↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
村人転生~最強のスローライフ  作者: タカハシあん
十歳スタート

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

557/1859

557 有能なバーザ

 会長さんの店は今日も大繁盛だった。


 以前は店からお邪魔させてもらったが、仕事中に店から入るのはワリーと思い裏に回り、住宅の方からお邪魔します。


「これはベー様、よくお越しくださいました。どうぞ」


 偶然にも家令さんが出て来てくれ、中へと通してくれた。


「申し訳ありません。ただ今主は外出しておりまして、明日にならないと帰ってこないのです」


 応接室的なところに案内され、お茶を出しながら家令さんがそんなことを言った。


「そうかい。それは残念だ」


 まあ、天下の大商人様。オレの出会い運がイイとは言え、そんな日もあるだろうよ。それに、いたらラッキーな気持ちで来たまで。本来の目的は別にあるからな。


「ところで、ここにバーザと言うおっちゃんは来てるかい? 親父さ――ブラーニーからここにいると聞いたんだが?」


 アブリクト島を出る前に聞いたらそんなことを言われたのだ。


「来てはいませんが、バーザ様の住所はお伺いしております。向かわれますか?」


「ああ。行くよ」


 転職するとも聞いてある。なら、さっそくお持ち帰りさせてもらうさ。


 住所が書かれた羊皮紙を受け取るが、王都の土地勘なんてまるでゼロ。クラウニー通り四番地区十七と書かれていてもわかんねーよ。


「ワリー。誰か案内をつけてくれるかい?」


 知らねーもんは知らねーんだ、誰かに案内してもらうしかねーじゃんかよ。


「畏まりました」


 と言って部屋を出た家令さんが、なぜか会長さんの……娘さんを連れて来た。


「ザニーノよ」


「あ、うんうん。ザニーノのね。知ってる知ってる。オレはベーだよ」


 やっぱりな。オレもそんな名だと思ってたんだ。いや、ちょっとド忘れしただけ。ザさえ出たら直ぐに思い出したさ。


「ふふ。わたしもベーだと知ってるわよ」


 そ、それはなにより。覚えてもらってて光栄デス!


「つーか、ザニーノが案内してくれんのか?」


 なにも会長の娘自らそんなことせんでもイイだろうに。案内なら下男かでっちで充分だろうが。


「ええ。バジバドル商会の大切なお客様。蔑ろにはできないわ」


 別に、蔑ろにされたからってどうこう言うつもりはねーが、それを説明すんのもメンドクセー。好きにしろ、だ。


「んじゃ、頼むわ」


 と言うことでザニーノの案内でバーザさんのところに向かう。


「ところで、その子は?」


 しばらくしてザニーノがオレと手を繋ぐリアムのことを聞いてきた。


「こいつはリアム。さっきオレの妹になったやつだ」


「わたし妹。ベーと兄弟」


 多分、ザニーノを見て言ったところをみると、自己紹介をしたんだろう。いや、これは自慢、かな?


「そう。わたしはバーボンド・バジバドルの娘でザニーノ。よろしくね」


 なにやらすんなり受け入れたザニーノさん。まあ、どうせオレだからとか思ってんだろうよ。


「もう一つ、ところで、なんだけど、ベーから香ってくる匂いはなんなのかしら? 凄くいい香りなんだけど」


 やっぱ気になるか、この香りは。ほんの少量を使っただけなのによ。


「これは花人族からもらったフラワーエキスだよ」


「ふらわーえきす?」


 あ、前世の言葉で言っちまったわ。失敗失敗。


「まあ、香水だな。って、香水はわかるか?」


 オレは香水があるとは聞いたことはねーが、匂い袋の元は花の油だったり香木だったりする。なら、香水もあんだろう。


「ええ。知ってるわ。帝国の貴族が愛用してると聞いたことがあるわ」


「帝国に、ね~。それはまた発展してんな」


 まあ、大国でありこの世界で一番……かどうかは知らんが、この大陸では随一の文化を持つ国である。香水があっても不思議じゃねーか。


「香水を持っているベーの方が発展しているわよ。香水の製造法は秘匿されているのだからね」


「別にオレが考えた訳でもなけりゃオレが作った訳でもねー。花人にお願いしてもらったまでさ」


 謎の生命体の不思議能力。突っ込むのもメンドクセーわ。


「……ベーの顔の広さはどこまで広いのよ……」


 さーな。オレにも知らんよ。


「んじゃ、会長さんの顔の広さはどのくらいよ? 帝国――帝都にも広まってるかい?」


 浮遊石があることからして帝国に伝はあるんだろうが、どう言う伝かまではわからねー。もし、あるなら貸してくれや。


「取引はしてるから名はある程度知られてはいるでしょうけど、親しい人はいなかったと思うわ」


 そうなんか。それは残念。違う伝を探すか。


「帝国に行くの?」


「ああ。ちょっと用事があってな。夏に行こうかと計画してるよ」


 まだ行けたらイイな~、ぐらいの思いつき程度だが、まあ、行けるとは確信している。あとは、タイミングだな。


「もし、父が許してくれたのなら、わたしも連れてってくれないかしら? 帝都の文化を知っておきたいの。ダメ、かしら?」


「ん? 別に構わんよ。行くときは飛空船だし、一人二人増えたところで問題ねーしな」


 一応、輸送船を二隻は連れて行く。乗るところはいっぱいある。


「言っておいてなんだけど、大丈夫なの?」


「問題はねー。帝国の公爵さまが後ろに控えているし、ザニーノが一緒に来てくれるならいろいろ安心だ。商売のことは商売人に頼るのが一番だしな」


 オレはなんちゃって商人。帝国の海千山千の商人に太刀打ちできる訳もねー。ついて来てくれんなら万々歳だ。


 とまあ、そうこうしてたらバーザさんちに到着。したのだが、なにやら人がいっぱい。なんなの、これ?


 バーザさんちの前で戸惑っていたら、中からバーザさんが出て来た。


「ヴィベルファクフィニーさん、いらっしゃい」


「おう、バーザさん。来客中かい?」


 立て込んでるなら出直すが。


「はい。ですが、皆さん、ヴィベルファクフィニーさんのところで働きたいと言う方々です。勝手ながらわたしが独断で雇い入れました」


「そうかい。それは助かる。なら、全員を雇うよ」


 そう返したらバーザさんがびっくり。ふふ。オレを驚かせようとしただろうが、そんなことで我は揺るがん。


 って言うのはウソです。びっくりしました。バーザさん、マジ有能過ぎだわ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。