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村人転生~最強のスローライフ  作者: タカハシあん
十歳スタート

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1019 ジャンケン大会

「わたしも船長服が欲しいからカイナーズホームで買ったの!」


 説明は求めてないけど、説明ありがとう。でも、なに一つ理解できませんでしたわ~。


「なぜにそのチョイス?」


 プリッシュ号は海賊船だったの?


「店員が言うには今年の流行りはこれなんだって」


 今年ってなんだよ? カイナーズホーム、今年できたばっかりだろうが。流行りって、どこで起きた流行りだよ? どこのアホだよ、そんなこと言ったのは?


 つーか、そんな口車に乗る君もどうなのよ。君のお洒落は他人任せなのか?


「なかなか可愛いでしょう。ウフフ」


 一回転するキャプテンプリッシュ。どうやら自分に合った服のようです。そりゃよかったね。ほら、褒めてあげてとミタさんを前に出した。オレには無理だからさ。


「え? あ、えと、はい素敵です。似合ってますよ」


 ミタさんに追随する様にニコニコ顔で頷いた。


「エヘヘ」


 ご満悦なキャプテンプリッシュ。喜んでもらえてなによりだ。いや、オレ、なにもしてないけどねっ。


「フミさんたちに見せてあるうちにオレは飛空船をもらって来るよ」


 プリッシュ号の仕組みはキャプテンプリッシュに教えてある。知りたいなら持ち主に訊いてください。


「ミタさん。コーレン借りて来て。湖に浮かんでいるのもらうからよ」


 空に浮いてるのは未来的過ぎる。多分、機能も湖に浮いてるものより未来的だろう。さすがに公爵どのだろうとやる訳にはいかない。つーか、世間に出せんだろうが。解体して再利用しろや。


「コーレンでしたらあたしが持ってます」


 なんでも持ってるメイドだよ。


 ミタさんにコーレンを出してもらい、乗り込んだ。


 ふわりと浮かび上がり、スムーズに発進する。なんでも持ってて、なんでも動かせるメイドだよ。まあ、今さらだけどよ。


「無人かな?」


「無人のはずです。今、四隻を保管しておく島──集船島(しゅうせんじま)まで運んでますから」


「島? この海域に飛空船を保管できる島なんてあったっけ?」


 まあ、すべての海域を飛んだわけじゃねーが、飛空船を集めておける島なら結構デカいはず。それなら見つけてると思うんだがな。


「いえ、海ではありません。空にある島です」


 上かよ! って、それこそあんのかよ? 浮遊島ならさらに見つけやすいぞ。


「あたしもよくは知らないのですが、小人族がその昔住んでいた島らしいのですが、資源が枯渇してしまい廃棄されたそうです。それを思い出したコノガ様が使ってはどうかと提案され、調べたところ充分に使えるとわかったので集船島とすることになったそうです」


 充分過ぎるほど知ってるよ。この世の情報はミタさんに集まるようになってんのか?


「ま、まあ、使ってイイのなら使え、だ」


 オレがどうこう言うことじゃねーや。好きにしろ。


「無人なら小さくして無限鞄に仕舞う。まずはあれからやる」


 近くにあるからスタートして、計八隻の飛空船を無限鞄へと仕舞い込んだ。


「八隻でよろしいのですか? 帝国の技術ならあそこの二隻も行けると思うのですが」


 万能メイドは、ちゃんとオレの趣旨を理解しているようだ。


「あんま持ってっても買ってくれるかわからんし、運用もできんだろうしな。もっと売ってくれって言われてからでイイさ」


 そんな手間でもないしな。言われてからで充分さ。


 ミタさんからこれと言った提言もないので戻ることにした。


 プリッシュ号のもとに来ると、なんかさらに人が増えていた。なによ?


「小人族のようですね」


 あ、小人族ね。ってまあ、今は伸縮トンネルを潜って大きくなってますが。


「そんなに興味を引くものか?」


 ここのヤツらにしたら不思議な形だろうが、結界で動かすもの。飛空船のようなギミックは少ない。プラモデルみたいなもんだろう。


「ああ、興味を引かれるね」


 と、横にいたドワーフ系のおっちゃんが答えた。どこによ?


「船体のどこにも溶接されたところもなければネジ一本使われていない。回転翼ってのもおもしろい。形も利に叶ってる。なのに魔力炉も積んでないのに、動くばかりか操舵輪だけで動くとか謎過ぎる。それに、万が一のとき飛竜よりも速く飛べるとか意味わからんわ」


 言われてみれば確かにそうだな。なんも仕掛けのないプラモデルが飛んだらオレでもそう言うわ。


「まあ、オレの魔術で飛ばすからな」


「そこが非常識過ぎて益々意味がわからんよ」


 わかったら逆に意味わからんわ。


「非常識ってより邪道だな。意味なんてわからなくてもイイさ。技術者なら王道を進んで技を極めな」


 あんまり進められても困るからよ。世界がな。


「いや、ベー様の考えは王道を進んだ遥か先にあるように思える。学ぶべき技だ」

 

 え、なに、このおっちゃん? 勘がよすぎねーか?


「ベー様!」


 と、フミさんが駆けて来た。な、なによ?


「プリッシュ号にわたしを乗せて飛んでください!」


 ヘイ、キャプテンプリッシュ。説明よろしこ。


「どう飛ぶか知りたいんだって」


「別に飛ばしてやったらイイじゃん。なんか不都合があんのか?」


 別に隠した技術……はないけど、説明できん能力はありましたね。


「ベー、その間にバイブラストにいっちゃうじゃん」


 まあ、行っちゃいますね。待ってる必要もないし。


「だからベーがなんとかして」


 なにその無茶振りは? プリッシュ号はプリッつあんのものなんだから自分でなんとかしろよ!


 と、思って閃いた。バイブラストに技術者を連れていくのも手だな、と。


「なら、プリッシュ号でバイブラストにいくからいける者は乗り込め。ただ、乗船できるのは三十名な」


 それ以上は無理だ。狭くなるからよ。


「わかりました! 三十名を募る! 乗りたい者は手を挙げろ!」


 と、ここにいるほぼ全員が手を挙げた。


 で、始まるジャンケン大会。まあ、コーヒーを飲みながら待ちますか。


 あーコーヒーうめ~!

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