表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
村人転生~最強のスローライフ  作者: タカハシあん
十歳スタート

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

99/1852

99 オレの名は

名前、いろいろ候補はありましたが、今日、思い付いたコレにしました。

「わかるように最初から話しやがれ」


 ねーちゃんらがエレベーターに消えると同時に切り出した。


「……あ、あの、ちょっといいでござるか?」


 向かいに座った汚物がおずおずと手をあげた。


「なんだい?」


「え、えーと、拙者、名をシゲモチエリナと申します。あ、こっちだとエリナシゲモチでござった。エリナと呼んでくだされ」


「どっちでもイイよ。たぶん、汚物と同じ世界から転生してきたもんだからな」


「え、あの、エリナでござるよ」


「ああ、わかってるよ。だからそう呼んでるだろうが」


 生憎と言葉にルビはつけられんがな。


「え? 汚物と聞こえたでござるが?!」


「気のせいだろう」


 バッサリと切り捨てる。


「オレはベーだ」


「ベーどのでござるか?」


 首を傾げる汚物エリナ。なにか問題があんのか?


「あ、いや、すっかりこちらの人間になっているのでござるな?」


「当たり前だろうが。いくら前世の記憶があろうと、この世界に生まれた時点でオレはオレだ。ヴィベルファクフィニーだ」


「ヴィベルファクフィニー?」


「オレの本当の名前だ。誰も発音できねーし、長いからベーって呼ばれてんだよ。つーか、一回聞いただけでよく言えたな?」


 つーか、久しぶりに自分の名を言ったよ。意外と言えるもんだな、そんなことにびっくりだよ。


「オホホホっ! 貴腐人のたしなみでしてよ!」


 なんだろうな。貴婦人が貴腐人に聞こえたオレはもう汚物エリナに汚染されてしまったのだろうか……。


「あれ? ツッコミはなしでござるか!?」


「一々突っ込んでられっかよ! もうメンドクセーわ!」


「寂しいでござる……」


 しゅんとなる汚物エリナ。オレは漫才しにきてんじゃねーぞ、こん畜生が!


「マスター。そろそろ本題に入ってください」


 ぷるぷるな体から怒気を発しながら先を促すバンベルさん。ほんと、器用なスライムだ。


「あ、え、すまぬでござる。バンベルは怒ると怖いのでござる」


 突っ込んだら負けな気がするから突っ込んだりはしねーが、そのしゃべりなんとかなんねーのか? うっとーしくてたまんねーよ。


「……え、えーとでござる。ヴィどの──とお呼びしてよかろうか?」


「好きなよーに呼べよ」


 別に名前に拘りはねーし、ベーもヴィも大して変わんねーよ。


「はい、ヴィどの!」


 なんでそこで喜ぶんだよ。意味不明だよ、まったく。


 んで、話を戻して、だ。汚物エリナが話し始めたのは神(?)との邂逅からだった。


 オレもなぜか神(?)との邂逅は今でもはっきりと覚えている。まあ、なぜかは知らんがな。


「三つの能力は、汚物の命に関わることだ。言いたくねーのなら言わなくてもイイが、言ってくれねーとわかんねーからぼかして言えよ」


 バンベルの頼みとは言え、まだ助けれるかどうかもわかんねーんだから秘密を聞く気はねー。まあ、今更って感じだがな……。


「大丈夫でござる。バンベルが信じたのなら拙者もヴィどのを信じる」


「あんまり期待されてもな~。オレはただの村人で十歳のガキだぞ」


「前世を含めれば拙者より年上でござろう。それに、リックスたちを殺さずにいてくれもうした」


「バンベルにも言ったが、別に殺す必要がなかったから殺さなかっただけだ。必要なら殺すぞ」


 その言葉のどこに微笑みになる要素があったんだ?


「ヴィどのは、優しくてお人好しでござるが、ちゃんと計算もできて覚悟もあるでござる。信じるに(あたい)します」


 前半の汚物っぷりはどこへやら。後半はまるで慈愛に満ちた聖母ばりの笑みを見せた。


「……エリナ──」


「──はいっ!」 


 エリナの返事になにを言おうとしたのかわからなくなり、なぜか照れ臭くてお茶に逃げた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 本名初登場!だったかな?長いね、本当に。ベーも極端だけど。面白いので、先が楽しみです。できる弟妹だけど仲が良くて、兄が大好きなのでいいですね。お父さんも思い出でもいいから登場したら嬉しいです…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ