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村人転生~最強のスローライフ  作者: タカハシあん
十歳スタート

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967/1852

967 新しい家

「うん。美味しかった」


 食いも食って百四十七個。なんか微妙やな~。


 その体格から言って大食漢なのはわかるし、胃が丈夫なのもわかった。だが、百四十七個は微妙やろ。大食いでもそれくらいは行けんだろう。いや、無理か?


 一個で充分なオレにはわからん世界だわ。


「満足したのか?」


「うん。満足。久しぶりに美味しいの食べた」


 美食な梟なのか?


「んじゃ、引き継ぎをしろや」


 カーレント嬢の笑顔が六割ほど消失してるからな。まあ、それでも笑顔を崩さない根性には頭が下がるぜ。


「わかった」


 ススッと動き出すと、最初にいたドーム状の建物に入った。寝るのか?


「こっち。まず、住み処を案内する」


「住み処?」


 首を傾げてカーレント嬢を見ると、困り笑顔と美味しい高度な芸当を見せた。


「この空間は、創成の間と言って、クリエイトマスターは、この下に部屋があるそうです」


「クリエイト、ね」


 なんとなく見えて来たわ。


「ベー様はクリエイトの意味がわかるのですか?」


「正しい意味は忘れたが、創造とか創成とか言った意味だったと思う。漫画や物を書くヤツはクリエイターとか言うから、カーレント嬢にはふさわしいかもな。詳しくはあいつに訊け。ある意味、あいつもクリエイトマスターだからな」


 ダンジョン製作を放棄したようなヤツだ。ダンジョンマスターよりクリエイトマスターのほうが似合ってんだろう。

 

「ちょっと興味が出て来た。カーレント嬢、いくぞ」


 ミミッチーの後を追って、ドーム状の建物に入った。


 ここで寝ている訳じゃなく、どうやら下へと続く通路のようだ。


 螺旋状になっているのか、右回りな感じで下へと向かっていた。


 下りること数百メートル。意外と深いなと思ってたら、突然、外に出た。


「いや、人工の空か」


 広さは野球場ほどで、ここもドーム状になっているようだ。


「こっち」


 ミミッチーが中心部にいて、翼でオレたちを招いている。この梟も器用な動きをするよな。


「ここは、ミニクリエイトルーム。新しいマスターの住み処。好きにクリエイトして」


 どう言う意味でしょうかとオレを見るカーレント嬢。いや、見る相手が違うわ。


「もう、カーレント嬢に権限は移ったってことか?」


「うん。ミミッチーが受け継いだ力強いを新しいマスターに渡した」


「なにを渡されたんだ?」


「これです」


 と、手の甲を出すカーレント嬢。オレには見えない紋章でも刻まれたのか?


「あ、指輪をいただきました」


 指輪? あ、ああ。してるな。なんか飛行石っぽいものが嵌め込まれた指輪を……。


「ミミッチー。これがクリエイトマスターの証しで、この空間を自由にできるってことか?」


「そんな感じ」


 なるほど。そう言うことか。


「ベー。あの説明でわかったのか? おれにはまったくわからんのだが?」


 まあ、これは前世の記憶があり、箱庭を知っているから理解できたようなもの。なかったら暴れているところだわ。


「口で説明するよりやってみたほうが早いだろう。カーレント嬢。まずは椅子を思い浮かべて、出ろと念じてみろ」


「椅子ですか? やってみます」


 エリナと付き合いがあるなら、なにもないところから物を出すところを見ているはずだ。それなら想像して創造できるはずだ。


「……椅子よ、出ろ!」


 と、さっき上で使っていた椅子と同じものが現れた。


「ど、どう言うことだ!?」


「つまり、この空間内ではカーレント嬢は神も同然。どんなものでも創造できて、目の前に出せるってことだ。まあ、どこまで創造できるかは知らんがよ」


 すべてを創造できる、ってことはねーはずだ。そんなこと、この世界の神(?)が許すはずがねー。許したらオレたちの能力に介入なんてしねーよ。あのカイナですら介入された感じがあるからな。


「……滅茶苦茶にもほどがあるだろうがよ……」


「だな。ここならなんでも創造し放題。食料でも金でもな」


 オレの言葉で滅茶苦茶度がさらに上がり、まるで心臓を握られたかのように苦しそうな顔になった。


「ここは奥の手。どうしようもなくなったら利用するつもりでいれはイイんだよ。それまでは表の力で乗りきればイイのさ」


 あるからと言って無理矢理使う必要もねー。それは無駄遣い。賢い領主なら賢く使え、だ。


「お前の欲のなさが羨ましいよ」


「オレの鞄には大き過ぎるだけさ」


 とかなんとか言っちゃって~。まさかそんな一度は言ってみたいセリフを口にするとは。なんかメッチャ恥ずかしぃ~!


「カーレント嬢。いろいろやってみろ。今日からここがカーレント嬢の新しい家になんだからよ」


「はい。よい家にします!」


 おう。ガンバレや。


 お友達とどんな家にするか楽しく相談しているのを見てると、オレも自分の住み処を整えたくなって来たぜ。しばらく活動を休みにしてオレも新しい家を整えるか。フフ。楽しみだぜ。


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