第二話 主従…本契約ゥ!?!?
『んん…ふぁぁ…よく寝たぁ、今何時…』
「現在時刻は朝の6時です、主様」
『んぁぁ…ありがと…ん?』
「おはようございます、主様!清々しい目覚めですね。」
んんんん??????
誰だろう、この美女は…
『あの、貴女は…』
「あぁ!自己紹介を忘れていました…私の名前はルシフェル…別名、明けの明星です。以後お見知り置きを…」
そうだ、思い出した
昨日私は禁忌の書に触れて、何かを召喚した後疲労によって倒れて…
で、今は朝の6時…
駄目だ状況が特殊すぎる
そして私は気づいた、禁忌を犯したということは処罰の対象…最悪の場合私は死刑宣告されてしまい死んでしまう…!!!
私の安泰な老後が!!!!安定した収入が……!!!!
『あぁぁ…!!!』
「あ、主様!?どうしたのですか!?!?」
君のせいだよ!!!!!…と言いたいのはやまやまだが、昨日の事を思い出すとそうもいかない。そもそも禁忌の書を取ってしまった私のせいなのだから…
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「主様、落ち着かれましたか?」
『…あぁ、うん…だいぶ落ち着いたよ…』
嘘である。内心心臓バクバクである。
「…そうですか…」
気を遣って話さないでいてくれる…優しい子だなぁ
『あの…質問があるんですけど…』
「敬語なんて使わなくても良いですよ!貴女が主なんですから…」
『あ、う、うん…』
駄目だ、コミュ障が出てしまった。私はこの子の主らしい…うぅ、慣れないから喋りづらい…
『貴女の種族は何…?もしかして、天使なの?』
「…!」
彼女の表情が強張る
「…私は…」
本当に天使ならば、私は処罰確定だ。
お願いだ……別の種族であってくれ…!
「“元”天使です。…今は…違います…」
…も
…“元”天使!?!?
この場合、処罰の対象になるのか!?
『ち、ちなみに今の種族は?』
「い、今は……悪魔、です…」
あ
ああ、あ
悪魔ァ!?
『ヒェッ』
私はあまりのショックにまた布団の上に倒れ込んでしまった。
「あ、主様…!はぁ…いつかは話さなければいけないものですが、契約した次の日に言うのも気が引けたのに…」
そう言って彼女は眉をひそめ、しょぼんとした顔で床を見つめた
『ごめん…ちょっとびっくりしただけだから…』
彼女の話を思い返しても、あまり悪い子だとは思えなかった。
助けを求める仔犬のような目で見つめられれば、誰だって一度はたじろぐだろう。
『ところで、貴女――ルシフェル?で良いのかな…
地獄とか、解放とか言っていたけれど――』
「…はい。その件で、主様と話したいことがあったのです。」
そこから彼女の壮絶な過去の物語を聞かされることになったのだった
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天使だった頃、ルシフェルは、民の為になるようにと一生懸命に働いていた。
他の天使の話も、先輩の話も、後輩の相談役にもなり、勿論自分の主であった神の話もよく聞き、”自分以外の”皆の為に動いていた。
だが、そんな彼女に悲劇が起こった
天使が禁忌を犯したというのだ
その頃、彼女は天使のまとめ役を担っていて、皆の上司のようなものだった。
その結果、自分が責任を持ち地獄に堕ちることになった。
そのことについては、彼女は仕方がないものだと思い、受け入れようとしていた。
しかし、彼女はある話を意図せず聞いてしまった。
「あぁ、やっと厄介者が消えてくれる」
「邪魔者はいつまで経っても邪魔なものだからな。禁忌を犯した甲斐もあったというものだ。」
え…?
なんで…私は今まで、皆の為に…!
自分が正しいと思うことを、ずっと、ずっと__!!!
「…嘘、だ」
彼女の中の押し殺していた感情が、爆発した
「嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘ッ!!!!!!!!!!」
「私が!!今まで!!!やってきたことがっ!!!!」
「全て仇になったというの…!?あぁ…憎い…憎いわ…汚れた天使供め…!!!!!」
彼女の純白で美しかった羽はどす黒く濁った黒色になり、目は憎しみの涙で溢れていた
「あ“ぁぁァァァァァァァっ!!!!!!!!!!」
力が暴走し、制御不能になった後、彼女は捕えられ地獄に送られた
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「…と言うわけです。」
『…』
いや…重すぎない?いくら何でもこんな可愛い子くて健気そうな子がこんな目にあって良いわけがない、うん断言できる。
「そして、私は復讐を果たしたいのです。主様から解放させてもらった今…今が唯一のチャンスなのです…私の身勝手なお願いではあります、ですが…!」
そしてルシフェルは真っ直ぐに私のことを見つめて、涙を湛えた目でこう言った
「どうか…私の復讐に、御手をお借りしたいです…っ」
…そんなの、言われる前から私の答えは決まっている
『勿論。私は貴女に協力する。目標を達成する為だったら、私は何だってするよ。貴女のために、ね』
だって、私は可愛い子からのお願いに弱いから。
「…!!!」
彼女の目から、涙が堰を切ったように流れ出した
「…ありがとうございます、主様…!」
そして、彼女の身体から突然光が溢れ出してきた
「!! これは…」
『うわ眩しっ…!!? 何!なに!?』
突然の事に驚いたが、光はすぐに収まった
「どうやら、主様が私をお認めになったことで主従契約のワンランク上…『主従本契約』となったようですね…」
『主従…本契約!?それって…』
「えぇ、世界に有数しかいない本契約者…それは、より深い絆やそれに類するものが無いと出来ないはずです。」
主従本契約。
魔物や妖精などを召喚するときに自然と契約される主従契約とは違う、もっと特別みを増したもの。
今ルシフェルが言った通り、世界に数人しかいない、いわばほんっとうに仲がいい友達通り越して恋人…みたいな関係契約だ。
「…もしかして、主様が私を地獄から解放してくれたと言うのは、偶然ではなく運命だった…!?あぁ、主様!私主様のこともっともっと知りたいです!!何たって私と主様は運命の糸で結ばれているのですから…!!!」
『ま、待ってルシフェル!上に覆い被さってだきしめないで!!動けな…うわぁっ!!!!』
ひぇ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!
情けない私の悲鳴が、建物内を包んだ。




