1751 魔女マリゲータ
「それなら案内人をつけよう。何度か行ったことがある者だ」
どこからか出した呼び鈴を鳴らした。
しばらくして……も来ないね。不発だった?
「あのバカは!」
叡知の魔女さんが部屋を飛び出して行き、三十分くらいして戻って来た。なんかどこぞのダンジョンマスターのような腐王のようなヤツを連れて。
「火炙りにしたほうがイイんじゃね? 世のため人のために」
腐界は焼き払わないといかん。浄化のために。
「酷っ! 魔女にも人権はありまする!」
なんかノリまで似ていやがる。生き別れの姉妹か?
「マリゲータだ」
ピザの一種かな? なんかピザが食いたくなる名前だ。帝都ならピザを出す店とかあるんじゃね?
「それを連れて行けと?」
「そうだ。五年くらい暮らしていたから聖国のことはわかるだろう」
「チェンジで」
「却下だ」
チェンジとか知らないのにノータイムで却下とか、叡知の魔女は伊達じゃない……。
「オレの身は安全なんだろうな? 精神的にもだ」
「安心しろ。なんかするなら殴って構わぬ。こやつは丈夫だから」
扱いが雑すぎてさらに不安になるんだけど!
「この自称村人と一緒に聖国へ向え。案内してやれ」
「嫌なんですけど」
「却下だ」
叡知の魔女さんに異を唱えるものの、ノータイムで却下された。てか、叡知の魔女さんに異を唱えられるとかスゲーな。そんな魔女がいることにびっくらポン。
「行け。これは命令だ」
「…………」
叡知の魔女さんに睨まれて青くなるマルゲリータ。
「マリゲータさんですよ」
幽霊子状態なのに突っ込んでくる。オレの思考、筒抜け!?
「いや、ベー様の思考なら別の名前で言ってそうな顔をしていたので」
やん! 心だけじゃなく表情からもバレてるぅん~!
「やっと帰って来たのにあんまりです! 別の者を行かせてください!」
なんだ? 聖国って行きたくないところなのか?
「お主が適任だから命令をしている。あと、自称村人と向かうとよいことがあるぞ」
「マイロード。これを」
ドレミが現れてスマッグを差し出した。あ、あったね、こんなの。思いっきり存在を忘れていたよ。
「エリナか?」
「はい。創造主様です」
やっぱり。連絡してくんのなんて腐王くらいなものだ。
スマッグを受け取り、通話に出た。
「拙者も行くでござる。なかなか同じ臭いがする故。あ、そのスマッグをマリゲータ殿にお渡しくだされ」
「マルゲリータ。これを。同類からだ」
「マリゲータです!」
知らねーよとスマッグを渡した。あとは知らん。
我、無関心なりとコーヒーを飲んだ。あーコーヒーウメー。
「なんと、エリナ殿のようなお方がいるとは。生きていてよかったでござる!」
もう侵食が始まってるよ。あー嫌だ嫌だ。どこかに腐臭を浄化してくれるスプレーとかないかね?




