1755 黄金世代(笑)
必要な材料をいただいたら作業場へと案内してもらった。
魔女見習い、それも一桁代の子供が薬を煎じていた。授業だったかな?
「次世代が少ねーな。大図書館、大丈夫なのか?」
委員長さんの代も少ないと思ったが、その下はさらに少ないようだ。十人もいないよ。
「大丈夫なように動いているところさ。お前さんと知り合ってから各地に飛んでいるからね。三十人は大図書館に迎え入れることができたよ」
「誘拐じゃねーだろうな?」
それはちょっといただけないぞ。
「そんなことはしないさ。わたしらは奴隷を集めているわけじゃないんだからね。貧しくとも学びたい、生きたいと思う者を集めておるよ」
見習いを見ているとそう思えないのはオレに見る目がないからか?
「まあ、たまに困った者たちが集ってしまう代はあるものさ。お前さんに預けた十人は百年に一人の逸材だ」
黄金世代みたいに言ってはいるが、百年に一人が十人もいたら逸材じゃねーよ! 十年に一人くらいの逸材になっちゃっているよ!
「ま、まあ、鍛え甲斐があるのは間違いねーけどな。あれらは鍛えたら叡知の魔女さんくらいにはなんだろうよ」
才能があるのは認めるが、どいつもキャラが濃くない。
「ベーからしたら誰でも薄いに決まっているじゃない」
メルヘンはシャラップだ!
「もっとはっちゃけてたら百年どころか千年に一人になるんだがな」
「そんな見習いを面倒見るこちらの身にもなって欲しいものだ。先達の魔女は苦労してたからね……」
うん。オババのことだよね。どんだけはっちゃけてんだか。そこんとこ詳しく!
「それはバイオレッタ様から聞いておくれ。わたしらの代は苦労している先達しか見てないからね」
ほんと、オババはどんだけはっちゃけていたんだか。転生者の中にタイムトラベラー的な力はもらってないかね?
「普通が一番だよ。有力な見習いはお前さんにお任せだ。館長はいい判断をしたもんだよ。ふふ」
黄金世代と書いて問題児と読むみたいなこというなや。まあ、イイように使っているから気にはしないがな。イイ駒で助かる。
「大図書館は転換期を迎えていた。だが、館長にも変えることはできず、日々だけが過ぎていたよ」
「そこでオレに白羽の矢を立てたわけか」
そういや、舞絵に矢文を送ってきた腐嬢がいたっけ。
「白羽の矢がなんなのかは知らんが、お前さんに託したのは間違いないよ。わたしらではどうにもできなかった壁なんだからね」
「ベー様は平気で常識を壊しますからね」
幽霊子さんも黙りなさいよ。
「ああ。お前さんは千年に一人の逸材だよ」




