び掛けていた声と違う別の人物の声が響いた。


「・・・よーこそおいでくださいましたまおーさま、今扉を開けますのでどうぞ中にお入りください」


先程の声の主より抑揚のないどこか気だるげな声に本当に歓迎されてるのかと心配になるが直後にゴゴゴゴゴと重々しい音を立てて目の前の扉が開いた。


「おお・・これは・・・」


全体的に明るい灰色を基調とし、煉瓦のような石造りの一般的に魔王城と聞かれて最初にイメージされるものとぴったりだった。

エントランスホールだけでも学校の体育館が何個か入りそうなぐらい広い。

天井には豪華なシャンデリアがついていて、明るすぎない程度にホール全体を照らしている。

キョロキョロと周りを見回していると中央の階段から一人の少女が降りてきた。

ふんわりとしたローブ、頭に被った三角帽子、身の丈程の杖などまさにTHE魔法使いな格好をした少女が眠たそうに目を擦りながらシドーの元までやって来た。

中背のシドーの胸くらいしかなく、水色の髪から覗く目は見上げる風に開かれていた。


「・・・お初にお目にかかります、第10代目魔王様。私は魔王軍魔法兵団団長兼参謀長のルシア・フェルトと申します。魔王様の手となり足となりこの衰退しきった《マノクニ》の復興に尽力・・・」


「ちょっちょっと待った!そんないきなり魔法兵団団長とか参謀長とか言われたってわかんねーよ。ていうか魔王様とか俺はそんな様付けされるような奴でもないし・・・・あーもーとにかくさっきもう一人の子と話してたみたいに砕けた感じでいいから!」


正直様付けされるとか背中が痒くなってしょうがない。未知の体験なのだ。さらに言うとルシアみたいな超絶美少女に言われるとなんだかムラムラしてしまう。

ルシアはきょとんとした顔で一瞬シドーの顔を見つめ、ふっと口元を緩める。


「・・・わかりましたまおーさま「敬語もいらない!」・・わかったまおー

さま。」

相変わらず様付けだが先程よりだいぶ砕けた感じでシドーとしてはこれぐらいがちょうどよかった。


「ふぅ、やっと一息つける。」

そういって床に腰を降ろそうとするシドー。その瞬間ルシアが「・・えい」と指をならす。するとシドーが座ろうとした空間に巨大なソファが現れる。


「おっとと、おお、スゲーふかふか!ありがとなルシアさん!・・これが魔法か~始めてみるけどやっぱ便利だなぁ」

「・・・・ルシアでいい。これは転移魔術。まおーさまの部屋のソファをここに移しただけ」

「転移魔術か・・どこ○もド○みたいなもんか」

「・・・うん、そんな感じ」

「わかるの!?ド○えもん!?」


そんなやり取りをしているうちに眠気が襲ってきてぼふっとソファに寝転がる。

「あ~このソファまじで気持ちぃ。」

(考えてみれば転生してから色々衝撃続きでここまで歩きづめだったしな~)

「・・・・・まおーさま、ここで寝ると風邪をひく」

「そんなこと言われても・・なあ!?」


寝転がったシドーと目を合わせようとルシアが少しかがむ。ローブの胸元が空き、白く柔らかい肌と見た目によらず豊満な乳房が見え、シドーの眠気を吹き飛ばす。さらに

「・・・食事とお風呂の準備が出来てるけどどうする?・・ご飯にする?お風呂にする?」

それともわ・た・し?という流れにならず非常に残念だがそれでも充分魅力的な誘いだ。

(ロリ巨乳美少女と一緒にお風呂!ロリ巨乳美少女の「・・はい、あーん」!)

「・・・・それとももう休む?」

(ロリ巨乳美少女と添い寝!)

この3つの究極の選択肢どれを選ぶかシドーは頭をフル回転して考える。

(一番は添い寝だけどこれは最後のお楽しみにしよう!食事と風呂はそうだな・・食事の後でだらしない腹を見せるのも嫌だし、よし!)


「い、いやルシア!まず風呂だ!お風呂にしよう!場所を教えてくれ!」

「・・・?わかった。場所はそこの階段の脇の扉から入って左側の通路を道なりに行くと大浴場があるから。・・・私は食事の準備をしてるからゆっくり入って・・・どうして泣いてるの?」

「あ、いや・・まあそんなうまいこといないよなって話」


ルシアは首を傾げるが「・・・ごゆっくり」と言い残して厨房の方であろう場所に行ってしまった。





「ここがたぶん風呂なんだろうな~」

ルシアに言われた通りに行き着いた先には見たことのない文字で『浴場』と書いてあった。何故読めるかというとシドー自身にもわからないが恐らくアリーが転生の際に色々やってくれたおかげだ。

(ていうかアリーもそうだったけど巨乳率結構高いな~・・まあ自他共に認めるパイオツ星人である俺はセクシーなお姉さんの巨乳もロリロリ美少女の巨乳ももちろんスレンダーナイチチ―も虚乳も大好きだ!何故ならば!・・・)


「それら皆すべておっぱいだからだー‼」

「ひぇ!?」


浴場の扉を開け放ち様に高らかに叫ぶ。

「だーだーだー・・・・」と自分の声がこだまするのも面白い!

・・・・・・あれ?さっき何か聞こえたような、女の子の悲鳴のようなも・の・が・・・・


そこには全裸の美少女が突如訳のわからないことを叫びながら入ってきた変質者に驚き身をすくませていた。

下ろしているであろう赤髪は腰まであり、それがうまい具合に大事な所を隠していたがそのスタイルの良さまでは隠せていなかった。

恐らくシドーより高い身長、引き締まった手足の筋肉、そして大きく張りのある乳房。格好良さと美しさをかねそなえているというのはまさにこういうことだろう。

シドーと先に浴場で体を洗っていた赤髪の少女の目が合い、その場の時が永久凍土のように凍りつく。


ここでシドーはようやく気づいた。

城には二人の少女がいて、ルシアではないもう一人が自分に呼び掛けていた。

しかし、城についたときにいたのはルシア一人。では、もう一人はどこにいったのか。


『もうすぐ魔王様来るっていうのに~!ねえお願い!せめてシャワーだけでも浴びさせて!』

『とりあえず呼んでくれてた人にはシャワーに行かせてあげよう』


5日間もシドーを呼び続け、風呂にも入れなかった不憫な赤髪の少女はシドーとルシアが話している間浴場にいたのだ!!


「ひっ・・・きっ・・・」


そうこうしている間に赤髪の少女の目尻には涙が浮かび始め、握った拳はぷるぷると震えている。


「・・・まず自己紹介から始めようか。俺の名前は美和獅童。魔王として転生して君たちに呼ばれてここに来た。さあ、何も隠すことはない!ありのままの君のことを俺に教えて・・・ちょったんまたんま!なんか右手がスッゲー光ってるんですけど!?あれ?なんで無言でこっち来るの?もしかして俺の声聞こえてなかった?じゃあもう一回いうぞ!・・・ほんとマジすいま」


「ここ(浴場)には呼んでないわこの変態魔王~~!!!!!」

「ヴびゅる!!ッ!」


最期に見た光景は走ることでゆっさゆっさ揺れるおっぱいと俺の顔面にめり込む光輝く拳だった。


僕も脱ぐからおあいこってことにしよう・・・マジで笑った

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