6月-2-
授業後、もちろんのこと俺と安藤は呼び出された。
国山先生はいつも遅刻者には課題を出す。とはいっても遅刻する奴なんて安藤ぐらいだが。
「安藤、遅刻した罰の課題だ。」
「げっ…ってかいつもより多くない?」
ほい、と国山先生から渡された課題のプリントをみて安藤は項垂れる。
俺は横目でちらっと見たが、たしかにいつもより多い気がする。
「で、東。おまえも遅刻の罰だ。こいつに課題を教えてやれ。」
「…え?」
俺が?
「え?東も遅刻したの?めずらしい。」
のんきに安藤はきいてくる。
人に勉強を教えたことはあまりないし、さらに苦手なクラスメイトと一緒に…なんて息が詰まる。
ため息をつきたい気分だったが、遅刻した俺が悪いし…仕方がないだろう。
「こいつに教えるのは大変だろうが、人に教えることは結構自分に身につくんだ。」
「…わかりました。」
「じゃあよろしく頼むな、東。この馬鹿を。」
そういうと先生は教室を出て行った。
「バカだなんてひどいなぁ、先生は。なあ?」
安藤はそういうと俺に笑いかけた。その間抜け面に俺はうんざりした。
なんでこんなことに…遅刻した俺が悪いんだがどうしても嫌な気分は晴れない。
気を引き締めて次の授業の準備をするために席に行こうとしたとき、安藤に声をかけられた。
「じゃあ、今日の放課後。よろしくお願いします。」
意外にも、安藤は行儀よく頭を下げた。