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犬勇者  作者: 吉行 ヤマト
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二度目の別れ

 目が醒めるとロンダが大通りの真ん中で立っていた。既にピヨールによって体力は回復している様だ。


 「止めだ。これでは全く先に進めない。全部お前のせいだぞ!」


 勝手に先に行って、勝手に戻って来たのはお前だろう。


 「帝国の都に着くまでは再び別行動だ!」


 「え?」

 「ええ?」


 ロンダの言葉にアンとアンジェリカが驚きの声を上げる。


 「一緒に行けば良いだろう。急ぐ必要もない」


 俺がそう言うと、アンとアンジェリカは無言で首を縦に振る。


 「ダメだ。お前が俺の体を求める気持ちは分かるが、俺は姉だから快楽に溺れようとしているお前を正さねばならない」


 快楽に溺れそうと言うか、既に溺れているのはお前だろう。


 「あ、ああ。そうだな」


 だが、反論するとややこしくなりそうなので俺は分かったと返事をする。


 「はい」

 「そうです」


 その俺の横で、何故かアンとアンジェリカが反省している。


 「俺たちはこの先もこの犬のピヨールと共に光の修行をしながら砦を回って行く。ピヨール、お前は自分だけの力で都に辿り着け」


 「ワン!」


 まあ、ピヨールが居るなら安全か。俺も自分の修行をしたいとは思っていたからな。


 「だが、都に向かうなら、結局同じ道を行く事になるが?」


 「ダメだ。お前は真っ直ぐに都を目指せ」


 「場所が分からんだろ?」


 「場所は聞いた。ここに戻ってくる前に、次の砦に着いたから、そこの連中に聞いたのだ」


 え?いつの間に?


 「此処よりずっと南西に戻った場所に、巨大な石造りの山があるらしい。その地下に都への道がある」


 え?多分それ、壊したぞ。


 「そ、そうか。見つける事が出来たらその道を行ってみよう」


 「ダメだ。絶対見つけろ。地下の通路だぞ?楽しそうだろ?本来なら俺が行きたいが、俺は光の修行があるから、お前に行かせてやるんだ。感謝しろ!」


 「あ、ああ。分かった」


 俺は立ち上がって身支度を整える。アンとアンジェリカは寂しそうに俺を見ている。


 「何だその顔は!俺に対する欲望がまだ尽きていないとは!仕方ない。これも姉である俺の役目だ。別れの前に好きなだけ抱かせてやる!」


 いつの間にか全裸になっていたロンダが俺に突進し、そのまま俺の体を貪った。


 「ピヨール殿!」

 「ゆうじゃざばぁ!」


 その流れで、そのままアンとアンジェリカも抱く事になる。


 日の高い内から、大通りの真ん中で、俺達は一体何をしているんだ?


 まあ、もう一度別行動するのは悪くないし、その別れを惜しむと考えられなくもないか。


 「ピヨール、3人を任せたぞ」


 「ワン!」


 気絶した様に眠る女達を大通りのから林の中の木陰に寝かし、俺は石で出来た山のあった場所まで戻ることにした。

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