表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
村人転生~最強のスローライフ  作者: タカハシあん
十歳スタート

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

447/1852

447 ルンタくん

 時速にして約三十キロってところかな?


 目的地に向かって飛んでいるのだが、進みがやけに遅かった。


 飛空船には何度も乗ってはいるものの、飛空船の知識なでそんなになかったりする。


 まあ、まったくではねーし、飛空船の最大速度が約七、八十キロなのは知っている。


 公爵どののリオカッティー号は、最大が九十キロ。高圧縮噴射式航法では百五十キロは出せる。


 いやまあ、これは公爵どのの船だから可能であり、小人族の飛空船は、だいたい五十キロ。今の速度よりは確実に速いのは確かだ。


「随分ゆっくりなんだな?」


 疑問に思ったので操っているカブキねーちゃんに尋ねてみた。


「本来は数人で動かすものをあたいの力だけで動かしているからね。操船だけで精一杯さ」


 ふ~ん。そうなんだ。


「……そのわかったような顔しとるが、まったくわかってない上に関心なしってのがよくわかる顔さね……」


「そ、そうなのかい? ご隠居さん」


「最近、わかって来たよ。この珍生物の考えがな。まあ、本気で隠されたらわからんがな」


 さて。時間がかかりそうなのでマンダ〇タイムといきますか。


「あーコーヒーうめー!」


 この雄大な景色を見ながらの一服。たまんねーぜ。


「……もしかして、誤魔化してるつもりかい、あれ?」


「あれがベーの手さね。子供でもしないことを平気でして場をうやむやにする。呆れさせて問題をすり替える。今、お前さんが引っ掛かったようにのぉ」


 二人から向けられる視線に耐えながらコーヒーを飲む。


 まったく、これだから無駄に生きた年寄りは困る。無駄に生きた若僧に厳しいぜ……。


 若僧には若僧の意地があると、二人の視線など知らねーぜとコーヒーを堪能してると、視界に光の反射が入った。 


 ……やっと着いたか……。


 一服セットを片付け、船首へ向かう。


「カブキねーちゃん。オレが先に下りる。合図をするまで上空で待機しててくれ」


「いったいなんなんだい?」


「湖に住むヤツに断り入れんだよ。いきなりの訪問は失礼だからな」


 基本、湖の中にいるヤツで、結構臆病と来てる。こんなデカいもんを湖に入れたらびっくりして湖岸一帯ダメにされるわ。いろいろ貴重な植物が生えてんだからよ。


「……また珍生物かね?」


 まるで自分は違うとばかりの言いようじゃんか。オレから見たら珍外生物だからね、あなたたちって……。


「紹介するから待ってろ」


 言って飛空船から飛び下りた。


 結界の翼を張り、空中を滑空して湖の上に来たら結界を解除。湖へとダイブする。


 もちのろんで結界で体は包んでますので痛くも苦しくもなく、湖底へと沈んでいく。


 ここに住んでるヤツの力で水質は良好。透明度も高い。なので、結構先まで見ることができる。


 どこだと視線を辺りに飛ばすと、視界の隅に動くものを捉えた。


 その物体もこちらに気が付いたのか、青く光る目をこちらに向けた。


 青く光る目の向こうで細くて長いものが蠢き、辺りの水が動き、結界を揺るがせた。


 近付いて来るのを確認したので結界を操り、湖面へと上がる。


 湖面に立つように浮かんでしばらくすると、湖面が膨れ上がり、青く光る目を持つ者が現れた。


「ベー! 久しぶり!」


 と、なんとも嬉しそうに笑う(?)純白の大蛇が大声で叫んだ。


 ハイ、いろいろ突っ込みもございましょうが、ボクの話をお聞きくださいまし。


 この純白の大蛇は、水妖蛇のルンタくん。三歳。男の子だ。


 ルンタと出会ったのはルククがこの大陸に渡って来た時で、羽根を休ませる湖にいた。


 まあ、いたと言いましょうか、あったと言いましょうか、水草の上に大きな卵があったとさ。これ食えんじゃね? と持ち帰ったらルンタくん爆誕。なんか可愛いから飼っちゃえと思って一年が過ぎ、水飲み場で飼えなくなり、この湖にポ――じゃなくて、住み家をここに移したのだ。


 なにやら遠い世界から突っ込みを感じるが、我がスルー力の前には無駄無駄無駄。聞こえましぇ~んだ。


「おう、ルンタ。元気にしてたか?」


「うん。元気! でも、ベーが来てくれないから寂しかったよ」


 オレなど丸飲みできそうな口から赤い舌をニョロニョロさせるルンタくん。カワイイヤツよ。


「ワリーワリー。いろいろ忙しくてな。暑くなったら泊まりで来るからそんときいっぱい遊ぼうぜ。それまでは我慢してくれや」


「うん。待ってる~」


 海でのバカンス。湖でのキャンプ。今生は楽しいことがいっぱいだぜ!


「それで、今日はどうしたの?」


「いや、実はな、あれを湖に下ろしたいんだが、イイか?」


 空に浮かぶ飛空船を指差した。


「なにあれ? 浮かんでる~」


「飛空船ってな、人が乗るものだ。お前に悪戯したりしないから下ろしてもイイよな?」


 この図体して、灰色熊にも怯える子なんです。


「いいよ。ベーがそう言うんなら」


「ありがとよ、ルンタ」


 結界を操り、ルンタの頭の上に乗る。


「オレの新しい友達を紹介するよ」


 臆病なルンタくんではあるが、オレが紹介した者は怖がらないのだ。


 インプリンティング。つまり、刷り込み。ファンタジーな生き物にもあんだな。


 おや。また別の世界から突っ込みが聞こえるぞ。だが、そんなもん、右から左へとスルっとスルーです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ