1762 みっちょんのポシェット
「ホームランバー、ウメ~」
懐かしい味が前世の記憶を強く思い出させる。転生ってのは不思議なものだ。
ベストのポケットにもホームランバーを入れておくか。あ、ちゃんと会計は済ませてますから。
「ベー。わたしも入れたい」
「珍しいな。いつもオレから奪うのに」
「人聞き悪いわね。わけてもらっているだけよ。それより、わたしもお菓子が詰まったポケットが欲しいわ」
「みっちょんのサイズならポケットよりポシェットがイイんじゃね? 小さいのなら入んだろう」
駄菓子とかミニアイスなら入んだろうよ。
「なんなら無限鞄でも創るか?」
まだクリエイトルームで創れんだろうよ。
「ベーに使われる未来しか見えないから遠慮するわ。ポシェットにして」
クソ。勘のイイメルヘンだぜ。
「じゃあ、オモチャコーナーにでも行ってみっか」
「普通の鞄を小さくすればよろしいのでは? オモチャでもミッシェルさんの体に合うとも限りませんし」
それもそうだな。オレも手頃な鞄が欲しかったし、鞄コーナーにでも行ってみるか。てか、鞄はどこで売ってんだ?
タイミングよく狼な獣人の店員がいたので鞄コーナーに案内してもらった。
「カイナーズホームに三階ってあったんだ」
「はい。二階が手狭になったので」
そりゃ、戦車や戦闘機を実寸大で売ってたらな! ホームセンターで扱うもんじゃねーんだよ! クソが!
「あちらです」
相変わらず広いコーナーであり、いったい誰が買うんだってくらい品数が豊富だった。
「みっちょん。二手に別れてレジで合流しようや」
「オッケー」
パ○ルダーオフして鞄コーナーに消えて行った。ちゃんと帰って来いよ。
オレも鞄コーナーに突入して、琴線に触れたものをカートに放り込んで行った。
そんなことやっていればすぐにカートは一杯となり、レジに向かった──ら、みっちょんがいた。早いな!
「ベー。これにする!」
なんか猫の顔っぽいポシェットを掲げるみっちょん。そんなに気に入ったんかい?
「一つでイイのか?」
「一つで充分でしょう」
まあ、そりゃそうか。オレも一つだけしか提げてなかったし。
「これ、頼むわ。カードから引いといてくれ」
そのカード、誰が持っているか記憶にもないがよ。
レジで会計を済ませたらみっちょんのサイズにポシェットを合わせてやった。
「こうして見ると、ポシェットちっせーな」
幅、二センチもないじゃね? これでなにを入れられんだ?
「わたしのサイズに小さくしてくれたらいいわ」
その身にブラックホールを宿してんだから小さくしてたらカイナーズホーム買い占めんといかんやろがい。
「大丈夫よ。ポシェットは一人のときに使うから。他はベーからわけてもらうわ」
結局オレから奪うんかい! メルヘンは山賊よりヒデーぜ。
「その山賊がいたら根こそぎ奪うんでしょう、ベー様は」
かの有名な竜をスレイヤーする人は言いました。山賊はサイフだってな。目の前に現れたら引き出すに決まってんじゃん。




