プロローグ*4
長いです。そして、やっとプロローグ終わり……!!
…………無言になっちゃってる。でも、私変なこと言ってないよね?だって、あたりまえでしょ?いきなり人のことさらってきたんだから。私が言ったことは間違ってはいない。だけど、だけどさ、これは可笑しくないかな!
「………ぷっ…ふ……」
「ぐふぅ、ぐぶふふふぅ」
「くっ……っ……」
「……っ、………」
無言と言っても笑いを耐えているだけであって声出てますが!!どういうことだおい。って言うか、ちょっとそこ。涙流してるんじゃないよ。どこが面白かったって言うんだよ!!お、なんかこの美形たちのおかげで震えが止まったぞ、けどそんなんはどうでもよいのだ!私をかぁあえぇえせぇええ!!
「どぅはっ!!コイツさっきまで声震えてたのに、なんかにらみ始めだぞ?!うははは!やっべえ気に入ったわ!!」
「だ、だめだよぉ、ボクが先に気に入ったんだよぉそれに、そんな事いっちゃ、怒っちゃうよ……つふ……」
「い、いかんぞ、だめだ。さらに緊張してしま、くふっ」
「皆さん落ち着いて。うん、君もちなさんのこと気に入ったんだねわかったよ。全員気に入ってるんだね。それよりもちなさんが怖がるだろう?……くっ」
ちょっと待てよおいそこの髪の毛引っこ抜き大魔神。まともだコイツっておもったさっきの私を返せ。最後の最後で笑いやがって!何様だお前は、と言うか何様だお前らは!!人をさらっといて人のこと笑いながらも気に入るとかどんなだこんちくしょー!!嬉しくなんかない!特にあの豪快に笑ってる男!!あー、なんか違う意味で手震えてきたわ。なんでだろーね、おい。知りたいとは思わないかい?試しに殴られてみなよ、きっとわかると思うよ!
「ぐっふふふ、だはははは!!マジで面白いんだけどコイツ!」
「うるっせーなこんちくしょー少しゃ黙りやがれってんだよ」
………………………………。
ああああああ、もおおおおおおお!!!なんなのホントこの条件反射!!少し黙れよ自分!
「…ちなさん」
「……!」
「笑ってごめんね」
それ言うためだけに溜めたのか?!いらねっつの!さっさと帰せよ!……はっ、まさか私をただ殺すためだけに連れてきたとか?!…いや、ないか。ならもう殺してるよね…。
「そんなに怒んなよチナー」
おいこらてめぇ馴れ馴れしく肩組んでくるんじゃねぇよ糞坊主。怖いっつってんだろてめえ。
「お前の思ってること、教えてやっからよ」
いや、私が今思ってることって肩組んでくるんじゃねぇよなんですけど。それを教えるってなんだ、肩組んでくる理由なのか?
………うん、ごめん、それじゃないってことくらいわかってるよ。たぶん、『なんでさらったの』ってやつだよね。
案の定、当たってた。
「チナ、お前は勘違いしてるぜ」
「あ、確かに!」
………は?なにを、勘違いしてるって?
「俺たちはお前をさらってなんかいねぇ」
「………は?」
すると目の前の男は私にぐっと顔を近づけて、ニヤリと笑った。不覚にもときめく私のことは誰も攻めれはしまい。だって美形だよ?顔ちっけぇし!さっき無かった余裕が出てきたよ、今。今更だけど。
「驚くなよ、ここは…………聖界だ」
「なにそれ知らね」
「………………」
はい、またやりましたー。すいませんですねー。つか、マジでせいかいってなによ?漢字すらわからん。
………あ、ため息ついた。え、なになに、私が悪い感じ?!
「…あのなぁ、せいかいってのはぁ、聖なる界域って書いて聖界っつーのよ」
「はぁ」
「聖界ってのは、俺たちみたいのががいるところだよ」
……………………。いや、俺たちみたいのって言われても、あんたのことこれっぽっちも知らないんですけど。あ、そういえば、コイツさらってないって言ったけど、ここ聖界って言ってんじゃないのさ。
……………さらってるじゃないか!!
「その顔はボクたちのこと知らないねぇ…」
「私たちを知らないのも当たり前だろう、あいつらは間違えたからな」
「っかぁああ~!!そっからかよ!!めんっどくせぇなぁ~」
肩組んでくる男がガクッとうなだれた……かと思ったらガバッと顔上げたよ怖いわ!
「いいか?一度だけ……いや、まあ、言うぞ。説明はしてやっから」
どうやら相当嫌そうな顔してたらしい。
マジか。なんかすいませんね。はい謝ったよ、早く説明しろよ。
……あれ?私なんか本当に完璧緊張やら恐怖やらが消えてね?
「俺の名前はサラマリダール!光を発するものの神だ!」
「ボクの名前はシリフィルド!流れるものの神だよ!」
「俺の名前はウルディネラ。流されるものの神だよ」
「私の名前はノマリセナだ。支えるものの神だ」
「はあ?神ぃ?」
ついそんなリアクションとってしまったけど、当たり前でしかないだろ。私の目にはただのコスプレイヤーにしか見えんよ。
「なんだよその疑り深げな顔は。俺たちは神!以上!」
説明しろよお前!するっつったろ!!
……え、また顔に出てた?!
「説明やっぱ無理だわ、時間ねぇ。だから適当な説明するわ」
「俺がしようか?」
「や、お前出来そうで出来ねぇから却下な。…で、チナ、お前矛盾してるっておもったろ?けど矛盾なんてしてねぇんだよ」
「…でも、あんたはここは聖界だって」
「そうだ、ここは聖界だ。けどさらってきてなんかいねぇ。お前は呼ばれたんだ」
「…………はい?」
「ここにいるのはお前の精神体だ。実際には来てない。な?さらってねぇし矛盾してねぇだろ?」
してないかもだけど納得はしてないぞ?!精神体?!え、私向こうでは植物人間?!もしくは昏睡状態?!
「あ、君たち、あと三十秒でちなさん帰らなきゃヤバいよ?そろそろだ」
え、なにそのでっかい砂時計。今まで気づかなかったことに驚きだよ?
「えええ?!早いよ~!」
「あと三十秒?!よっし、チナ、最後に一つ!お前の今までの日常は終わりだ!」
「は………はぁああ?!」
私が叫ぶのも仕方がない!なに断言しちゃってんだよコイツ!!って、おい、なに?なんかデカい砂時計の横にブラックホールみたいの出てきたんだけど…な!!なに?!サラマ…何とかって奴が私のこと担いだよ!ぎぃえええ!!
「そいじゃ、また今度な!また会うぜ、多分!!」
ゴーン、ゴーン、ゴーン、ゴーン……
鐘の音が…す、砂時計からしてるうう!あ、砂が落ちてる…落ちるとなるのかなって、
「うびぇええええぇえ?!」
ブラックホールの中に放り出されました!!
なんか四人が言ってるけど聞き取れないよ!!つかもう会いたくないし!!
「ぎぃえええああ!!落ちてるぅうう!!!」
叫び声が可愛くないのもご愛嬌!!って、どこまで落ちるんだ私ぃぃぃ!!