表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
犬勇者  作者: 吉行 ヤマト
2267/2292

俺の願望

 暫く様子を見ているとそいつの攻撃は徐々に激しくなって来た。今では左右に素早く動きながら拳や蹴りを繰り出してくる。だがやっている事は俺に闇を送るという物であることに変わりはなかった。


 どうしようかな。纏ってみるかな。


 こんなに一生懸命に俺に闇を纏わせようとしてくるのだ。それなら一度、纏ってやっても良いのではと思えた。俺は闇を纏えるように、自分の闇を消してみた。


 ジュワン


 そいつの動きが激しい分、一気に闇が俺の周りにまとわりついて来た。そして全身を闇が覆った時、俺の前にそれが現れた。


 「我を受け入れよ」


 それは光に包まれた女だった。俺の前に立つその女は一糸纏わぬ姿で現れてそう言った。


 誰だ?


 と一応心の中で反応したものの、その姿からそれが誰を真似たものなのかは一目瞭然だった。


 ロンダか。


 それはロンダだった。光り輝くロンダ。だがその姿と声は何処かおかしかった。


 何だか、俺好みすぎるな。


 俺の知るロンダというよりは、俺の願望のロンダという感じがした。


 ああ、そうか。そういう仕組みか。


 闇を纏わせ、そのものの大切なもので操る。そういう事のようだ。そう考えるとなかなかの出来だ。俺はそのロンダに触れてみた。


 グ


 おお!? 触れるのか!??


 ロンダにしては柔らか過ぎる気がするが、俺はロンダに柔らかさを認めていたのだろうか。俺自身も気づいていない願望をこいつが表しているのだとしたら、こいつはちょっと取り込んで消すのは勿体無いな。


 俺は目の前にいる願望のロンダの全身を触りながら、どうすればこいつを連れて行けるかその方法を考えてみた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ