最後で、最高の夢
私が、目を覚ますと、お風呂に入っていた。
あれ、ここどこだ。
ここ、お風呂だ。
確か、あれ、思い出せない。
一回出るか。
私が、お風呂から、出ると、メイドさん?みたいな人達がたっていた。
メイドさんたちの真ん中には、純白の、ウェディングドレスがあった。
「あ、お嬢様、上がりましたか。では、ウェディングドレスを着ましょう。」
そう言われて、私は、ウェディングドレスを着させられた。
すごい、きれいな白いレース。
「次は、お化粧ですよ。」
私は、言われるがまま、座った。
「あ、あの、私は、これから、何をするのかしら。」
「お嬢様は、何をおっしゃっているのですか。お嬢様は、一国の王女サーシャ・マリス様として、隣国の、フィール王国の第一王子様と、式をお上げになるんですよ。」
「そうだったわね。ちょっと、お風呂でのぼせてしまって、忘れていたわ。」
隣国の、フィール王国。
何だっけ。
第一王子も。
あ、そうだ。
前世、私がやっていた乙女ゲーの攻略キャラだ。
そして、私が推している、ニコラス・フィールは、フィール王国の第一王子。
ってことは、推しと結婚できる。
何この、神回。
めっちゃ嬉しー。
でも、サーシャって、悪役令嬢だったな。
ま、推しと結婚できるから、あんまりそこは考えなくていいか。
「あと、何時間で、式の予定かしら。」
「後、だいたい、1時間ですかね。」
あと、1時間で、推しと結婚できる。
だから、60分。
あと少しの辛抱だ。
どんな色の服を着てるんだろう。
白かな、黒かな、ネイビーかな。
私は、化粧をしてもらった。
「すごい。私が、私じゃないみたいだわ。」
「ほめていただき、ありがとうございます。それでは、次は、ベールをかぶりましょう。」
私は、メイドさんに、ベールをかぶせてもらった。
そこにちょうど、推しであり新郎である、ニコラスが来た。
ま、眩しい。
ネイビーの色の服を着た、ニコラスがたっていた。
え、まじかっこいい。
何この、天才的なビジュ。
神様の最高傑作なのではって、くらいの、かっこいい。
まじ、生きててよかった。
「サーシャとても似合っている。」
ニコラスに、似合っていると言われた。
「二...」
そうだ。
推しだとしても、一工区の第一王子。
ニコラスなんて、呼び捨てしては、だめだ。
だから、ニコラス様。
これでいい。
「ニコラス様、ありがとうございます。ニコラス様も、似合っています。」
「ありがとう。それでは、そろそろ行くか。」
「あ、お嬢様。ブーケを忘れています。」
「ありがとう。」私は、ブーケを受け取って、ニコラスと別れた。
確か、結婚式て、父と、歩くのよね。
だから、私の父、だから、マリス国王が、連れて行ってくれるの。
なんか、それは、すごい。
私が、結婚式場に入る扉の前に行くと、マリス国王がいた。
すっご。
本気で、国王に、バージンロード歩くの。
すごいじゃん。
「サーシャよく似合っている。やはり、3回目でもつらいものは、つらいし。ネーラに似てきている。」
ネーラ。
そうだ、私の母親。
確か、私が、5歳の時に他国に馬車で言っている間に、転落事故で。
だめ。きょうは、晴れの舞台。
暗いことは、あまり考えない。
よし、頑張るぞ。
「では、新婦の入場です。」
その合図と同時に、扉が開いた。
私は、マリス国王の手を取って、開いた扉の先を進んだ。
扉の先は、庭園で、自分の目線と同じぐらいの場所に雲があった。
雲がある。
ここは、空の上。
それとも、地上に会って、演出のために、雲を出している。
でも、どちらにしろ、かっこいい。
こんなところで、結婚式あげられてよかった。
あと、前に、ニコラスがいる。
私は、マリス国王と一緒に、ニコラスがいるところまで行った。
私が前まで行くと、司祭さんが、魔法の杖を振った。
すると、そこから、花びらが舞った。
すごい。
幻想的。
「双方、二人で、永遠に添い遂げることを誓いますか。」
「誓います。」
「誓いますわ。」
「それでは、指輪を交換してください。」
私と、ニコラスは、指輪を交換した。
可愛い。
「次は、誓いの呪文を唱えてください。」
司祭が持っていた本を開いた。
そこには、呪文みたいなのが乗っていた。
『ルーニャト・ヂルデル・ファイル。』
2人が唱えると、さっき付けた指輪に、刻印が表れた。
かっこいい。
これが、魔法か。
これは、宝物になるな。
それにしても、眠くなってきたな。
私は、一回目を閉じた。
「起きろ。おい、起きろ。シャール。」
私が、次目を開けると、石で、できた牢にいた。
シャール。
そうだ。
私は、シャール・オフィリア。
オフィリア王国の第3王女で、第一王女を暗殺しようとした罪で、今日、死刑が執行される。
「シャール出ろ。」
私は、牢の外に出されて、手錠をかけられた。
あー、あれは、夢だったのか。
いい夢だったな。
でも、あれが、現実だったらよかったな。
「よし、ここで止まれ。」
私は、断頭台の前に来た。
あー、まだ生きたかったな。
来世は、いい子に転生できるかな。
スパンッ
あー、あの夢が、最後で最高の夢だったな。