見たいのか?
穴を掘り続けるテバレの少し上で手渡された土や石を影に入れ続けて暫くするとテバレが俺に話しかけて来た。
「お前、名前は何だった?」
「ピヨールだ」
「ピヨールか、分かった。ピヨール、部屋に戻るぞ」
テバレがそう言って上がって来たので、俺も穴をよじ登って部屋へと戻る。ハアハアと息を切らすテバレは土に汚れたまま、穴の横にあるベッドに突っ伏した。
ベッドが汚れる。
薄暗いが土まみれであることは確実なテバレはそうやって息を整えると急にその場で服を脱ぎ始めた。
「ん? 何だ? 見たいのか?」
テバレはあらわになった胸を俺に晒す。
「あ、いや、見たくないと言うことはない」
女の胸を見たくない男はいない。つまり俺も見たい。
「なら見れば良い。減るわけではないしな」
いや、確かに胸は減らんが、何かは減るだろう? その見せない事によって生まれる何かが。
ま、まあ、見てるなら見るが。
胸だけで無く裸になったテバレはさっさと部屋を出て行く。
「お前も来い。風呂だ」
部屋の扉の所で立ち止まったテバレはそう俺を呼んだ。裸のテバレを放ってもおけないので、俺はすぐにその後を追いかけた。
誰もいない。
テバレが廊下をスタスタと歩いて行くが、誰ともすれ違わないで突き当たりまで辿り着く。
バタン
テバレは勢い良く扉を開けて中に入る。そこは石で出来た小部屋で、壁の高いとことから湯気を出す湯が流れ出ていた。
「温泉か?」
「ほう、よく知っているな。そうだ、地下から出ている。熱いから気をつけろよ」
テバレは手慣れた動作でオケを取ると湯を少しに水をすくい、それを軽く混ぜて頭からかぶる。
バシャ
それを手際よく繰り返し、体の土を流すとサッサとその小部屋を出て行った。
え?
「早くしろ」
廊下を歩いて行くテバレの声が聞こえた。俺は慌ててテバレの真似をして体の土を流した。




