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村人転生~最強のスローライフ  作者: タカハシあん
十歳スタート

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1292/1854

1292 到着

 次の日、予想以上に代表さんの動きは早く、朝に使いの者がやって来た。


「役場に来ていただきたい。マドリオ様がお話したいそうです」


 と言うのでミタさんだけを連れて役場へと向かった。


 役場は町の中心にあり、役場と言うより牢獄? な感じだった。


「以前は砦でしたか?」


 案内役の男に尋ねてみた。


「はい。そうだと聞いてますが、相当昔のようで詳しくはわかりません」


 へ~。結構歴史がある町だったんだな。昔、戦いでもあったのか? いや、歴史探求はあとだ。今はこちらに集中しないとな。


「……しっかりしてるな……」


 歴史があるにしては朽ちているところは見て取れず、数十年前に造られたと言われても疑うことはないだろう。


「魔法がかけられてますね。ただ、解けかかってる感じですけど」


 オレには感じられんが、それなら納得だな。南の大陸は魔法が発展してるからな。あ、普及してるかは別問題ね。


「魔法の光か」


 通路には魔法の光が等間隔に設置(?)してあり、充分足元が見える。結構魔法が浸透してるのか?


 案内されたところは広い部屋で、年配の男たちが十数人いた。


 椅子と言う文化はないのか、部屋には絨毯が敷いてある。


 ……インドっぽいな……。


 まあ、インドの知識なんてないに等しいが、薄い知識で判断するとインドっぽいと感じるのだ。


「初めまして。ゼルフィング商会の長でヴィベルファクフィニーと申します。こちらの礼儀を知らないのでご無礼がありましたらご容赦を」


 先制パンチとばかりにこちらから名乗りと挨拶をした。


「挨拶痛みうる。まあ、座ってくだされ」


 客として扱ってくれると言うことか。どうやらバカではないようだな。


 では、失礼してと靴を脱いで絨毯に上がり、皆と同じく胡座をかいた。


「北の大陸から来たと伺ったが、あちらもシャグラをするので?」


 シャグラ? 胡座のことか? 


「いえ。わたしどもの大陸では椅子に座ります。このような座り方はありません」


「それにしては堂が入ってますな」


「ゼルフィング商会はいろいろな種族と商売しておりますからな、相手に合わせるのは慣れております」


 どうやらオレを見定めているようだ。


「お茶をどうぞ」


 と、若い女が茶碗のような陶器を置いた。


 金属製の急須? 土瓶? から茶色い液体を茶碗に注いだ。


「ロブロと言うお茶ですね。何百年も前から飲まれている一般的なお茶ですね」


 と、レイコさんが教えてくれた。


「これはこのまま飲んでよろしいので?」


「ああ。口に合わなければ無理なさらず」


 一般的に飲まれているものなら恐れる必要はなしと、ロブロをいただいた。


「……甘いですな……」


 砂糖の甘さじゃなく、果物の甘さだ。


「口に合いませんでしたか?」


「いえいえ、あまりに旨かったので驚いてしまいました」


 ハルメラン(黒丹病があった自由貿易都市だよ)でバルグル茶も旨かったが、これも負けてない。売れるぞ、これ。


「是非、仕入れたいですな。こちらの大陸でも受け入れられる味です」


 一般的に飲まれているなら一般的に流通してるってこと。仕入れるのは難しくないだろうよ。


 全部飲み干し、お代わりをいただいた。


「気に入ってもらえたら幸いです。ご要望なら用意しますぞ」


 改めて対応していた男を見る。


 代表の横にいることからしてそれなりの地位にいる者だろう。商人って感じがしないから党の幹部かな?


「はい。是非ともお願いします。礼は弾みますので」


「商人はいずこも同じですな」


「商人は損得で動きます。得になるなら国や種族は関係ありませんよ」


 まあ、なんちゃって商人だが、損得は忘れたことはないぜ。


「この町に得はありますかな?」


 やはり商人じゃないようで話が単刀直入だ。オレとしては助かるわ。


「もちろん、得だらけですとも」


 商人としては弱みを見せるのは減点だろう。が、そんなに時間をかけてられねー。こちらも単刀直入といかせてもらうぜ。


「町の外、人がいない土地を使う許可をいただきたい。もちろん、使用料はお支払します」


 無限鞄から金の延べ棒を二本を出して絨毯の上に置いた。


「なんなら食料でお支払いしても構いません」


 男は代表を見ると、なにか目配せしてお互いが頷いた。テレパシーか?


「土地はなにに使うので?」


「外を見ていただければご理解いただけるかと」


 意味がわからず視線を飛ばし合う男たち。


 オレと話していた男が立ち上がり、窓へと向かった。


「なっ!?」


 と、驚きの声を上げた。


 他の男たちも立ち上がって窓へと向かうと、同じように驚いた。


「あ、あれはいったい!?」


「我が商会が所有する空を飛ぶ船、飛空船です」


 こちらを見る男たちにニッコリ笑ってみせた。

 

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