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犬勇者  作者: 吉行 ヤマト
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魔王ではなく

 闇の欠片はこの辺りに。


 と思って茂みの所まで移動する。宙に浮いているので移動は速い。上から見る茂みは木々の葉で隠されて何があるのか良く分からないが俺が近づくと闇の欠片が集まって来た。


 さっきもあったな。


 それは森や木と間違えた魔物に似ていた。その声は聞こえないが、俺の元に集まろうとしていることは分かる。


 魔物か。


 俺は集まる欠片の元に降り立った。するとズザザザと音をたてながら闇の欠片が集まって来る。我先にと言わんばかりのその動きが少し面白い。


 慌てるな。


 俺がそう思った瞬間、欠片達の動きが落ち着いた。


 え? 俺の考えが伝わっている?


 どうやってかは分からないが、それ以降は欠片は自然と何本かの列になって集まって来た。俺はそれらの欠片を次々に取り込む。


 「マオウサマ」

 「アリガタキ」


 俺に取り込まれる瞬間、欠片達は細長く引き延ばされ細かく砕かれながらもそう言っていた。


 やはり俺はこいつらにとって魔王判定なのだな。


 そう思っていたら、別の声が聞こえて来た。


 「チガイマス」

 「マオウサマ」


 ん? 違う? 何が?


 俺に語りかけてくる闇の欠片達。その言葉に注意深く耳を傾けて彼らが言う「マオウ」の意味が分かった。


 魔王ではなく、魔皇だと?


 欠片達が言っている「マオウ」とは、その辺にいる魔王ではなく、それらの上に絶対的に君臨する闇の頂点、闇に属する者達の中でも伝説的な存在である魔皇の事だった。


 って、何だそれ?


 俺は初めて知った魔皇という言葉に興味が湧いた。

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