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村人転生~最強のスローライフ  作者: タカハシあん
十歳スタート

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302/1852

302 前言撤回

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。


 石炭。


 前世なら火力発電の燃料となり、見つかれば重要な産業ともなるだろう。だが、この世界(時代)にゃ火力発電なんてあるわけねーからそれほど重要視されてはいない。


 しかし、だ。このファンタジーな世界の石炭はちょっと、かどうかは知らんが、石炭に魔力が含まれており、それを燃やして鉄を錬成するとあら不思議。鉄に魔力が移り、魔力伝導がよくなるのだ。


 まあ、その辺は鍛治屋の腕といろいろな技術を必要とするが、鉄を主産業としているこの国には重要なものだ。


 他にも燃料だったり暖房用だったりと、派手ではないがいろいろなところで使われてたりもする。


 しかも、この国で石炭は採れないので輸入となるのだが、今の段階で石炭が採れる国は帝国領。それもこの国から離れた場所で採れるよーだ。


 その辺の事情は詳しくはないが、バリアルの街で石炭が一樽で銀貨十七枚で売ってたよ。


「随分と勉強してきたんだな」


「それしかないのでな」


 できる王弟どの。国の現状が透けて見えるな。危ない方向によ。


「しかし、ただの村人に厄介なもの出してくんな。石炭なんて国同士の商売じゃねーかよ」


 それほどでなくても鉄を精製するときには火を使う。薪なんて──あ、だからか。こんな無法に近い時代になぜ薪に走らなかったのか謎だったが、人外のお陰か。納得だわ。


「ただの村人かどうかはともかく、カムラの隊商の間では小賢者ベーの名は有名だ。知り合いの商人、ザーネルの言葉を借りるなら『誠意を持って相手すれば魔王を味方にするより心強い』だ、そうだ」


 ザーネル? ザーネル。ザー……あ、あの美人さんか。うん。あれは見事なお──どこからか殺気が! オホン。まあ、迫力のある年齢不詳の美人さんで、カムラ王国で一、二を争う商会の娘とかなんとか言ってたよーな。あの美しいフォルムしか鮮明に覚えてねーです。


「あのねーちゃんな。だったら一緒に来たらよかったじゃねーか?」


 隊商の代表として毎年くる。なにもずらしてくることねーじゃんか。一緒にきた方が話が通りやすいだろうによ。


「すまない。一刻も早くきたかったのだ……」


 なにかを堪えるように頭を下げた。心中察します、だな。


「まあ、代金はそれでイイ。ただ、石炭となるとさすがにオレの手には余るもんだ。それ専門に託さしてもらうが構わんか?」


 困ったときの会長さん。出番ですよ~! だねっ。


 まあ、実際問題頼めるのは会長さんしかいねーしな、サクッとマルッとお任せしますだ。


「構わない。それどころか紹介してもらえるなら更に助かる」


「……なるほど。あのねーちゃんの考えだな」


 アニバリの表情が崩れたことで確信する。このシナリオを書いたのはあの女狐だとな……。


 ったく。きたら二割高にしてやっからな。


 こちらは結界術で六台の荷車で済むが、石炭は少なくても二十台は越えるだろう。しかも貿易ともなれば荷車は膨大なものになり、それを仲介する者は莫大な利益を生むことだろうよ。さすが過ぎて鼻血も出ねーよ。


「……本当に見透かすのだな……」


「そのくらい見抜けなくちゃ海千山千の商人なんて相手できねーよ。ケツの毛までむしられっちまうよ」


 ましてやカムラの商売人はえげつないくらい商売上手。それで国が存続してるって話だからな(旅の行商人談)。


「さすがあの女傑が一目置くだけはある。見習わんとな」


 どっちを、とは聞かん。どちらも見本にしたらダメなヤツだからな。


「食料は五日待て。量が量だけに直ぐには用意できねーよ」


 さすがにすぐに用意しろとは言えねーよ。会長さんの血管ぶち切れるわ。まあ、お任せするオレのセリフじゃねーがな。


「あ、そうだ。誰か一人、王都に人を出せ。住む場所は用意してやっからよ」


 窓口は必要だし、契約不履行されてもたまらんからな、人質だ。


「わかった。レリーナ」


 と、やや離れた場所に立っていた、薄汚れたねーちゃん(十六、七、だと思う)がこちらにきた。


「わたしの娘を出す。もしものときは好きにしてくれ」


 ……また、あのねーちゃん差し金だな……。


 オレを引き込むためにあれやこれやとやってきたが、今回は色仕掛けできやがったよ。ったく。五割増しにしてやんぞ、ゴラァ!


「……ま、まあ、そちらがそれでイイのならこちらに否はねーよ……」


 まあ、それも会長さんお願いねっ⭐ だ。オレには関係ねーさ。たぶん。きっと。そう願います……。


「じゃあ、五日の間は好きにしてな」


 と立ち上がったところで重要なことを思い出した。


「あー、前言撤回。あんたらには重要なことをしてもらう」


 マジな顔でアニバリらを見る。


「テメーら、風呂に入りやがれ!」


 まずこいつらを洗浄しねーとサプルにこの一帯業火で焼き尽くされっちまうわ!

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