1748 マルゲラ(亀)
「どこに消えてんのよ!」
農作業をしていたら委員長さんが現れた。
「なんだい、いったい?」
「なんだい、じゃないわよ! ロミナたちを放置してなにしてんのよ!」
「農作業? ──あっぶねっ!」
容赦のない蹴りが襲って来た。そんな一撃、どこでマスターしてきたのよ!?
「プリッシュ直伝よ」
あのメルヘンはなんてことしてくれてんだ! オレの側にいたほうが安全だったんじゃねーか?!
「足癖ワリーな。魔女なら魔法を打って来いよ。矜持はねーのか?」
「わたしは攻撃魔法は得意じゃないのよ!」
あ、そういや、回復魔法を使うんだったっけね、あなた。回復されることないから忘れてたわ。
「で、なんだい?」
「それはこっちのセリフよ! 二人を放置してんじゃないわよ!」
まったく、ヒステリックだな、委員長さんは。もっと心に余裕を持たせないと老けるぞ。あ、魔女だから老けんか。
「──危なっ!」
ほんと、暴力系ヒロインは流行らんよ。いや、あなたヒロインじゃないけどさ。
「暴力反対!」
「暴力で解決しているほうが多いベー様が言っても説得力ありませんよ」
レイコさんなユウコさんは黙って。あ、霊子な幽子はメンドーだから辞めました。ごめんなさい!
「ったく。用があって、いや、ちょうどよかった。聞きたいことがあったんだわ。ミタさん! オレ、もう行くわ。またな」
委員長さんが来たならちょうどイイ。マルゲラ(亀)のことを尋ねるとしよう。
「あまり世界を壊すようなことをしないでくださいね」
「オレは魔王か。いつだって平和に解決してただろうが」
オレ以外が世界観を怖そうしてんだよ。
委員長さんの首根っこをつかみ、転移結界門を展開。大図書館に設置した転移結界門に繋いだ。転移バッチだと飛んで行けなさそうだからな。
扉を開いて門を潜ると、叡知の魔女さんが仕事をしていた。
「突然お邪魔してジャジャジャジャーン。叡知の魔女さんお久しぶりです!」
流れるように土下座した。いや、あなたのその魔法、X5を一瞬にして消滅させたんだからさ!
「正面から入って来ることを知らんのか?」
「ハイ、知らないで育ちました。学のない卑しい村人なので」
ついでに命の危機を乗り越えるためならプライドも捨てましょう。許してチョンマゲ~。
「ハァー。もうよい。なんなのだ?」
許してもらえたのでソファーに座り、コーヒーと茶菓子を出した。秘書とかいないの? 客が来たらお茶出しなさいよ。
叡知の魔女さんも机からソファーに移り、オレが出したコーヒーに口をつけた。お、コーヒー飲める口?
「マルゲラって亀、知ってる? 魔大陸で飼おうと思うんだよね。どこにいるか教えてくださいませ!」
誠心誠意、お願いした。叡知の魔女さん、おっかないんで。




