建て替え
橋の建て替えで時間を使っているかと思ったが、実際にはそれ程時間は経過していないのを俺は影の位置を見て確認する。普段あまり意識していないが、影を用いて試行錯誤を繰り返すと、軽く時の流れの外に近づく傾向がある様だ。
あまり、良くないな。
闇の力だけとはいえ、熟練が過ぎるとあちら側に届いてしまいそうになる様だ。そう簡単に一線は越えられないという事は感覚的に理解しているが、その感覚が、あちら側との距離が目の前の谷程度にしか隔たれていないという事を告げていた。
今はまだ飛び越えたくはない。
だが影によって自分の思考が加速するのはありがたい。下手な矢でも数を打てば当たるというもの。それを簡単に出来るのだ。
石もすぐに見つかるしな。
それ自体はただの運だったのかもしれないが、谷には良い石がたくさんあった。
これで良い。
最初の石より倍以上の大きさで試してみる。加工はだんだん慣れて来た。積み上げるのは両端から順に進める。
ああ、そういう事か。
その時になんとなく思ったのは、両端は大きく、真ん中辺りは少し小さくという並べ方だった。それが何故良さそうなのか説明は出来ないが、なんとなく良さげだったのでそうしてみる。
ズ
と、影から並べた石の橋を谷に架ける。なんだか悪くない感じがする。
強度は?
ミジ
おお!? 良いんじゃないか?
俺はその丸い石の上に更に石を敷き詰めて道を平らにし、橋を完成させた。
思ったより良いな。
橋作るの面白いな。今度から川を見つけたら橋をかけてみるか。
次回投稿は、8/26(月)の予定です。




