1763 朝風呂
なんかポシェットがいたく気に入ったようだ。
「そんなに嬉しいものか?」
プリッつあんは……どうだった? ごめん。まったく興味がなかったか記憶にないわ。
「またドロップキックされますよ」
最近見てないので怖くはありません。オレの見えないところで自由に生きてくださいませ~。
「嬉しいわ。自分のものって持ったことないから」
まあ、野生のメルヘンだしな。葉っぱを合わせた服とか着てたし。
「菓子でも買いに行くか」
てか、もう朝になりそうな時間だよな。徹夜とか……よくやったりするな。集中すると時間とか忘れるタイプだし。
「車はいいんですか?」
「あーそうだったな。まあ、また今度にするよ」
聖国で使えるかわからんしな。必要なら結界に乗ればイイさ。
一階に降りて食品コーナーでみっちょん用の菓子を買うとする。
「なんか損している気分だよな」
正当……かもしれない値段で買い、みっちょんサイズに小さくする。複雑で仕方がないよ。
それでもみっちょんが選んだものを小さくし、みっちょんがポシェットに詰めていった。
「あ、入らなくなっちゃった」
そりゃ百万円も使えばな。カート十台は余裕で買ったぞ。まあ、オレもコーヒーに合いそう菓子をたくさん買ったがよ。
「オレの無限鞄に入れておくよ。足りなくなったら言え」
カイナーズホームになんていつでも来れる。また買いに来たらイイだけだ。
平和なうちにカイナーズホームをあとにする。また変なのを買わされたら堪らんからな。
倉庫の前に現れると、陽が顔を出そうとしていた。
「本当に徹夜しちまったな」
眠くはあるが、倒れるほどではない。風呂に入って温まったら昼まで眠るとするか。薬はまだまだ欲しいからよ。
「女湯もお願いね。どうせ見習いの子たちも入りたがると思うし」
メンドクセーとは思うも、上がったときに言われるくらいなら先に創っておいたほうがイイやろ。
どこに創ってイイのかわからんので、倉庫の屋根に創るとするか。
あらよっ、そらよっ、どっこいしょー! で、倉庫の屋根に結界で風呂を創らせていただきました。お疲れ様です!
土魔法で階段を創り、外から入れるようにした。
「うん。眺めはそれほどでもねーな」
田舎の風景が広がるだけ。まあ、覗かれる必要もないってことだ。
……覗きに来たヤツの未来はないだろうがな……。
お湯は循環式にして結界で濾過したら永遠に──ってことは無理なので雨水を利用したらいっか。
凝り性なところが出てしまい、完成した頃には見習いが起きて来てしまった。
「なぜオレは樽湯に入ってんだろうな?」
倉庫の陰で樽湯に浸かるオレ。どんな流れがあったかはご想像にお任せ致します。
「いいじゃないですか。これもまた乙なものですよ」
幽霊に慰められるオレ。なにが乙なのかまったくわからんよ。




