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村人転生~最強のスローライフ  作者: タカハシあん
十歳スタート

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987/1859

987 ファソラ隊

 熱中したら止まらないのがオレ、ヴィベルファクフィニーの性である。


 ヘドロを吸い込むのに夢中になり、ミタさんが来たことに気がつかず、ミミッチーに頭突きされて教えられた。


 テメー! クソ梟、ブラックホール一号の餌食にしたろか!


 ウガー! とブラックホール一号を振り回すが、無駄に俊敏な梟。無駄に疲れたぜ……。


「……また、変な生き物を拾いましたね……」


 久しぶりに見るミタさん。変なこと言わないでください。


「別に拾ったわけじゃねー。必要だから連れてるだけだ」


 必要じゃなくなったら森にお帰り、だ。


「……ミタさん、なんか肥えてね?」


 女に言っちゃいけないセリフベスト3に入りそうなことだが、これはさすがに見てみぬ振りはできんぞ。


 まあ、別に肥えててもオレは構わんが、メイドとしてどうなのよ? 


「ベー様のせいです! すぐいなくなるし、帰って来ないし、心配で心配で、あたし……」

 

 で、食べることでストレスを発散したわけね。ってか、それってオレのせいになるの? あ、なるんですか。すみません。


「まあ、これがオレだ。図太くなれ」


 ミタさんが肥えようが痩せようが、オレは思うがままに生きるまで。変える気はない。


「ほれ。オレのメイドだって言うなら手伝え。そして、動け」


 無限鞄からブラックホール二号を取り出し、ミタさんに渡した。


「これは?」


「超強力吸引の魔道具だ。こうやって使う」


 と、ブラックホールの使い方を教える。


 超万能メイドは一回聞けば充分。どころか、三分もしないでオレより使いこなしていた。


 始めてから何時間過ぎたかわからないが、狭間の掃除はまだ半分以上。ミタさんが加われば今日中には終わるだろう。


 また集中し、掃除に夢中になっていると、腹の虫さんがぐぅ~と鳴き出した。


「休憩するか。ミタ──」


 に目を向けて言葉を詰まらせた。


 目をゴシゴシ。頬をバチン。うん、現実です。夢でも幻でもありませんわ~。


「……ミタさんが分身してるよ……」


 ってか、分身するような作業じゃないよね! ヘドロを吸うだけだよね! 分身してもブラックホール二号の性能は上がらないよね!


「……まさか、サプル以外に分身の術を使えるヤツが現れるとはな……」


 超万能だからって、サプルの域に入らなくてもイイんだよ。生物としての域で精一杯生きててイイんだからね!


「うん。オレ、不要」

 

 ブラックホール一号を無限鞄に仕舞い、リビング島に上がり、遅めの夕食を取った。


「ミタレッティーがサプル化してるわよ」


 知らん。勝手になれ。


 四人になったミタさんに構わず野菜スープと肉まんをいただく。あー旨い。


「ヴィどの。キャロはここにいて本当に大丈夫なのでござるか?」


 あ、君たちまだいたのね。オレのなにかが邪魔して視界に入らなかったよ。ってか、お前はジオフロントに力を注げや! お前の棲み家を造ってんだぞ!


「あ、ジオフロントはちゃんとやってるでござるよ。オーク牧場もできたし、トウモロコシ畑もできたてござるから。あ、これ、お裾分けでござる」


 どこからともなくトウモロコシがテーブルの上に現れた。


「立派すぎね?」


 前世のトウモロコシって、もっと小さかったよな? なんで大根くらいデカいんだ? 土か? 肥料か? それとも環境か? なんなんだ?


「愛情を注いだでござる」


 それで大きくなったら農家は苦労しねーよ。根性論で片付けてんな!


「まあ、もらえるんならありがたくいただくよ。焼きトウモロコシ、好きだし」


 カイナーズホームでバーベキューコンロ買って来ようっと。


「で、どうなのでござるか?」


「この上にカーレント嬢が住むことになったから、カーレント嬢が生きているうちは大丈夫だろう。その後は知らん」


 オレもカーレント嬢も人だ。百年もしないで死ぬ。自分の居場所が大切なら自分で守りやがれ。


「まあ、数千年と続くバイブラストだ、あと数千年続くだろうさ」


 誰の血か知らんが、数千年経ってもバイブラストの血は途絶えず、箱庭もクリエイト・レワロも守られている。他だったら百年もしないで途絶えているわ。


「ここをどうしたいかは骸骨嬢とカーレント嬢とで決めろ。オレが口出すことじゃねー」


 たまに貸してもらえばオレはそれで充分だ。


「ただ、カーレント嬢がここに来やすいようにはしろ。とてもじゃないが、カーレント嬢にここまで来いってのは酷だ。距離もあるし、スライムもいるからよ」


 クリエイト・レワロ、広すぎだわ。


「では、ドレミを何体かもらえるでござるか? バンベルはもう男として固定しているゆえに分裂しても男になるでござるよ」


 超万能生命体は不思議だな。まあ、ここにいるの、不思議のしかいねーけどよ。あ、オレを抜かしてね。種としては常識内なんだからさ。


「ドレミ。カーレント嬢に回せるか? できれば骸骨嬢にも」


 多分、大元だろうドレミに尋ねた。


「はい。問題ありません。では、カーレント様にラシドを。キャロリーヌ様にファソラをつけさせていただきます」


 ラシドが緑髪の三つ編みで、ファソラがピンク髪のポニーテールか。ってか、なにも音階で決めなくてもイイだろうに。


「キャロリーヌ様。これよりファソラがお仕えさせていただきます」


 ファソラ隊(十人体制のようだ)が骸骨嬢に頭を下げた。


「はい。よろしくお願いしますね」


 まあ、仲良くやってちょうだいな。


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