表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
犬勇者  作者: 吉行 ヤマト
2013/2414

国でも作る気か

 塔から真っ直ぐ南西に。影を伸ばす時にその事だけ注意しながら俺は道を作って行った。


 「影で一瞬で移動出来るがどうする?」


 という問いにすぐに飛びついたのはピエトパオ侯だけだった。なので騎士達やルシモドとゴメリを塔に残し、俺とピエトパオ侯の2人で道を伸ばし続けた。


 「道以外も作れるのか?」


 どんどん伸びていく道を振り返りながらピエトパオ侯が尋ねて来た。


 「まあ、丸太小屋ぐらいなら作れたが、あとは畑とか、川とかぐらいだな」


 俺のその答えにピエトパオ侯が少し言葉を失う。


 「川に畑だと!? お前は国でも作る気か!??」


 「国? いや、作ったのは村ぐらいのものだ。山奥の」


 「こんな風に一瞬でか?」


 「ん? ああ、まあ、だいたいそんな感じだな」


 ピエトパオ侯は少し考えてから俺に尋ねた。


 「城は作れるか?」


 「材料と作り方が分かれば、出来ないこともなさそうだが」


 「例えばこんな感じだ」


 俺は道の先にある川を見つけ、そこにこれ迄に集めていた岩と木を加工して橋を作ってみた。


 「何でもありか!??」


 「いや、何でもは無理だぞ」


 「よし! お前は我が娘の婿にもなってもらうぞ!!!」


 え?


 「何だ? 嫌なのか?」


 「嫌というか、会った事もないんだぞ?」


 「気にするな」


 気にするだろ?


 「決まった事だ」


 勝手に決めるな。


 俺はそれ以上その話題に触れないように、道を伸ばし続けた。


次回投稿は、4/8(月)の予定です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ