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村人転生~最強のスローライフ  作者: タカハシあん
十歳スタート

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1255/1852

1255 荷車作り

 村から少し離れたところに工作小屋を建てた。


 なぜかと言ったら村の周りが完全にカイナーズの駐屯地と化したからだ。


 もう侵略じゃね? とか思わくもないが、オレの金が入っている時点で侵略したも同然。口にしたら特大のブーメランが突き刺さるだけである。


「今度はなにを始める気なの?」


「荷車作りだよ」 


 材料を無限鞄から出してると、委員長さんら何人かの魔女さんがやって来た。休憩か?


「あなたがなにかやると確実に予定が変わるからね、様子見に来たのよ」


 まったくもって反論できぬ。しっかり見てこれから起こる予定変更に備えて下さいませ。


 魔女さんたちの視線を一身に受けながら、一メートルくらいの大木を無限鞄から出して結界で木材とする。


 本来なら乾燥とかいろいろ工程はあるが、我が結界はその手間の短縮を可能とする。が、防腐処理はいかんともならない。


 結界を使用すれば簡単なんだが、それではオレの工作魂が許さない。おっと。くだらないとか吐き捨てくれるなよ。拘りは文化を発展させるんだからよ。


「それは?」 


「木の樹液だよ。これを塗ると腐り難くなるのさ」


 漆ではないが、荷車にはよく使われるものなのだが、村の周辺にはあまりない木で、採れる量が少ないのが難点だ。


 しかし、我にはプリッつあんの能力がある。


 残り少ない樹液も伸縮能力があれば万歳三唱。二百ミリリットルが二百リットルになりましたとさ。


「……あなたは、いくつ謎の力を持っているのよ……」


「これは共存体の力だよ」


 その共存体はどこでなにをしているかわかりませんけど!


 木材に樹液を塗って結界乾燥。イイ具合になったところで木工道具を使ってパーツ作り。以前は一分の一で作ったが、四分の一製作はちょっとムズい。


 なんとか三時間くらいでパーツ完成。したら辺りはすっかり暗くなっていた。


「──うおっ! まだいたんかい!?」


 委員長さんと三人の魔女さんが周りにいてびっくりこいた。


「あなたの集中力、どれだけなのよ?」


「オレはやるときは全集中する性格なんだよ」


 この歳で薬師と名乗れる理由がそれです。


「ってか、見てて楽しいのか? 単なる工作だぞ」


 木を削ったり組んだりしてるだけだ。これと言って特別な力は使ってねーぞ。


「あなたがすることすべてが興味あるだけよ」


「そんなおもしろい男じゃねーぞ」


 オレはおもしろいことしてる自覚はあるがな。


「おもしろいじゃなく興味深いのよ。南の大陸に当たり前のように来れる村人にね」


 叡知の魔女さんがなぜ委員長さんを選んだかわかるセリフだな。


「そうかい。なら、好きなだけ見な」


 見られて困るような生き方はしてねーし、今さら監視の目が増えたところで気にもならねーよ。


 委員長さんらに構わず荷車作りを続け、日付が変わる前に完成できた。


「うん。イイできだ!」


 サリネには負けるし、自画自賛になるかもしれねーが、オレの中では会心のできだと思うぜ。


「そうなの?」


「──うおっ!?」


 横からの声にびっくりポン。口から心臓が飛び出るかと思ったわ!


「集中するとまったく周りが見えなくなるのね」


「だったら驚かすなや! オレの心臓が死ぬわ!」


「驚きすぎて言葉がおかしくなってるわよ」


 そうだな。ちょっと驚きすぎたな。冷静になろう。


 ミタさんが用意しててくれただろうポットに手を伸ばし、カップに注いで口にした。あー旨いコーヒーだ。


「オレを見るのもイイが、夜中まで起きてるなんてお肌に悪いぜ」


「肌の心配より知的好奇心を満たすのが魔女と言う生き物よ」


 ぐうの音も出ないほどの正論。いや、実態か?


「好きなことを好きなだけするには元気な体があるから。蔑ろにするヤツには明るい未来はねーぜ」


 徹夜するオレだって日頃の摂生があるからだ。納得はされないだろうけど。


「心に留めておくわ」


 そう言うところは素直なお嬢ちゃんだよ。


 完成した荷車をいろんな角度から眺め、工程を頭の中でリピートする。


「……よし。覚えた」


 錬金の指輪をして材料を並べる。


「錬金術作製!」


 なんて叫ぶ必要もないのだが、ギャラリーがいると叫びたくなるのが男心なんですよ。


「錬金術!?」


 なんて驚く魔女さんたち。驚くってことは錬金術は一般的じゃないってことだ。


「なんだい。帝国ではやってねーのかい? 今、世界では大人気なのによ」


 いや、オレの脳内世界では、だけど。


「……帝国でも錬金術は人気よ。けど、村人がほいほい使えるほど簡単なものではないわ。何十年と研鑽した者だけが使える技なのよ」


「さすが帝国。いろいろやってんだな」


 人族の中で一番技術発展してんのが帝国だってわかるよ。


「いろいろやってるあなたに言われてもね……」


 まったくもってごもっともです。


 錬金された荷車は十八台。大木一本で少ないと思うが、まだ練度が低いんだろう。精進だな。


「続きは明日──いや、もう今日か。起きてから再開だな」


 ほっとしたら疲れが怒涛のように襲って来たぜ。


「魔女さんたちも風呂入って寝な」


 カイナーズが設営した風呂があり、二十四時間使えるって話だ。


「ええ。そうするわ。皆、いきましょう」


 魔女さんが去り、工作小屋を片付けてオレも風呂へと向かった。


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― 新着の感想 ―
[一言] 本編とは無関係ですが今じゃ解剖遺体保管はチルド冷蔵庫が主流でプールは使わないそうな まあ廃液処理大変だしホルマリンって人体や環境に有害なのよね でもハンニバルライジングとか魔界都市新宿見ても…
[一言] そして風呂にはヤンキーの解剖死体がプカプカと?(なんでや ヤンキー素材が売れるなら荷車に山と積まれてそうだけど ナニ乗せるんだ?袋で餓死しそうだった連中?
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