849 ダーティーなペア
風呂場で身をサッパリさせ、脱衣所的なところでコーヒー牛乳を出していっき飲み。ぷっはぁ~!
置いてあったバスタオルで体を拭いて服を着る。あ、バギー用に冒険者スタイルがよかったかな?
まあ、道を走るだけだし、このままでイイか。
バスタオルをカゴへと放り込み、玄関前へと向かった。ちなみにドレミとレイコさんは風呂場の外で待っててもらいました。
玄関の扉の前にいた侍従さんに開けてもらい、外に出ると、公爵どのとレディ・カレットがいた。
「ワリー。待たせたかい?」
「いや、ちょっと前に来たくらいだ」
貴族の服から革のズボンにカイナーズホームで買っただろうライダースジャケットっぽいものを着ていた。
レディ・カレットも公爵どのと同じものを着ていた。朝いなかったのってカイナーズホームに買いに行ってたからか?
「ああ。カレットに贈ろうと思ってな。おれに似て固っ苦しい服は苦手だからよ」
「ベー。似合う?」
エヘヘとニヤケながらクルッと回って見せた。
「似合う似合う。カッコイイじゃねーか」
西洋風の顔立ちで、元気な仕草から余計にその格好が様になるぜ。
「じゃあ、冒険家レディ・カレットの旅立ちを記念して、収納ポーチとナイフをやろう」
無限鞄からポーチが四つついたベルトと博士の店で買ったケースつきのナイフを出して渡した。
「……いいの……?」
オレと収納ポーチを見比べながら聞いてきた。
「世界をまたにかける冒険家と縁ができるなら全然惜しくはないさ」
赤毛のねーちゃんと一緒に世界を冒険して回るとか、なんかダーティー〇アっぽくて楽しそうだ。あ、カイナーズホームでビデオカメラ買ってオッサンたちに二人の勇姿を撮ってもらおう。
「ありがたくもらっておけ、カレット。礼なら冒険話でもしてやれば喜ぶからな、こいつは」
「ああ。全力全開、世界へ飛んでいけ」
あ、エリナに言って部下製作で録画できるヤツでも創ってもらうか? それイイな。今度話してみようっと。
「……変なこと考えてない……?」
いつの間にパ〇ルダーオンしていたメルヘンさん。三重結界で思考が漏れないようにしてるのになぜわかるんです? こっちはなに一つメルヘンを理解してないなのに。
「なんも考えてねーよ」
スルー拳五倍でサラッと思考を流して、無限鞄からバギーを出す。
オレ、公爵どの、レディ・カレットの三台。ミタさんは、自分のがあるのでいらないそうです。
「これがバギーか。これもおもしろそうだな」
「運転わかるか?」
車ってよりバイク寄りだからわからんか?
「いや、大丈夫だ。ミタレッティーにバイクの乗り方も教わったからな」
まったく、スーパーな公爵どのだ。サプルか!
「ミタさん。レディ・カレットに運転の仕方を教えてやってくれ。オレも初だから練習するからよ」
なんとなく運転の仕方はわかるが、乗るのは初めて。ちょっと練習せんと不安だわ。
「はい。畏まりました。カレット様。どれにしますか?」
「わたし、この赤いのがいいわ!」
「なら、おれはこの黒いのにするか」
ちなみに、どれも車種は違います。
「オレは青いのにするか。どこのだ?」
バイクは楽器じゃありませんってところか。いろいろ出してる会社だ。
バギーに跨がり、ささったキーを回してスターターを押す。
どるんとエンジンがかかり、アクセルをゆっくりふかしてみる。お、オートマだからスムーズだな。
プリッつあんが暴れた場所を走らせ、バギーの感じをみる。ハンドル切りが結構メンドクセーな。
でもまあ、おもしろいからイイや。
スピードを出したりS字で走ったりと、なんとなくバギーがわかってきた。
「ベーって安全運転よね。もっとスピード出しなさいよ」
崖から落ちるメルヘンの言葉に従いません。
「ベー! これおもしろいねー!」
なにかジャンプしたりドリフトを決めているレディ・カレット。凡人に構わないでください。
クソ! オレの周り天才多すぎだ!
「ベー! そろそろいこうぜ!」
こっちは、まだ慣れてきたところだよ。
「ああ。わかったよ。でも、ゆっくりいってくれよ。こっちは凡人なんだからよ!」
あんたら全力出したら追いつけないからね。
「大丈夫だ! 一本道だからよ!」
案内の意味ねーだろうが! と叫ぶ前にダーティーなペアが弾丸のようにいってしまった。
「ベー、負けるな!」
もう負けるよ。
「ベー様。あたしが案内しますのでついてきてください」
なんであんたが知ってんの? と疑問に思ったが、ミタさんがそう言うなら従うまで。安全運転で頼んます。
アクセルをふかし、ミタさんの後に続いて出発した。




