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村人転生~最強のスローライフ  作者: タカハシあん
聖国編

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1780/1815

1780 弔い

 最初の村に現れた。


「ここが最初の村だな。賊の死体は片付けてある。一回りしてみるかい?」


「はい。様子も伝えたいので」


 ごもっともなので騎士さんの自由にさせた。

 

 改めて見ると、よくこんな寂れたところで生きていたよな。人の往来もないのによ。


「そういや、バイブラストへと続く道はここだけなんか?」


「高い山もないですし、他にもあるのではないですか? ここだけならもっと発展しているでしょうし」


 確かに高い山はなかった。それなら別ルートがあっても不思議ではないな。


「オレも村を見て回ることにするか」


 お宝なんぞないだろうが、どんな生活をしていたかは気になる。なに食ってたんだ?


 適当な朽ちた家に入ると、なんかスエた臭いが充満していた。


「ベー、臭い」


 それだとオレが臭いみたいだろうが。なにが臭いかちゃんと言ってくださいませ。


 仕方がないので結界で臭いを浄化させた。


「よくこんなところで生きていたものだ」


 オレも貧しい時期を乗り越えてきたが、さすがにここまで貧しくはなかった。別に飢饉とかじゃないんだがな。農業を知らんヤツらだったのか?


 畑とかは荒れてはいるが、そこまで悪い土とは思えない。耕したら芋の一つでも育てられんだろうがよ。


 結界で雑草を排除し、土魔法で耕した。


「やっぱ悪くはねーよな」


 ケルクの村は豊作だった。飢えに苦しんで、とかじゃないと悪い想像しか湧いて来んな。止めてくれよ。オレは亀を探しに来ただけなんだからよ。


「ベー様。よろしいでしょうか?」


 嫌な想像に囚われていたら騎士さんが戻って来た。


「ああ。なんかあったかい?」


「村の奧に炭焼小屋があったのですが、人の骨が積まれていました。どうも魔物に食われた形跡がありました」


「相当な量かい?」


「はい。軽く五百はあるかと」


 ゆるやかなスローライフにいらないダークさだな。


「シュンパネだ。準備が整ったら来てくれや。来るまで片付けておくからよ」


 騎士さんにシュンパネの束を渡した。エリナがいるとたくさん作れるからイイよな。てか、クリエイトルームで創るんだったわ。


「はい。ベー様はこの村に滞在なさるのですか?」


「うーん、そうだな。辛気クセーから村を均すから明日の夕方には仲間のところに一旦戻るかも」


「わかりました。では、失礼します──」


 シュンパネを使って帰って行った。


「さて。弔いをしてやるか」


 ここにいたヤツらも神など信じてなかっただろうが、せめてもの情けで慰めだ。オレが弔いをしてやろう。


 木を集めて水分を抜き、二メートルくらい組んだら火を放った。


 カイナーズホームで買った日本酒を地面に撒き、黙祷した。


「よき来世でありますように」


 祈りはしない。オレが神らしき存在に送られた言葉で弔いをした。

今年もありがとうございました。よいお年を。

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