1742 巨人門
伸縮トンネルと転移結界門を合わせた……なんだ? イイ名称が思いつかんわ。メンドクセーから巨人門に決定です。
「ふー。結構精神力を持っていかれたな」
結界使用力はアップしているんだろうが、大きいことをすると精神力をごっそり持って行かれる。エネルギー消費的にチートじゃないんだよな、結界って。
「一仕事の後のコーヒーはウメー」
でも、ちょっと甘いものが欲しいな。なんかあったっけ? お、羊羹があった。羊羹には緑茶を合わせるか。
「羊羹もいいわね」
だからオレの頭の上で飲食しないでくださいよ。
「ユウコさんを連れて来るんでした。わたしも食べたかったです」
ユウコ? 誰だっけ?
「わたしの肉体です」
あ、レイコさんのユウコさんか。すっかり忘れてたわ。
「どこに置いて来たっけ?」
「マイルカの町ですよ。わたしたちを捜しに町を出てなければ、ですけど」
「まあ、そんときはそんとき。強く生きろ、だ」
別れなんて突然。再会は不意に。一瞬一瞬を生きろだ。
「ちょっと行ってみるか」
オレの出会い運なら行ける。転移バッチ発動! で、マイルカの町に飛んだ。
「復興が進んでんな」
それだけ長いこと離れていたってことだ。時が過ぎるのは早いよね。
「あ、ベー様。いましたよ」
久しぶりに見るユウコさん。なんかエンジョイしてそうな顔だな。
「おーい、ユウコさぁ~ん」
声をかけながらユウコさんのところに駆け寄った。オレのこと覚えてる~?
「み、皆さん、帰って来たんですか!?」
「おう。また行くからユウコさんを連れに来た。レイコさん」
「はい──」
パイルダー憑依。表情が変化した。
「うん。やっぱり定期的に憑依しないとダメですね」
「レイコさんったらおっちょこちょ~い」
「ベー様もじゃないですか~」
「「アハハ」」
「……あなたたち、いいコンビよね……」
うん。君も混ぜたらトリオだから。
「んじゃ、戻るぞ~」
再度、転移バッチを発動。砂浜でお茶の続きを再会させた。
「羊羹、美味しいですね! 緑茶がいいんですか?」
「それは好みだ。牛乳を合わせるヤツもいるからな」
オレは羊羹なら緑茶だな。コーヒーにはちょっと合わん。
「そう言えば、魔女さんはどうしたんでしょうかね?」
「好き勝手やってんじゃね?」
ロクセラ・ワイバーンの心臓を預けた時点でオレのミッションはコンプリート。大図書館の思惑など知ったこっちゃない。なるようになるまで羊羹でも食ってましょう、だ。
「老師!」
なんて待とうとすると自体が動き出す。まったく、困ったもんだよ。
「話は纏まったかの?」
「はい。八割は移住を承諾してくれました」
「二割は残るか」
「……はい……」
「まあ、そんなものじゃ。その選択を尊重してやればよいさ」
死ぬ自由は誰にも邪魔されてイイもんじゃないしな。




