・・・凄く大きいです
ポイントが増えたり減ったり・・・
スゥーリアの怒りを鎮めるのと、天井に突き刺さったエドワードを救出する作業で気付けば夕方になり、話の続きはまた次の日に持ち越されることになった。
シドー達はそのまま社で休み、夜になったらスゥーリア達が晩御飯を運んで来てくれた。
「さぁどうぞ召し上がれ!森人の里の名物料理フルコースさ!」
そう言って出されたのは豆と根菜のスープに葉物サラダ、何かの植物の根っこのようなものに白くて四角い豆腐にしか見えないものと、マノクニのものとは違って真っ白な米。
「相変わらず緑が多いな」
「・・・肉が欠片もない。だから胸がウプ・・」
「森人族は肉を食べないのか?」
余計なことを言いそうになるルシアの口を手で塞ぎながらシドーが質問すると、
「そうだね~、基本的には同じ森に住む生き物として見てるから食べる気にならないよ。肉の代わりに豆を食べるのさ」
(この世界でも豆は肉の代替え食なのか・・・)
そう思いながらシドーはスープを一口啜ると、
「ぷはぁ、美味いな~。香辛料が効いてて体がポカポカしてくる。」
「おっ!気に入ってくれたみたいで良かったよ!さぁどんどん召し上がれ!」
そう言われるがままにどんどん野菜料理を平らげていく。なんだかんだ文句を言いつつもサヤもルシアも昔話を肴に食べ進めていく。
「サヤちんってばこう見えて昔は超乙女でね~、『いつかマノクニの王子様と結婚してお姫様になるの~』ってしょっちゅう言ってたんだよ」
「ばっ!?む、昔の!子どもの頃の話ですからね!魔王様!」
「ははは、いやでもサヤにもそういう時があったんだなって親近感がわいたよ」
「・・・今はお姫様どころか並の男より男らしくムキムキに・・」
「ルシアまで・・・私は武人として生きる道を選んだのだ。寧ろ誉れだな」
「うわ~・・完全に女を捨てた発言だよ・・ま、それならルシアたんも似たようなもんか」
「・・・顔だけ女の奴に言われたくない」
「どういう意味かなこらぁ!?」
「まあまあ二人共落ち着けって・・・」
そんなこんなで、賑やかな夕食の時間は過ぎていった。食事の後には風呂も用意してくれたみたいで、スゥーリアに案内されると、
「なんか懐かしいなこれ」
スゥーリアに案内された先にあったのは大きな大衆浴場のようなところだった。
中で男女別に区切られている所など、前世の銭湯と全く同じだった。
「それじゃあ魔王君また後でね~」
「な!?魔王様を君付けだと!?スゥーリア!いい加減に・・・」
「・・・眠たい」
「はは、後でな・・」
あの二人のお守りをサヤに任せてしまい、若干の罪悪感を抱きながらもスゥーリア達と一旦別れる。
(なんかこうやって一人になるのも久しぶりな気がするな・・・いつもサヤとルシアが一緒にいてくれたし)
新鮮な気持ちと、初めて来る場所で一人になる不安と緊張が混ざったなんとも言えない気になりつつ、脱衣場で鎧を脱いでタオル一枚になる。
(あれ?そういえば・・・)
ふと、気になることがあり、裸になった自分の体を鏡で見ると、
「・・・・・変わらない・・・多少筋肉ついた位か・・・」
あれだけぶっ飛んだステータスなのだから体もそれ相応になっているものだと密かに期待していたシドーだが、変わらない現実に肩を落とす。
「ま、ケン○ロウばりにムキムキ作画になってたら世界観ぶち壊しだしな~」
気を取り直して浴場の扉を開ける。岩盤を削って作った窪みに清流から汲み上げた水を暖めて流しているのだという。
何人か先客がいて、一瞬シドーの方を見るが特に気にする様子もなく思い思いに寛いでいる。
シドーも他の客に習い桶で掬ったお湯を体にかけると、
「ふぅあ~・・・は!?」
あまりの気持ちよさに思ったより大きな声が出てしまい、周りからクスクスと密かに笑う声が聞こえた。
更に追い打ちをかけるように壁を隔てた女湯の方から
『今の声シドー君?こっちまで声聴こえてきたけどどうしたの~?』
『スゥーリア!やめないか恥ずかしい!・・申し訳ありません魔王様!どうぞごゆるりとおくつろぎくだひゃああああ!?』
『うわ~・・サヤちん腹筋バッキバキ・・・正直引くわ~・・』
『だったら触るな!』
喧騒と鈍い音が聴こえてきて、周りからは更に笑い声が上がる。
(恥ずかしい~~////)
恥ずかしい気持ちで湯に浸かってもいないのに真っ赤になるシドーだった。
気持ち的に全く寛げなかったが、長旅の汗を流せてそこそこスッキリしたシドーが待ち合い室でサヤ達を待っていると、サヤ達が出てきたが
「・・・御待たせして申し訳ありません魔王様・・・」
「痛いよサヤちん!これ以上バカになったらどーすんのさ!」
「自覚があるなら改善する努力をしろ!」
「・・・・zzzz」
ギャアギャアと先程の風呂場の件で言い争いをするサヤとスゥーリア、もうどうやって自力で歩いているかもわからない程眠たそうなルシア。シドーは正直他人のふりをしてやり過ごそうかと思ったが、浴衣姿の3人があまりにも綺麗で見とれてしまった。
「・・・ったくお前らはもう・・・俺が男湯でどんなに恥ずかしい思いをしたか・・・」
「え~・・元はと言えばシドー君が変な声出すからでしょ~」
「う・・・それはそうだけど・・・とにかくさっさと帰るぞ。ルシアが風邪ひいちまう。」
「・・・・みゅう」
シドーの声に反応したルシアがこくりこくりとしながら歩き始めるが、足が縺れてシドーの背中にもたれ掛かる。
モニュウッ
「!!」
シドーの背中に、今まで感じたことのない柔らかな質感、弾力、圧倒的な存在感を持つ2つの塊が押し付けられ、シドーの理性を押し潰しにかかる。更に、
「ん・・・ふぅ・・・おんぶ・・」
安心しきったルシアが甘えるようにシドーの首に手を回しておんぶの体勢になる。吐息やら洗剤の香りやらでシドーは頭がおかしくなりそうだった。
「がふぅッ!?」
「魔王様!?どうされました!?」
「シドー君大丈夫?ルシアたんそんなに重・・・ああソウイウコトカ」
思わず膝をついたシドーをサヤが何事かと身を案じ、同じように心配していたスゥーリアは何かを察し、自分の胸をペタペタ触り遠い目をする。
(落ち着け俺!静まれ俺!ここで立ったら一生気まずい思いをすることになる!
そうだ!シリアスな空気だ!シリアスな空気にすれば気にならなくなる!ちょうどスゥーリアに『森の悪魔』について聞きたいことがあったし・・・)
「スゥーリア」
「!何?シドー君?」
シドーの真剣な声音に、スゥーリアも遠い目をやめて真面目な表情になる。
そして、
「『森のおっぱい』について聞きたいことがあるんだ。」
「まぁ確かに悪魔的だよねその胸は。」
「ごめん間違えた」
すぅっとスゥーリアの目の光が消え、森人の里に頬を張り飛ばす音が響いた。
ゼノブレイド2二週目のアップロードが延期だと!?・・・




