1739 解決法
「……あ、ありがとうございます……」
素直に受け入れられるところもこいつのイイところだよな。周りがこいつを助けようと思う理由でもある。
「礼などいらん。それはお前さんが自らの力で得たものじゃからな」
「……おれは助けられてばかりですよ……」
「それもお前さんの力じゃよ。お前さんだから周りは助ける。それはなにものにも代えられぬお前さんの力じゃ」
おっと。横の猫耳ねーちゃんや。お前とは違うんだよ、みたいな目でオレを見ないでください。オレだって助けてくれる人はいるんだからねっ! 勘違いしないでよねっ!
「それで、お前さんはどうしたいんじゃ? わしの薬で傷を治せても種の存続は救えんぞ」
「巨人を外に出すことは可能でしょうか?」
「巨人はそれを望むのか? 仮に望んだとして、巨人をどこに住まわせる? あの巨体じゃぞ。食料はどうする? 水はどうする? 衣服はどうする? それらを解決しても問題は出て来るぞ。すべてをお前さんが解決するのか?」
助けたいと、お前は巨人のために一生を捧げられるのか?
「…………」
思いだけでは現実は変えられない。力と知恵を持つのは最低条件。望みを叶えるには強い意思と傍若無人なほどの行動力を持たなくちゃならんのだ。
「だが、運のよいことにそれらを解決法があったりする」
運がイイのはタケルかオレか。いや、これはタケルが呼び寄せた運だろうな。
「──本当ですか!?」
「ああ。この世には多種族国家がある。どんな種族も受け入れられる国がな。ただ、種として残りたいのにら小さくなるしかないの。その説得はお前さんがやることだ。巨人をどうしても救いたいというのならな」
そこまでは面倒見切れない。助けたいというのなら全力で動け、だ。
「わかりました。説得してみせます」
それでこそだ。
やる気に満ちた顔で駆け出して行くタケル。がんばれ少年。
「なんだい?」
なんか猫耳ねーちゃんが不満そうにオレを見ていた。
「……甘やかしすぎじゃない……?」
「そうかもな。だが、あいつのために動きたくなるのも事実だ。あいつは正しくあって欲しいってな」
人生に失敗して後悔した日々を送っては欲しくない。あの心が汚れるところを見たくない。あいつは輝いたままでいて欲しいと願ってしまうんだよ。
「厳しくするんなら仲間内でやれ。あと、今から尻に敷いてないと女がどんどん増えて行くぞ」
オレはタケルがハーレムを築こうが気にしない。好きなだけやったれって派だ。だが、それが嫌だってんなら自分で阻止しろ、だ。
「わかってるわよ!」
そう言ってタケルを追いかけて走って行った。
「あまり若者をからかっちゃダメですよ」
いや、オレもまだまだ若者なんですけどね! いや、まだ少年でしたね、オレ!




