0.読み聞かせ
昔々、天界にある1人の神様がいた。
その神は天界から「ムルビス」にやって来た。
神は平穏で穏やかな大地を保つため、4人の特別な人間を生み、その4人の子供たちは神の使徒としてムルビスに送られた。
使徒と言っても生身の人間だが、4人には人間と区別できるくらいの能力があった。
ムルビスでは人間もどんどん増えていき、やがて小さな争いが生まれ、以降ムルビスの人間は領土の争い、権力者の暴走が拡大していた。
そこで神は4人の使徒に戦争を止めるよう命じて自分の生命エネルギーを分け与えた。
4人は血の流れない美しい世界を取り戻すため、神より与えられた不思議な力で人間世界の戦争を止めに入る。
介入したおかげであらゆる所で起こっていた戦争は瞬く間に鎮火していく、まさに神業だ。
その功績を称え、人間達は4人の使徒を戦争を止めた英雄として崇めたのだ。
しかし戦争が終結後、ムルビスを創った神は亡くなってしまう。
そこで4人の使徒は死んだ神に与えられたあらゆる術でその肉体から魂を吸い出し、4つに分けて取り込んだ。
これにより4人にはまた特別な能力が生まれました。
4人の使徒は実質的に神様となってこれ以上戦争の起こらないように自分たちが使う術とは少し異なるが、簡易的で人間が誰でも持っているオドを源とした「4属性魔法」を生み出した。
人々は大喜びだった。
魔法によりあらゆる生活が豊かになり、平穏な世界を作る第一歩だと思っていたからだ。
だが、事件は起こった。神の魂を取り込んだ代償が来たのか次第に自分の精神を操ることができなくなり錯乱状態が続くようになった。
そこである1人の女が動き出した。その女は、人の弱い心に付け入り自分に心酔した者を操ることが出来たのだ。
4人はその絶大な代償に抗うためその女に助けを求めてしまいました。その後4人はその女に精神を支配され、女の思うがままに肉体も踊り働かされた結果、4人は殺し合いを繰り広げることとなりムルビスの人間たちを巻き込む。
人々は血で染る争いの原因が神にあると思うことになり、神様を恨むようになりました。
戦争が激化し始めた時、女は4人の神達の催眠を解いて「ウロジカオルム」という怪物も作り出してしまう。
ウロジカオルムは美しき国を荒らし周り、人間を貪り食う始末。
4人の神は何としても怪物を止めるために全身全霊をかけて立ち向かう。
しかし、4人の神達は力を合わせるものの、ウロジカオルムの脅威には歯が立たなかった。神々はオドが枯渇し限界に達しもう終わってしまうのではないか、と思われていた。
そんな時、怪物との戦場に若き少年が現れる。その少年は神しか使えないはずの神術を華麗に使いこなし4人を同時に治癒すると、一人でウロジカオルムへ立ち向かうのだった。
無謀だと思われた少年の戦い。
だが、その少年の力は4人の神々に匹敵するか、それ以上の神業を見せ、あらゆる術でウロジカオルムを翻弄する。
それでもウロジカオルムには苦戦を強いられる。
でも少年は己の最後の力を振り絞ってウロジカオルムの魂を分断し6個の祠に封印することに成功する。
治癒を受けた4人は意識を取り戻すと、全ての戦いが終わっていた。
そして神術を使う少年を見つけるのだったが、ウロジカオルムに立ち向かい封印することに力を使い切ったのか、その少年は延命するために浅い呼吸をするしかなかったのだ。
少年に完璧に治癒魔法は施されたはずだったが、ウロジカオルムの呪いにより治癒魔法が無効化されてしまい、少年はその後息を引き取った。
4人の神達と人間達は、少年の安らかな表情を見ながら少年を埋葬する。その後には少年を称える銅像も作られ人々から感謝、信頼の象徴とされた。
4人は自らの失態を謝罪し、争うことのないように話し合いで物事を解決することを誓い人間達の信用を取り戻す。
その後神達は自身の寿命が尽きるまで世直しの旅へ出るのだった。
そうしてまたこの世界に安泰の地がやってくる...
――筈だった。
この話はこれで終わらないのだった。あの時ウロジカオルムの悲劇があった中、女はどこに消えたのだろうか。そんな疑問が残されたまま少年の死闘から約1000年の時が立った時、ある出来事は一瞬にしてやってたのだ。
四大神を祀る祭壇にある人間が訪れる。その不敵な笑みを浮かべると、呪文を唱え儀式を始める。
「偉大なるムルビスの主たちよ。私の黒く輝く美しき魂と繋がり、大地にその恩恵を与えたまえ」
儀式が最後まで終わると、暗黒の魂が飛び出してくる。その魂達はそれぞれ6カ国にある祠の方へ向かい飛び立っていくのだった。他にも、至る所で力を弱めていた魔族達の活動は活発になる。
そんな中、地球から神田優斗の魂がムルビスに導かれる。その魂はルアンという少年へ引き継がれることとなった。
一体どんなことが待ち受けてるのか、その続きは今度に...
「あれ?このお話の続きは〜?」
「この話の続き? 夜も遅いしまた今度ね!」