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犬勇者  作者: 吉行 ヤマト
2017/2414

地底

「男は馬鹿か? と言うと怒り出すのだが」


テバレが俺を見上げる。その目は鋭く睨んでいるように見えるが、実際にはただ俺を見ているだけなのだろう。


「怒らなかった男は本当に馬鹿な奴だけだった」


そう言いながらテバレは立ち上がる。そして手に持った石を俺に見せて来た。それは暗闇の中で淡く滲むように光っていた。


「青? いや、緑や黄色にも見える。不思議な光だ」


俺がそう言うとテバレは目を見開いた。


「見えるのか!? これが???」


「見える? この石から出ている淡い光の事か?」


「そうだ! これは誰にでも見えるものでは無い!!」


「そうなのか?」


俺はそんなに目は良くないが。いや、違うか。ロンダと比べたら良くはないが、その他の者達と比べるとかなり良いのかも知れない。


「弱い光だからな。それに削り出したり、日光に当たるとすぐに消える」


「それで部屋を暗くしているのか?」


「そうだ。ここを地底にしたい」


「地底?」


「この石があった場所、ルベェートと同じ地底に」


「それは洞窟か?」


「そうだ。この町の下にある」


「ほう、面白そうだな」


「ふっ、地底が面白い? やっぱりお前は変な奴だ」


テバレが少し笑ったように見えた。

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