1753 薬物管理局
「薬の材料くれや」
「それなら薬物管理局から好きなだけ持って行け」
そんなものあったんだ。前に来たときは……なんだっけ? 名前、違ったよね?
「新しく創設したのだ。そなたが新しい材料を示すからな」
それ、オレのせいじゃないよね。大図書館が開拓して来なかったのが悪いだけじゃん。
「フュワール・レワロから集めたものもあるのかい?」
「ああ。ただ、竜の心臓はないからな」
「それは残念。エルクセプルを作りたかったんだがな」
「大図書館に竜を狩れるものがおらんのでな」
X5を倒せるようなのは叡知の魔女さんくらいだろう。戦闘できるような魔女は見て取れなかったからな。ララちゃんなら行けるか? 将来の殲滅の魔女だしな。
「戦って歌える魔女も育てろよ」
「なぜ歌えるように育てねばならん?」
「魔女の地位向上のためだよ。魔女を知らないヤツに魔女なんていい思いなんて浮かべられねーんだ。身近なものとして歌の一つでも覚えさせろ。いつまでも隠せる存在でなければ印象操作はしておいたほうがイイ。魔女を身近なものにして本当に隠したいことは裏に隠しておいたほうがイイぜ」
「……考えておく……」
「先手先手で動くことだ。時代が動くときは目まぐるしく動くもんだぜ」
「今それを痛感させられておるよ。人が足りん。時間が足りん。対応ができん。頭が痛いことだ」
最後は役所が足りんだろう。できんじゃ語呂が悪いぞ。
「薬物管理局は創れたんだな」
「急務だったからな。とは言え、まだ仮だ。敷地外にある倉庫を利用しておる」
大図書館の外、ってことで、委員長さんに案内してもらう。
広大な敷地なので出るまで二キロくらい歩いてしまった。聖国に行く前にカイナーズホームで車を買うとしよう。ゼロワン改、どこに置いて来たか忘れたよ。
大図書館(森)から抜け、また二キロくらい歩くと、倉庫が並ぶところに到着した。
「元々なんだったんだ?」
「備蓄庫よ。帝都周りにはよくあるわ」
帝国はやっぱスゲーわ。この大陸で覇を唱えられるだけはあるぜ。
「結界が施されているそうだから正面から入るわよ」
正面ってどこよ? と思ったら農婦らしき女がオレたちに気がついてこちらにやって来た。
「館長のお客様かい?」
「は、はい! 見習いのリンベルクです! こちらはバイオレッタ様の弟子です!」
バイオレッタ?
「オババさんの名前ですよ」
あーオババな。そんな名前……だったっけ? 三歩歩いたら忘れそうだ。
「バイオレッタ様とは懐かしいね。また会いたいものだ」
「かなり偉い人だったりする?」
「大図書館の副館長様よ!」
へー。副館長なんてものまでいたんだ。




