1736 魔女の正体みたり
夜中に魔女たちも戻って来た。
「お風呂入りたい」
と言うのでさっと用意してやる。風呂上がりにはよく冷えた牛乳とフルーツ牛乳をご用意しておきます。
「帝国の魔女ですか。ウワサに聞いてはいましたが、見習いであれとは恐ろしいものです」
カーチェにはどんな風に見えているかわからんが、今は二人に媚を売っておけとオレの勘が言っている。結界冷蔵庫に牛乳とフルーツ牛乳、コーヒー牛乳を入れておく。
「知ってんだ」
「ウワサていどにはね」
「まあ、手は出さないことだ。おっそろしいのが上にいるからな。姉御よりおっかねーぞ」
カーチェたちも姉御の恐ろしさは知っている。あれは前に立っただけで股間がキュッとするからな。
「オババよりはどうです?」
「わかってたのか?」
まさかオババの正体に気づいてたのか? オレはなんかあるくらいしかわからんかったぞ。
「わたしも百年以上生きてますからね。五十年前からあの姿なら魔女かもしれないと考えますよ」
カーチェ、五十年前からボブラ村に来てたんだ。
「大図書館から逃げ出したそうだ。昔ははっちゃけていたみたいだぞ」
敵にしてはならない者は情報共有しておかんとな。その災いがこちらに向けられたら嫌だし。
「ボブラ村はなにか変なものを集める力があるんですかね?」
オレが原因ではないってことだけは言っておこう。オババも姉御もオレが生まれる前からいたしな。
「そうかもな。ボブラ村の昔話に天女が降りて来たとかあるからな」
「それは初耳ですね」
「そうか? よく寝物語として聞かされたぞ」
昔、天女が降りて来て男と結ばれたって話だ。それからボブラ村は豊かになったとか。なんか天女の羽衣みたいな話やな~とか思って、オレが改編させて広げました。
「まあ、ボブラ村なら本当にあったことかもしれませんね」
「そうだな。いろんなのがいるからな」
もうなにがあっても驚かない。それ以上の驚きがあったら大したもんだよ。
「振り?」
振りじゃねーよ! 恐ろしいこと言うなや! 本当になったらどうすんだよ!
「ふー。いいお湯だった」
さっぱりした魔女たちが出て来たので牛乳とフルーツ牛乳を差し出した。
「その恥も外聞もかなぐり捨てたベーが恐ろしくありますよ」
オレは勝てない敵とは戦わない主義だ。遜ることも厭わない。おいしゅうございますか?
「もう寝るわ」
「お食事はよろしいので?」
「明日食べるわ」
コクコク。
「では、ご用意致します」
おやすみなさ~い。
魔女たちが結界部屋に消えたらコーヒーを淹れる。
「あーコーヒーがウメー」
ふー。災いは去ったぜ。




