1740 魔女ルーム
「うーん。エルクセプルが十を切ってしまったか~」
すべての巨人を風呂に入れたらエルクセプルの消費がエゲつない。竜一匹で二百くらいしか作れないのが悲しいところだ。
「犠牲になる竜は堪ったもんじゃないでしょうけどね。ロクセラで作ってみてはどうです? あれなら二十くらいは作れるのでは?」
「うーん。ワイバーンは竜モドキだからな~」
もちろん、ワイバーンの心臓でも薬が作れないか試したことはある。前に言った高級回復薬としかならなかった。
でもまあ、心臓は取り出したし、大図書館に渡して作らせてみるか。
「自分ではやらないので?」
「手間だから作らせる」
腕が鈍らないように自分でもやるが、大量だと作らせたほうが早い。大図書館は人が潤沢だからな。クク。
「魔女さんに恨まれますよ」
「人の恨みが怖くて生きてられるか」
別に大切なものを奪うわけじゃない。大図書館の利となることをお譲りしているにすぎないのだ。仕事を増やした恨みならいくらでも受けてやるよ。
転移結界門、オープン!
ハブルームに繋いだ。
扉を開いたらなんか見知らぬ空間になっていた。あれ? 間違えたか?
「いや、魔女がいるから間違ってはねーか」
なんか前に見た魔女たちがいる。ハブルームであることは間違いない。
「なんだ、この変わり様は? 模様替えか?」
「そうです。殺風景だったので。不愉快でしたか?」
「いや、好きにしたらイイさ。丸な──ここをお願いしてんだからな」
「丸投げと言いかけましたね」
黙っててください。魔女とはイイ関係でいたいんですから。
「それで、どうかしましたか?」
「新たなフュワール・レワロでワイバーンの新種を見つけた。大量に心臓を手に入れたから薬を作ってくれや。あと、エルクセプルのあまりがあったらもらえるかい? 巨人で効果を試して残り僅かなんだよな」
って言ったら苦い顔された。なによ?
「……今いる見習いは誰でしょうか?」
「メガネさんとモブ子だな」
「ロミナさんとシーホーさんです」
うんうん。そんな名前だったと思います。
「しょ、少々お待ちを。話をつけてきますので」
代表らしき魔女さんが大図書館と繋がる扉を開けた。決定権持ってないのか?
仕方がないのでコーヒーを飲みながら待っていると、幸薄そうな魔女さんが現れた。あーなんだっけ?
「魔法庁所属調査部補佐長イガリ・ロンガルです」*1318話振りやね。
「なんか益々幸薄さが増してね?」
大丈夫か? 幸運グッズ、プレゼントしようか?
「誰のせいですか?」
「上司の責任だろう」
大図書館の館長であり叡知の魔女でもある上司の采配が悪いだけです。オレのせいじゃないもーん。
「クッ。それで、新たなフュワール・レワロを見つけたとか?」
「ああ。ワイバーンの新種の心臓で薬を作ってくれや」
てか、なんでこの魔女さんを連れて来たん?




