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村人転生~最強のスローライフ  作者: タカハシあん
十歳スタート

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1060/1852

1060 園花館(そのはなかん) 

 地獄がなんぼのもんじゃい! 鬼なんぞボコボコじゃー!


 とばかりに地獄から生還。現世の畜生どもにごめんなさい。わたしが悪うございました。


「──なんて言うと思ったか! オレはやりたくないこと、はやらねーんだよ!」


 相手がご隠居さんだろうが、オレはノーを突きつけてやるぜ!


「──ベー。またですか」


 と、婦人登場。


「ミタさん。婦人にお茶をお出しして。ささ、婦人。こちらにどうぞ」


 今日も美しい婦人を炬燵にーーは邪魔じゃこん畜生が! と海へと蹴り捨て、素敵な婦人に似合うテーブルと椅子を出してお座りいただいた。


「清々しいまでの手のひら返しね」


「強者に媚びまくりさね」


 そこ、うるさいよ。婦人がいらっしゃってるんだからお静かにおし!


「へへ。今日はお日柄もよく婦人につきましてはどうお過ごしでしょうか? わたしめは婦人の栄光にあずかりおもしろおかしく過ごしております」


 この幸せはあなたがいるから。あなたのお陰で生きております。


「人はあそこまで卑しくなれるのね」


「ある意味、見本のような人の生き様だよ」


「へへ。雑音がお耳にさわりましょうが、寛大なお心で聞き流してやってくだせい。ほら、ミタさん。お茶を早く」


 すみません。いつもは気の利いたメイドなんですよ。


「説明してください」


「はい。喜んで」


 かくかくしかじか、ああだったりこうだったりして、あれがこうしてそれがこうなったわけですよ。ゲヘヘ。


「わかりました。プリッシュ。説明してくれないかしら」


 あれ? わたくしめ、今、わかりやすいように説明しやしたが……。


「はいはい。ベーは園花館(そのはなかん)にいって、主要メンバーを集めてね」


 脇役に追いやられる主役。え? これは誰の物語なの!? って言うか、園花館(そのはなかん)ってなによ? 誰か説明プリーズだよ!


「ベー様。いきますよ」


 ミタさんに首根っこをつかまれて、どこかへと転移した。


 で、連れてこられた場所は、プリトラスのエントランスホール的なところ。あ、園花館(そのはなかん)に変えたのね。


「なら、館長ってことでよろしこ」


「……ベー様はなにを言っているのだ……?」


 目の前にいたミタパパが困惑顔。父娘なだけあって似てるぅ~。


「父上の呼び名が館長に決まりました」


「あ、ああ、そうか。では、わたしは館長と名乗ろう」


 なんかやらかしたような気がしないではないが、反論がないのならこのまま突き進め、だ。


「館長。これよりゼルフィング商会の会頭、フィアラ様。アイランド・ゴッティス代表、ゼム様、カイナーズより、カイエモンが参ります。会議室で今後の流れを話したいそうです」


 え? いつの間にそんな流れに? 誰が仕切ってんの!? つーか、オレいらなくない?


 オレを無視して事が流れていくこの状況。まず、オレに説明するのが重要じゃね?


 なんてことを言えるわけもなく、流されるままにときは流れ、会議室やらへと放り込まれ、厳しい監視の下に置かれました。


 ……ほんと、なによこの状況は……?


 プリーズ大合唱がオレの頭の中で歌われているが、まあ、表面は春の麗らかの利根川よ。いや、利根川知らんけどね。ついでに隅田川も知らん。


 まあ、どんなところでもコーヒーが飲めたらそこは天国。あーコーヒーうめー!


 現実逃──ではなく、時間を忘れてコーヒーを楽しんでいると、婦人や館長、いぶし銀のおっさん、ご隠居さん、カイナ、カイナーズのヤツだろう赤鬼さんが入って来た。


 ……あ、プリッつあんも入ってきて、オレの頭の上にパ○ルダーオンしました……。


 それぞれ、秘書のような者を連れているが、なんの犯罪者集団だよと突っ込みたくなるな。ってか、オレ、違和感バリバリじゃね?


 大人の中に子どもが一人。なんの虐待だよ。いや、されたら反撃する子どもですけど。


「ベー様。主要メンバーは揃いました」


 オレに構わずやっちゃって。とか言いそうになって止めた。なんか足りねーなと思って。


「どうかしましたか?」


 全員の目がオレに集まるが、考えに集中する。


「……チャンターさんがどこにいるか知ってる人?」


 前に石炭を買いにいくとか言ってたのは記憶してるが。


「アーベリアンの王都にいたさね」


 ってことは東の大陸に帰るってことかな?


「カイナ。チャンターさんと船を丸ごと連れてこられるか?」


「まあ、できはするけど、必要なの?」


「東の大陸の連中にここを宣伝してもらおうと思ってな」


 知らなければ立ち寄ってもくれんだろう。


「確かにそうだね。わかった。連れてくるよ──」


 穏便に頼むよ。


「あと、もう一人……は必要かな?」


 いらないといえばいらないが、役に立つと言えば役に立つ存在だ。だが、う~ん。どうすっぺ。


「……悩む~……」


「ベーが悩むなんて珍しいわね。空から星が落ちてくる予兆?」


 ねーよ。そんな予兆。


「まあ、イイ。悩んだら即行動。間違ってたらごめんなさいだ」


 やらぬ後悔よりやって後悔しよう。二秒もしないで消える後悔だけどな。


「すぐ戻る。いぶし銀のおっちゃんの体格に合う服をいくつか別室に用意しててくれ」


 言って転移バッチを発動させた。


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