1775 市に参加
いろいろ聞き回ると、村の市にそこまで決まりはないそうだ。
空いていたら使ったらイイし、場所代も取られない。まあ、余所者なら他の屋台に挨拶して、なにか渡せばイイとのことだった。
オレたちは旅の薬師として、この地には素材集めに来たってことを説明した。
村にも薬師がいるってことで、年長に見えるマルゲリータさんに挨拶しに行ってもらい、オレらは市の屋台を挨拶回り。お近づきの印に手荒れ用の軟膏をプレゼントした。
「他にもあるんで見に来てくれや」
委員長さんやチビッ子さんにもやらせているので挨拶回りはすぐに終了。空いている一角に御座を敷いて薬を並べた。
まずはよくある熱冷ましや痛み止め、軟膏類を並べた。あと、回復薬もちょっとイイ瓶に入れて後ろに置いておく。
まあ、そんなにすぐ来るとも思わないので、大図書館で飲まれていた麦茶を淹れるとする。
ちなみにルヴィは小さくなったミノ子さんに預けています。エリナは知らん。あれの行方など興味もないわ。誰にも迷惑をかけないところで閉じ籠っていろ、だ。
「饅頭が旨い」
「商売する気あるの? わたしも食べる」
「じゃあ、あたしも」
結局食うんかい。まあ、たくさん買ってあるから構わんがよ。
「お客、来るかな?」
「来たら来たでイイし、来なけりゃ来ないで構わねーさ。この村の様子を見れるだけでためになっからな」
聖国の村を知っているヤツは帝国にも少ない。見習いどもに資料として残してもらえたらありがたい限りだ。
「小まめに書いておけよ。あと、写真にも残しておけな」
「たまにはあんたもやりなさいよ!」
「それが嫌だから叡知の魔女さんと取引したんだろうが。文句があるならオレから言ってやろうか?」
見習いには言えんだろうからな。
「止めてよ! 怒られるじゃない!」
「じゃあ、ガンバレ」
逆らえないって大変だな。まあ、オレも叡知の魔女さんに逆らうとかしたくないがな。怖いし。
「あ、あの! お母さんが病気なんです! 薬をください!」
のんびりお茶をしていたら七、八歳くらいの女の子が現れた。
見た目からして貧乏なのはわかる。靴も履けず裸足だ。普通なら追い返すところだが、こういうのはオレにとってまたとないチャンス。村を攻略するにはまず弱いところからってのがセオリーだからだ。
「姉じゃ、行くぞ」
「あ、姉じゃ? わたし!?」
見た目的にオレが一番幼く見える。委員長さん、チビッ子さん、オレで姉弟とする。似てないのは拾われた子だからだ。
「お姉は、ここに残っててくれ。先生と続けてくれ」
もちろん、先生とはマルゲリータさんのことね。
鞄を持ち、委員長さんの腕をつかんだ。
「さあ、あんたの家に案内してくれ」




